アートと価値観についての2回目。
前回は価値観とは何なのか?
自分の価値観を知ることが大切なんだよね。ということを書きました。
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自分の価値観について考えたことありますか?
今日は、アート作品を鑑賞している時、人は自分の価値観を通して見ているのだなぁと気づいたことについてです。
私は昨年から、対話をしながら絵画を見る鑑賞会を毎月開催しています。
その鑑賞会に参加してくださっているお客様の言葉を聞いていて思ったことがありました。
その方の考え方とか、どんなこと大切にされているか、などが伝わってくるなと。
対話鑑賞では、作品一つ一つに20分から30分かけてじっくりと見ていき、その中でその作品についてどう思うのか?なせそう思ったのか?どんなところからそう思うのか?ってことも語っていきます。
だからとうぜん素の自分が出てくるのですよね。
たとえば、以前鑑賞会で使ったこちらのブリューゲルの作品。
「雪中の狩人」
ピーテル・ブリューゲル1世
1565年
ウィーン美術史美術館所蔵
この町の風景を、”豊かな田舎まち”と表現された方がいました。
氷の上でスケートやカーリングをして遊んでいる人がいることに気づいて、そんな印象をもったそうです。
(とても細かい描きこまれている絵です。よーく見ると氷の上の色々な遊びをしているんですよ!)
みんなが氷の上で遊んでいる上空を飛んでいる鳥が見えますか?
「黒の鳥が飛んでいるところや、木や山のトゲトゲ感が寒さを倍増されている」とおっしゃった方がいました。
「獲物の収穫がなかったのだろうな」と左手前にいる狩人たちのことをこう言った方もいました。
背中からしょんぼり感と疲れた感が出ているから、一匹も捕まえられなかったのだろうなと解釈されてました。
見るポイント
気づくところ
そこから感じること
それはきっと人の数だけ解釈があるのだと思うのです。
そこがご自身の物の見方ですよね。
そこをもっともっと深堀りしていくと、その見方にたどりついたその方の価値観が明らかになるのではないだろうかと思ったのです。
面白くないですか?
見る側の物事の見方や価値観が変わると、作品から受ける印象も大きく変わってくるのです。
作品に価値を見出すのは見る側なんです!
さらに、歳を重ねたり、経験値が上がると違う視点でみている自分がいることにも気づきます。
そして、作品の背景や歴史を知ることで、作品の見方もさらに広がります。
鑑賞会が私に新たな視点、アートとの付き合い方を教えてくれました。
次はもう少し、自分の価値観をアート鑑賞を通じて見つけることについて書いていきますね。