2020年はゴッホのカレンダーを使っていました。
2ヶ月で1枚の絵を楽しんできたのですが、残り2ヶ月の11月と12月はこちらの絵です。
1890年に描かれた「オーヴェールの教会」。
1890年というのはゴッホが亡くなる年で、オーヴェールは亡くなるまでの71日間を過ごした場所。
テオがゴッホが過ごすのに良い場所がないか探して見つけたのが、パリから1時間くらいのオーヴェール=シュル=オワーズだったそうです。
南仏からパリに戻りテオの家族と3日間すごしたあとゴッホはオーヴェールに向かいました。
そこではゴッホの理解者でもあるガシェ医師との出会いがありました。
ガシェ医師の肖像画も描いてますよね。
そんなオーヴェールに着いた2週間後に描いてるのがこの絵。
オーヴェールが亡くなる前の期間を過ごした場所というその事実だけ聞くと寂しい気持ちになりますが、実はそれだけではないと思うとまた違った目で作品を見ることができます。
ガシェ医師がゴッホの死後テオに送った手紙に書いてある文章を読んだのです。
考えれば考えるほどフィンセントは偉大でした。彼の絵を目にせずに過ごす日など、1日たりともありません。
見るたびに新しい発想や、以前と違ったなにかを見つけることができます・・・
そしてまたこの画家のことを考えると、彼がどれだけの巨匠だったことがと気づかされるのです。
さらにまた彼は、思想家でもあります。
(「フィンセント・ファン・ゴッホの思い出」ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲル著 東京書籍 2020年)
医者と患者という立場を超えて、友情で結ばれたそんな出会いがあった場所なんだなぁ。