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ミケランジェロと理想の身体展ー古代からルネサンスへ受け継がれた理想の身体

2018-07-28 By Yoko

28 7月

東京上野の国立西洋美術館「ミケランジェロと理想の身体展」の展覧会レポートです。

こちらの展覧会は、ミケランジェロの2体の彫刻作品と、古代ギリシア・ローマ時代の芸術品とルネサンスの芸術品から、芸術家がどのように理想の男性の身体を表現したのかを紹介するものです。
古代からルネサンスへの男性美の表現の流れがわかる展示になっています。

古代ギリシアでは、人間の美しい体を、神々の姿、伝説上の英雄、当時活躍していた競技者や戦士などの彫刻で制作し、壺絵にその姿を描きました。
そしてローマではそのギリシアの理想的な人間像を引き継ぎます。
そしてルネサンスと呼ばれる15、16世紀では、そんな古代の芸術の人間の体への関心が高まります。

ルネサンスとはフランス語で「再生・復興」という意味を持った言葉です。
人間性ゆたかな古代文化とキリスト教美術の伝統が融合したのです。

そして、ミケランジェロの活躍していたイタリアでは、古代の彫刻の傑作「ラオコーン」が発掘されました。
ルネサンスの芸術家はその素晴らしい体の表現とまるで生きているような躍動感に驚き、自分たちの作品にも取り入れようとします。

 

開催概要

ミケランジェロと理想の身体
国立西洋美術館(東京・上野公園)
会期: 2018年6月19日(火)〜9月24日(月・祝)
開館時間:午前9時30分〜午後5時30分(金、土曜日は午後9時まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、7月17日(火)
※ただし7月16日、8月13日、9月17日、9月24日は開館
展覧会公式サイト:http://michelangelo2018.jp/

展覧会の構成

  • 第1章 人間の時代ー美の規範、古代からルネサンスへ
  • 第2章 ミケランジェロと男性美の理想
  • 第3章 伝説上のミケランジェロ

 

展覧会の見どころ

ミケランジェロの傑作2点が初来日

ミケランジェロの現存する大理石彫刻は約40点。
その2点が東京に揃うのだからこれは見逃してはいけません!

その1つは20歳のミケランジェロの作った「若き洗礼者ヨハネ」
イエス・キリストより半年年上で、ヨルダン川で彼に洗礼を施したヨハネ。
荒野でラクダの毛皮を着て腰に革のベルトを巻き、いかなごと野蜜を食べて、祈る日々の修行生活を送っていました。

このヨハネ像は1936年のスペインの内戦で大きな被害を受け、長年の修復作業のかいあってよみかえりました。
修復後はスペインとイタリアでしか公開されていなかったのだそうです。

もう1つはチラシにもなっている「ダヴィテ=アポロ」。ミケランジェロ50代の円熟期の作品です。
こちらは旧約聖書のダヴィデ像か、ギリシャ神話のアポロ像なのかわかっていません。なぜならこの作品が未完だからです。
ダヴィデ像なら巨人ゴリアテを倒すために、投石器を手にしているはず。またアポロ像なら矢筒にある弓を取ろうとしているはず。
その肝心な部分が残されているためわかっていません。

ミケランジェロの2つの作品は古代彫刻からの伝統であるコントラポスト(片足に重心を載せて一歩を踏み出すようなポーズ)で作られています。
でも「ダヴィデ・アポロ」像はさらに体がひねり躍動感が加わっています。
これは発掘にも立ち会ったミケランジェロの古代ラオコーン像からの影響も大きいと言われています。

 

古代ギリシア・ローマ時代とルネサンスの比較

古代ギリシアの彫刻や壺絵、ローマ時代のポンペイの壁画など日本ではなかなか見ることのできない作品も展示されます。
古代ギリシアでは美しい人間の体は神々からの授かりもので、美しさを讃えることは神様を讃えることになりました。
美しさ=立派な人間 という価値観がありました。そのため美しい人間の体を、黄金比率を使い表現するためヌード作品が多く作られました。
そしてその美の理想像はローマ時代へも引き継がれます。

そして15世紀、16世紀のルネサンス時代の作品も比較されるように展示。
ルネサンスの芸術家たちは古代から何を学び、どのようにそれを生かして作品を作ったのか知ることができます。

 

まとめ

古代ギリシア・ローマの芸術とルネサンスの芸術を知ること、そしてその関係性を知ることは西洋美術史の中でもとても重要です。

 

なぜなら

1・古代ギリシア・ローマの芸術は西洋美術史の中でも”古典”として常にお手本のような存在であること

2・ルネサンスは古代の芸術から影響を受け、そこから科学的な遠近法や解剖学などで発展していく

3・美術史の流れではルネサンス以降も何度も古代の理想像に立ち戻る時があったこと

4・ルネサンス芸術はのちの時代の芸術家の憧れであって、イタリアに行き勉強することがとても重要だったこと

 

西洋美術史上では、古代とルネサンスの間には、キリスト教が世界の中心となっていく中世の時代が存在します。
そのため中世では体は隠されヌード表現はタブーとなります。
そこからルネサンスへのヌードの復活や力強い男性像の復活。
そんな美術の入れ代わりは歴史の流れに大きく影響されて変化しているのです。

 

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  【科学的理論で時間をかけ描く 

【科学的理論で時間をかけ描くスーラ】


スーラと言えば点描画
点描画が言えばスーラ


この「グランド・ジャット島の日曜日の午後」は、どこかで目にしている人が多いだろうし、
一度見たら忘れられない作品ではないでしょうか?



印象派は、自然の中で描くこと、見たものの”印象”をすばやくキャンバスに描くことを重視していました。
そして光輝く生き生きとした明るい絵を作り出したけれど、ものの形は不鮮明で構図も曖昧になりやすいなとスーラは感じていました。
前の投稿でもご紹介したルノワールも、その辺りで行き詰まりを感じてました。



スーラはその原因は色の置き方が感覚的なのではないだろうか?と仮設をたてて、科学的な色彩理論で一点一点丁寧に色をおいて描きました。
その絵はもはや新しい印象派。


この絵なんか何点色をおいてるのだろうか・・・と驚きませんか??


以前神戸にあるファッション美術館で、カラフルな色の玉が付いた待ち針でこの絵を作った作品をみたことがあります。


あれはすごかった!!


こういうことなんだなとすごく納得のいった作品で、改めてスーラの凄さを理解できたのでした。







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 【ルノワールとモネの違い】  
【ルノワールとモネの違い】


20歳ごろ、2人ははパリの美術教室で出会います。
そこで出会った画家仲間が、グループ展を開催し、印象派と呼ばれるきっかけとなっていきます。


2人は一時期一緒に描き、とても似ているので見分けがむずかしいものも。


でも、ルノワールは印象派の描き方の限界を感じて、徐々に自分のスタイルを見つけようとしていきます。



2人の絵をたくさん並べて見ると、モネは風景画が多いけど、ルノワールは人物を描く絵が多い。



印象派の技法では、しっかりとした形が失われ、色模様になってしまう。
人物や建物などしっかりと手応えのある存在として描くことができないと考えたのですね。




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【ジヴェルニーの庭は戸外アトリエ兼モネの作品でもある】


印象派を代表する画家を、だれか1人あげてみてと言われたらやっぱりこの人しかいないでしょう!!



印象派って絵画の歴史を変えた革命児たちみたいに言われてるけど、モネは自分の”印象”をできるだけ忠実に描き続けたきたことが結果そうなってしまっただけなんですよね。



もちろん絵の才能や、鋭い感覚が備わっていたのは当然なんですが。



新しいスタイルは世の中になかなか受け入れられず、苦悩も多かったけれど、自分に嘘をつくことない生き方が作品にも力強さと明るさに溢れているように感じます。



人生の後半に移り住んだジヴェルニーに、理想の庭を作る。
それは、自分だけのアトリエであり、モネの作品でもあるのです。




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あの「シンデレラ」のストーリーを、素敵に生まれ変わらせた本を見つけました❣️


斬新で、愛と希望がたくさん詰まったストーリー。
そして、イギリスの挿絵画家のアーサー・ラッカムの絵が美しくてワクワクさせられる。



テーマとなっているのは、”自分らしく生きる力は自分がいつも持っている” ということ。


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この本の中では、シンデレラをはじめ、登場人物や動物たちまでもが自分らしく生きることを選んでいきます。
あの王子さまもです(笑)!



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女の子だけじゃなく、男の子にもぜひ読んでもらいたいな。



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アーサー・ラッカム 挿画
渡辺 葉 訳
河出書房新社









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