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ウィリアムモリスの美しい壁紙が残るスピークホール ① イギリス カントリーハウスの旅

2017-10-01 By Yoko

1 10月

こんにちは。

Speke Hall はビートルズで有名なイギリス リバプール近郊のマージー川そばに建つカントリーハウスです。白壁と独特の梁や柱のブラックが印象的なハーフ・ティンバーの建物。このカントリーハウスにはウィリアムモリスの壁紙が当時の姿で残っている!と知りワクワクしての訪問です🎵

さてこのお屋敷、ハーフ・ティンバー、梁や柱をそのまま外部に露出してその間を石や漆喰で埋めるヨーロッパの建築工法でチューダー様式の建物です。イギリスで15世紀末から17世紀初頭にかけて普及した様式です。ヘンリー7世からエリザベス1世に渡るチューダー王朝時代(1485ー1603)に興った建築であるところからこう呼ばれています。Speke Hallはこの時代のものとしてはとても綺麗な状態で残っているため、貴重な建物になっています。

このお屋敷の歴史はなんと500年以上にもさかのぼります。もともと中世の屋敷があったところに1530年ごろNorris家が自分たちの屋敷を建築し、そこから200年にも渡ってこの一族に受け継がれていきました。その後Norris家の継承者の嫁ぎ先であるBeauclerks家に所有権が移動しました。それがこの屋敷の衰退の始まりで、ほったらかしの状態にされて牛小屋としても使われてるほど衰退してしまったそうです。1795年に地元の裕福な商人のWatt家が荒れた屋敷を購入し、改修が始まりました。1878年、Watt家の最後の女主人 (Adelaide Watt)が1921年に亡くなるまでここに住みました。彼女は独身で子供もいなかったので死後は執事が20年ほど屋敷の管理を引き継ぎ、そして1942年に現在のナショナルトラスト管理になりました。

今はこうして穏やかに建っているこのお屋敷ですが、長い長い時間と共にこの中で様々なドラマがあったんだろうなぁと想像してしまいました。

正面玄関を入り少し建物を抜けると広い中庭に出ました。白と黒の壁にぐるっと囲まれた広い中庭。残念ながら写真を取り損ねてしまいましたが、そこにはペアの大きなイチイの木がありました。大きな木が影を作り、葉っぱの間から光が溢れて中庭をとても素敵な空間にしていました。こんなところに椅子をおいてミルクティーを飲みながら本でも読みたい!!とそんなことを考えてしまいました。

外観の少し重々しい感じのチューダー様式とは違って、インテリアは優雅でロマンチックなヴィクトリアン様式です。ヴィクトリアン様式とはヴィクトリア女王(在位1837~1901年)時代、産業革命で大繁栄したブルジョワ層と呼ばれる裕福な市民の間に広まったスタイルです。ゴシックやロココ、古代ギリシャといった過去の様式を折衷的に復活させる一方で、鉄やコンクリート、ガラスなどといった工業的材料を取り入れた、古典的で装飾的なデザインが特徴です。曲線的なフォルムに細かい装飾がほどこされたところに、ロマンチックではあるけれど軽くはない程よい重厚さを感じさせます。

Small Dining Room という名前の部屋。テーブルには当時の朝食を模型で再現してあります。明るい光がたっぷり入るこんな部屋で優雅な朝食をとっていたんですね〜

こちらは Great Parlour。応接間といった感じでしょうか。こちらにはアフタヌーンティーセットがテーブルに再現されていました。この張り出し窓のある空間がいいですね。この部屋の天井の石膏の装飾がとても豪華です。今はこんなに美しい部屋ですが、1855年の記録によるとこの部屋はまさに廃墟といった姿にまで荒れてしまっていたそうです。その後ここまで美しく復元するには、多額の費用と時間がかかったんだろうと想像できます。

Blue Drawing Room  こちらも客間。先ほどの部屋よりもう少しこじんまりとした部屋です。

The Library こちらは書斎です。

Great Hall  ここはかなりの広さと天井の高さがあります。多くの人が集まるパーティーなどにも使われていたのでしょうか。重々しいシャンデリア、オーク材のパネルがはめられた壁、大きなガラス窓にステンドグラス。豪華な部屋は屋敷の主人が富と権力を示すためのものでもあったんです。今はこのHallで結婚式を挙げることができるそうです。こういった貴族のお屋敷であるカントリーハウスは、パーティーなどの会場のレンタルや、映画やドラマの撮影などにも数多く使われています。


多くの部屋に日本でも人気の高いウィリアム・モリスの壁紙が使われています。ウィリアム・モリス(1834-1896) は建築や美術の芸術家でもあり、思想家や詩人でもあり、近代のデザイン史にも大きな影響を与えた人です。彼は中世のロマンスの世界に憧れ、手仕事からうまれる自然に根ざした美しさを大切にすることを説き、美しいと思わないものを家に置いてはならないと語っていました。イギリスの産業革命は近代化の大量生産によって、安価だが粗悪な商品が世に溢れるという結果をもたらしました。モリスはこの状況を批判し、手仕事への回帰と、生活と芸術の統一を推進する「アーツ&クラフツ運動」を主導した人物です。彼の理想と同じ思いを持つ工房やアトリエが多く生まれました。

廊下の壁にも素敵な壁紙がふんだんに使われてます。

これは書斎のざくろのデザインの壁紙。モリスの壁紙の初期のころのデザイン。モリスの草木や樹木モチーフデザインが大好きな私は、当時の壁紙が使われているのを見るのとても楽しみでした。

2階には家族のプライベートな空間になっていて、豪華な寝室が並んでいます。

Oak Bedroom  豪華なベットのこの部屋は1630年にチャールズ1世が滞在し泊まった部屋であるそうです。そのためRoyal Bedroomとも呼ばれていたそうです。色々なカントリーハウスでここは王や女王が滞在したと説明を見ることがあります。ロイヤルファミリーを受け入れることものすごく光栄なことであるでしょうし、自分の一族が認められた!!という大いなる証になるんだろうなぁ。でもその緊張感や準備は相当のものだったろうし、莫大なお金も必要なんでしょうね。

Tapestry Bedroom  豪華なタペストリーが壁に飾られている寝室。子供用のベットもありました。刺繍の模様がとても可愛らしい!!

さて今回はここまで。次回は使用人のスペースと庭園など外のエリアの紹介です。

Cosiness and Adventure
スピークホール② 使用人の生活や庭園を見る イギリス カントリーハウスの旅
https://cosinessandadventure.com/spekehall-2/

Speke Hall,Garden and Estate

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Yoko アート鑑賞で知る自分の価値観
【美化ではなく日常の女性や子どもの姿を描いたカサット】


1860年ごろ日本の美術品や工芸品がヨーロッパやアメリカに紹介されてジャポニズムと言われ人気もなりました。


印象派のアーティストがそれらに大きな影響を受けて、作品に生かしていったことは有名ですよね。


さらに、自分でと浮世絵をコレクションしていたり、日本の品を絵の中に登場させたりもしていました。


メアリー・カサットもそんな強く影響を受けた1人で、版画を制作したりもしています。


そして、アメリカ人コレクターのアートアドバイザーにもなって、印象派の作品を紹介したり、アメリカとヨーロッパの橋渡し的存在としても活躍していました。


このアドバイザー的役割については、

@yukimiyamoto777 
さんの著書
「メンタルに効く西洋美術 」にわかりやすく、詳しく書かれていて、こちらを読むことをお勧めしますよー。




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  【自分を生かす道を求めて画家 

【自分を生かす道を求めて画家にたどり着いたゴッホ】


ゴッホの激しい生き方やアルル時代の作品を見ていると、生きるために描くことが必要だったのだろうなと感じます。


大都会パリの生活に疲れて、1882年2月にアルルに旅立ちます。
アルルではパリで抑えていたものから解放されて、どんどん作品を描くゴッホ。


"自分が自分であるということをさえ意識しなくなる"

という言葉も残しています。





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  【科学的理論で時間をかけ描く 

【科学的理論で時間をかけ描くスーラ】


スーラと言えば点描画
点描画が言えばスーラ


この「グランド・ジャット島の日曜日の午後」は、どこかで目にしている人が多いだろうし、
一度見たら忘れられない作品ではないでしょうか?



印象派は、自然の中で描くこと、見たものの”印象”をすばやくキャンバスに描くことを重視していました。
そして光輝く生き生きとした明るい絵を作り出したけれど、ものの形は不鮮明で構図も曖昧になりやすいなとスーラは感じていました。
前の投稿でもご紹介したルノワールも、その辺りで行き詰まりを感じてました。



スーラはその原因は色の置き方が感覚的なのではないだろうか?と仮設をたてて、科学的な色彩理論で一点一点丁寧に色をおいて描きました。
その絵はもはや新しい印象派。


この絵なんか何点色をおいてるのだろうか・・・と驚きませんか??


以前神戸にあるファッション美術館で、カラフルな色の玉が付いた待ち針でこの絵を作った作品をみたことがあります。


あれはすごかった!!


こういうことなんだなとすごく納得のいった作品で、改めてスーラの凄さを理解できたのでした。







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 【ルノワールとモネの違い】  
【ルノワールとモネの違い】


20歳ごろ、2人ははパリの美術教室で出会います。
そこで出会った画家仲間が、グループ展を開催し、印象派と呼ばれるきっかけとなっていきます。


2人は一時期一緒に描き、とても似ているので見分けがむずかしいものも。


でも、ルノワールは印象派の描き方の限界を感じて、徐々に自分のスタイルを見つけようとしていきます。



2人の絵をたくさん並べて見ると、モネは風景画が多いけど、ルノワールは人物を描く絵が多い。



印象派の技法では、しっかりとした形が失われ、色模様になってしまう。
人物や建物などしっかりと手応えのある存在として描くことができないと考えたのですね。




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【ジヴェルニーの庭は戸外アトリエ兼モネの作品でもある】


印象派を代表する画家を、だれか1人あげてみてと言われたらやっぱりこの人しかいないでしょう!!



印象派って絵画の歴史を変えた革命児たちみたいに言われてるけど、モネは自分の”印象”をできるだけ忠実に描き続けたきたことが結果そうなってしまっただけなんですよね。



もちろん絵の才能や、鋭い感覚が備わっていたのは当然なんですが。



新しいスタイルは世の中になかなか受け入れられず、苦悩も多かったけれど、自分に嘘をつくことない生き方が作品にも力強さと明るさに溢れているように感じます。



人生の後半に移り住んだジヴェルニーに、理想の庭を作る。
それは、自分だけのアトリエであり、モネの作品でもあるのです。




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 大きく「印象派 」とくくられてい 
大きく「印象派 」とくくられていても、
描くものも、描き方も、画家としての生き方も目指すものも違います。



何に惹かれるのか?
どんなところに興味あるのか?



印象派好き!


から


ルノワールが好き
スーラが好き


さらに


絵のために美しい庭を作ったモネの生き方に憧れる
ゴッホの力強い筆致に気持ちが揺れ動かされる


とか語れるようになったらちょっと嬉しくないですか?



そして、そのあなたが惹かれるポイントには、自分の心を満たすヒントがきっとあるはず!




募集中の2月の鑑賞会は、「トライアローグ展」から3つの作品を対話鑑賞します。
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