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西洋美術への敬意があふれる「コルオートン・ホールのレノルズ記念碑」ジョン・コンスタブル

2020-03-29 By Yoko

29 3月


「コルオートン・ホールのレノルズ記念碑」
ジョン・コンスタブル
1833ー36年
ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵

 

描かれているのはジョシュア・レノルズの記念碑と2人のルネサンスの巨匠の胸像

「コルオートン・ホールのレノルズ記念碑」というタイトルのついたこの絵は、イギリス貴族のジョージ・ハウランド・ボーモント卿の邸宅コルオートン・ホールの庭園にある記念碑を描いたものです。

1823年にコンスタブルはボーモントの邸宅コルオートン・ホールに招かれ、レノルズの記念碑などをスケッチしました。
ボーモントは、アマチュア画家でもあり、美術コレクターでもある人物。
彼は現役のイギリス人画家を援助しながら、オールドマスターと呼ばれる18世紀以前の素晴らしい画家たちの作品の収集もしていました。

1823年にボーモントは、条件を理由にイギリス国家に自分のコレクションを遺蔵すると申し出ました。
(クロード・ロラン、ペーテル・パウル・ルーベンス、ニコラ・プッサンなどの絵画16点)
その条件は展示する場所を用意すること、そして同年に亡くなったジョン・ジュリアス・アンガースタインのコレクションを購入すること。
それらの絵画は、ロンドンのナショナル・ギャラリーが設立のもとにもなりました。

そんな彼が崇拝していた画家であり、ロイヤルアカデミーオブアーツ(王立芸術院)の初代会長のジョシュア・レノルズの記念碑が真ん中描かれています。
レノルズの没後20年となった1812年に記念碑は完成しています。
制作には詩人のウィリアム・ワーズワスが携わり、記念碑の正面にはレノルズの偉大さと死を悼む詩を刻みました。

そして、記念碑の両脇には、ルネサンスの巨匠の2人、ミケランジェロ(左)とラファエロ(右)の胸像を配置。
シナノキの森のような鬱蒼とした雰囲気の中にある記念碑と胸像。
そして一頭の鹿の姿。
記念碑の奥を見ると暗闇になっていて引きこまれるような感覚になります。

実際には記念碑と胸像はもっと離れた場所に建っているそうですが、コンスタブルはここで、ルネサンスの巨匠たち、彼らのことを高く評価していたレノルズ、レノルズを尊敬していたボーモンドを一緒にすることで西洋美術の殿堂のように作り上げたのではないでしょうか。

 

コンスタブルとボーモンドとの出会い

1795年にコンスタブルはボーモント卿に、ボーモントの母の邸宅で出会いました。
もともとコンスタブルの作品を見て評価していたボーモントは、自分のコレクションであったクロード・ロランの「風景、ハガールと天使」を見せています。
ボーモントもお気に入りのロランのこの絵画との出会いは、コンスタブルにとても貴重な出来ごとだったと語っているそうです。
ロランの「風景、ハガールと天使」は現在はナショナル・ギャラリーに所蔵されています。
こちらの絵です。ナショナル・ギャラリーのページへ

 

自分自身に忠実に、時間をかけて独自のスタイルを確立していったコンスタブル

イギリスでもっとも偉大な風景画家としても人気のあるジョン・コンスタブル。
しかし彼は遅咲きの画家でもありました。

コンスタブルの作品は当時イギリスではなかなか評価されませんでした。
この時代は歴史や聖書をテーマに描いた絵画や肖像画が人気があり、風景画にいたっては人気は今ひとつで収入にも結びつかなかったのです。

そして彼の風景画は、光の移ろい、湿っぽさ、空気感など、自然から感覚で感じられる部分を表現することを大切にして、絵筆の早い動かし方や白色の強調が、当時の美術界からは荒削りに受け取られた。
また田舎の身近で親しみがあるものを描く彼の絵画は、当時の流行だった廃墟の教会、月夜に照らされる城郭といった理想的風景画とはかけ離れていたということもありました。

しかし、ロイヤル・アカデミー正会員になることが、画家として認められ広がっていくことを心においていたので、自分のスタイルを確立していくと同時に、肖像画や模写などの顧客の依頼にもきちんと応えていました。
毎年ロイヤル・アカデミー展への風景画も出し続けていたのもそのためです。

そのロイヤル・アカデミーの正会員になったのは52歳の時。
コンスタブルの1歳上のイギリス人風景画家、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーが26歳でアカデミーの正会員になったのと比べるとかなり遅く感じますね。

コンスタブルは一度もイギリスを離れることなく、故郷のサフォークの田舎を愛して、そこで何年も苦労して独自のスタイルを確立していきました。

彼が愛情を注いだ風景が、コンスタブルを画家にした。彼はこのような言葉でその気持ちを表現しています。

水車の堰から流れ出る水の音、柳の木、古く腐った木の幹、泥まみれの杭、そして、煉瓦積む風景・・・・・。
私はこのようなものに愛情を抱いている。そして、これらのものが私を画家にしてくれたのだと思っている。私は今、深い感謝の念でいっぱいだ。

「コルオートン・ホールのレノルズ記念碑」は1836年にロイヤル・アカデミー展に出品されています。
その翌年享年60歳でコンスタブルの生涯は幕を閉じました。

 

 

「コルオートン・ホールのレノルズ記念碑」は2020年〜2021年開催の《ロンドン・ナショナル・ギャラリー展》のため来日しています。
▼この展覧会出品作品についての記事はこちらから読めます。

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  【科学的理論で時間をかけ描く 

【科学的理論で時間をかけ描くスーラ】


スーラと言えば点描画
点描画が言えばスーラ


この「グランド・ジャット島の日曜日の午後」は、どこかで目にしている人が多いだろうし、
一度見たら忘れられない作品ではないでしょうか?



印象派は、自然の中で描くこと、見たものの”印象”をすばやくキャンバスに描くことを重視していました。
そして光輝く生き生きとした明るい絵を作り出したけれど、ものの形は不鮮明で構図も曖昧になりやすいなとスーラは感じていました。
前の投稿でもご紹介したルノワールも、その辺りで行き詰まりを感じてました。



スーラはその原因は色の置き方が感覚的なのではないだろうか?と仮設をたてて、科学的な色彩理論で一点一点丁寧に色をおいて描きました。
その絵はもはや新しい印象派。


この絵なんか何点色をおいてるのだろうか・・・と驚きませんか??


以前神戸にあるファッション美術館で、カラフルな色の玉が付いた待ち針でこの絵を作った作品をみたことがあります。


あれはすごかった!!


こういうことなんだなとすごく納得のいった作品で、改めてスーラの凄さを理解できたのでした。







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 【ルノワールとモネの違い】  
【ルノワールとモネの違い】


20歳ごろ、2人ははパリの美術教室で出会います。
そこで出会った画家仲間が、グループ展を開催し、印象派と呼ばれるきっかけとなっていきます。


2人は一時期一緒に描き、とても似ているので見分けがむずかしいものも。


でも、ルノワールは印象派の描き方の限界を感じて、徐々に自分のスタイルを見つけようとしていきます。



2人の絵をたくさん並べて見ると、モネは風景画が多いけど、ルノワールは人物を描く絵が多い。



印象派の技法では、しっかりとした形が失われ、色模様になってしまう。
人物や建物などしっかりと手応えのある存在として描くことができないと考えたのですね。




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