2021年の流行語大賞にもノミネートされた”NFT”。
そしてアート関連の媒体でも”NFTアート”って言葉をよく聞くようになった気がしませんか?
世界ではすでにNFTアート市場も整っていて、多額の資金が動いています。
すっかり遅れを取っている私も、ちゃんと時代についていこう!!と昨年終わりころから情報収集をするように。
このブログでは、流行り物として捉えるのではなく、アートの流れの中で見ていきたいなと考えてます。
私も勉強をしながらできるだけわかりやすく解説していきます。
NFTとは非代替性トークン
なんだかいきなり難しいですね・・・
まずはwikipediaの説明をちょっと引用してみますね。
非代替性トークン(ひだいたいせいトークン、英: non-fungible token、略称: NFT)とは、ブロックチェーン上に記録される一意で代替不可能なデータ単位である[1]。NFTは、画像・動画・音声、およびその他の種類のデジタルファイルなど、容易に複製可能なアイテムを一意なアイテムとして関連づけることができ(鑑定書(英語版)と類似)、ブロックチェーン技術を使用して、そのNFTの所有権の公的な証明を提供する。オリジナルのファイルのコピーは、そのNFTの所有者に限定されず、他のファイルと同様に複製や共有が可能である。代替可能性(英語版)(英: fungibility)がない(複製が可能である為、自身の所有権の証明には成り得ても、他者の所有する同一のコピーが偽物である証明には成り得ない)という点で、NFTはビットコインなどの暗号通貨とは異なる。
NFTの正式名称は、non-fungible token。
この意味は、非代替性トークン。
トークンとは、しるしとか、証拠という意味。
要するに変えられないしるしということなのです。
なぜNFTアートが話題になるのか?
これまでのアート、たとえば油絵とか彫刻作品などを考えてみてください。
アーティストが物理的に描いたり、作ったりしている作品は一点ものです。
その一点しかないという希少性が作品の価値を高めています。
ではデジタルアートはどうでしょうか?
デジタルアートは誰でも簡単にコピーすることができます。
私たちがスマホで撮る写真。
パソコンに入っているエクセルファイル。
これらと同じように、それをインターネット上にアップロードしてしまえば、世界中誰でも見れるし誰でもダウンロードできます。
だからデジタルアートは、アートとしての希少性という価値は、複製されることで下落してしまいます。
そこに出てきたのがブロックチェーンという仕組み。
ブロックチェーンというのは、ビットコインなどの暗号資産を動かす仕組みです。
このブロックチェーンについてはわかりやすく説明をする自信がないので(笑)こちらを読んでください。
https://ideasforgood.jp/glossary/blockchain/
このブロックチェーンの技術を使い作られたのがNFTアート。
デジタルデータに、
この作品の所有者は誰ですよ。
これはオリジナルですよ
と印を埋め込むことができるというわけです。
デジタルデータがたくさん複製できることは変わらないけれど、他は偽物ですよと証明できる。
それは、デジタルアートでも一点ものという考えができ価値を作ることができたということなのです。
2021年3月11日、ビープルというアーティストが販売したNFTアート作品が、オークションで約75億円で落札されました。
そして日本でもこれに比べたら規模は小さいですが、高値の取引がされるようになり、話題になっているというわけです。
コピー可能なデジタルがまた一点ものに戻る?
ブロックチェーンという技術によって、デジタルアートに希少価値がつくようになったということを話してきました。
ここでちょっと西洋美術史の話になります。
1950年代にアメリカで広まったポップアート。
その代表的なアーティストのアンディ・ウォーホルのマリリン・モンローのイメージを使った作品を見たことありますか?
▼たとえばこちら
https://www.moma.org/collection/works/61240
アンディ・ウォーホルは、シルクスクリーンという印刷技術でたくさん作品を作った。
それは、これまでのアート作品のように一点ものではなくて、大量生産されてたくさん消費されていく、消費社会を象徴するような作品作りをしたんです。
複製して生まれるアートは、これまでのアートと違うのか?
希少性だけでなく、アートの何に価値を求めるのか?
アートじゃなくてデザインじゃないの?
そんなことを問いかけられたわけです。
そして今私たちはデジタルの時代に生きてます。
ここでは簡単にコピーしたり、中身を書き換えたりできる。
そのメリットを大いに楽しんでいるわけですが、NFTアートの登場でアートの価値についてまた考えさせられることになったんですね。
アートはこうやって自分が当たり前のことように使っていること、考えていること、世の中の見方などを別の角度から見せてくれる。
これからNFTアートがさらにどんな風に広がっていくのか楽しみです。