モネの似顔絵

だいぶ昔のことですが、モネが好きと言うことになんとなくミーハーだと思われそうで、避けていた時があります。流行っている物や人気のあるものよりも、人があまり注目しないものに、自分が先に良さを見つけるんだ!!みたいなところがあったのです。そんな変なところは今も変わっていませんが、モネについては大好きだと何度も言い続けてます。

昨日、私たちのコミュニティで行われたオンライントーク会では、モネについてたっぷりと語りました。「モネ連作の情景」の展覧会の感想や、たくさんあるモネのエピソードがトークテーマ。

その中で、人物をほとんど描かないよね・・という話になりました。印象派の仲間のルノワールが人物をたくさん描いているのとは対照的に、モネはどんどん自然風景が中心になっていきます。たまに登場する風景の中の人物も、確固たる存在感というのではなくて、ちょっと視線を外し戻すと、もう同じ場所にはいないような、移ろいゆく自然の中の一部として描かれてます。

でもモネは人物を描くのも上手い。10代の頃に描いていた似顔絵は、モネ自身もあのまま続けていれば金持ちになっていただろうと思っていたそうだから、相当人気があったのだろうな。

モネの絵の歩みを見ていると、色々なものを削ぎ落としていっているように感じます。私がモネを好きなのは、その焦点を当てるポイントに行き着く流れが興味深いからです。

やっぱり私は作品以上に、人生の物語としての芸術家を見ることが好きなのだと思っています。

似顔絵は「Dandy au petit cigare」クロード・モネ 1858年ごろ 
photo from MFA





-アート日記, クロード・モネ