- HOME >
- Yoko
Yoko

英国大学で西洋美術史専攻 日本の大学で文化支援専攻 海外.国内旅で多くのアートに触れる 2019年から対話鑑賞会・講座主宰しています。 美術史の知識だけでなく、対話型鑑賞で自分はどう感じるのか?を大切にするアート鑑賞を提案しています。
「自分自身」に出会うためのアート鑑賞
「モネ 睡蓮のとき」展を見に行ってきました。 展示室と展示室の間の空間でモネのショート動画が流されていました。動いているモネだぁ大感激!!✨ そこには、スーツ姿で話すモネ、大きなカンヴァスの前で絵を描くモネの姿が映し出されていました。葉巻をくわえ、大きなパレットを持ち、素早く筆を動かす様子。そして、歩くモネの後ろには、犬がついてきています。 まるで時を超えて、モネと同じ空間にいるような気持ちになりました。 この動画、もしかしたら見たことがある方もいるかもしれません。YouTubeなどにも公開 ...
フランス美術の象徴ともいえるエドゥアール・マネの《オランピア》が、一度はフランスを離れ、アメリカに渡りそうになった——そんな事実をご存知ですか? この危機を救ったのが、意外にも印象派の画家クロード・モネでした。彼は亡き友マネのために奔走し、募金活動を立ち上げ、政府に手紙を書き、美術史を動かす大胆な行動に出ます。 モネといえば、優雅な「睡蓮」のイメージが強いですが、実は「行動する芸術家」でもありました。彼の執念がなければ、《オランピア》は今日フランスに残っていなかったかもしれません。 この物語を知ると、オル ...
2024年に静岡県立美術館からスタートした「カナレットとヴェネツィアの輝き」展。現在も日本各地を巡回中です! 私は展覧会が始まってすぐに静岡へ、そして先日京都展にも行ってきました。しかし…まだレポートを書いていないことに気がつきました!(上の画像は京都展で撮影したものです) この展覧会では、どんな作品が楽しめるのか?そして、事前に知っておくともっと楽しめるポイントは? そんな視点で、レポートを書いていきたいと思います! 「カナレットとヴェネツィアの輝き」展について 静岡県立美術館のフライヤーです この展覧 ...
名作はなぜ何度でも心を動かすのか?そんなことを最近考えた。 青春時代に繰り返し繰り返し聴いていたハードロックの名曲を無性に聴きたくなる時がある。そして久しぶりに聴くと、やっぱりいいなぁ、かっこいいなと思う。あの頃の興奮が蘇るだけじゃなく、今聴くとまた違う部分が耳に残る。爆発するエネルギー、圧倒的なサウンド、複雑なのに絶妙にまとまるリズムやメロディ。ただただ激しいだけじゃなくて、絶妙に計算されたような混沌に、ぎゅっと心をつかまれる。 こういう感覚って、絵でも同じ。最初はなんとなく好きだなって眺めていた絵が、 ...
16世紀の北方ルネサンスの画家、ヤン・ホッサールト(マビューズ) が描いた『聖ルカによる聖母の肖像』。 この絵には、画家の守護聖人である聖ルカが、幻の中に現れた聖母マリアと幼子イエスを描いている場面が描かれています。天使に導かれるように描く聖ルカに、画家としての自分を投影しているのでしょうか? しかし、よく見ると背景にひっそりと「ある人物」が描かれています。 それが、右上にひっそりと描かれた モーセの像。彼が指差すのは十戒。そこには「偶像を作るな」という言葉があります。では、画家は神聖なものを描いてもいい ...
数ヶ月ほど前のこと、以前開催していた講座やお茶会に参加してくださっていたお客様が、創作活動を発表するギャラリー展示されることを知りました。素敵な物を制作されている!!と感激してギャラリーへ見にいくことに。 お仕事をされながらも趣味の時間も大切にしていること、展示スペースが大好きな世界観を表現されていて素晴らしいなーと感動。西洋絵画好きから発展して今回の発表の機会につながったのだそうです。 久しぶりにメッセージをやりとりさせていく中で、嬉しいお言葉をいただいてここでちょっとご紹介させていただきたいと思います ...
今回は、このちょっとびっくりして、思わず笑ってしまう肖像画の絵のなかを旅します。 描かれているのは、あの名門ハプスブルグ家の皇帝ルドルフ2世。 上半身を構成しているのは、50種類以上の野菜・果物・花・・・・しかもどれも新鮮で美味しそうじゃないですか??笑 アルチンボルドはこのように独特のスタイルの絵を描きますが、やはりこの絵は中でも一番の驚きと楽しい気持ちを与えてくれる作品だと思います。 画家が野菜や果物で描いた理由や、背後に隠された象徴的な意味を探りましょう。まずはルドルフ2世の案内で、絵のなかへ! 今 ...
ポッドキャストで【画家の悩みに効く香り】という番組をやっています。 3回目の放送で取り上げる画家は、20世紀のフランスで活躍した画家アンリ・マティスです。 アンリ・マティス (Henry Matisse、1869年12月31日-1954年11月3日)フランスの画家 私がマティスの作品からいつも感じるのは、明るさ、豊かさ、楽しさ、リズムなど元気が出る要素。しかし当たり前ですがマティスの人生にもたくさんの暗い時代や苦労などがあります。特に人生後半の十二指腸ガンによる手術で車椅子生活になり立って絵筆を握り絵を描 ...
今回の旅は、聖書の風景と想像上の風景が融合した世界への旅です。 オランダの画家、アルベルト・カイプの描いた風景画の世界です。この絵には彼の絵の特徴が盛り込まれています、牛・動物・川・光に美しく照らされた景色・・・ アルベルト・カイプの案内で、この美しい光の中に吸い込まれるように、絵のなかを旅しましょう! 今日の案内人は、アルベルト・カイプ画家本人 こんにちは、私はアルベルト・カイプです。これから私が1650年頃に描いた絵の中に皆さんをお連れします。さあ、タイムスリップの旅に出発しましょう! まず絵の左側を ...
18世紀のヴェネツィアの風景を、まるでその場にいるかのように鮮明に描いたアーティストがいます。その名はジョヴァンニ・アントニオ・カナル、通称カナレットです。カナレットは、ヴェネツィアの光と影、建築物の美しさ、そしてその独特の雰囲気をキャンバスに再現することで、多くの人を魅了してきました。 カナレットの作品は、ただの風景画ではありません。彼の絵を見ると、まるでタイムマシンに乗って18世紀のヴェネツィアを旅しているかのような気分になります。建物がとてもリアルでそこに人々の賑わいが溢れている、そしてどこまでの広 ...
2024年カナレットの大規模な展覧会が開催されます。カナレットといえば、ヴェネツィアの美しい風景を精密に描いた作品で知られています。 昨年末そのことを知ってからとても楽しみで、気がついた時に新しい情報が出ているのか常にチェックしてきました。 この記事では、展覧会をより楽しむための予習として、カナレットの魅力や展覧会の見どころになりそうなところを紹介します。 ▼そして、実際に展覧会へ行ってきたレポートもまとめましたので、ぜひこちらもご覧ください! https://cosinessandadventure.c ...
ポッドキャスト番組【画家の悩みに効く香り】で、2回目に取り上げた画家は、19世紀末のウィーンで活躍した画家グスタフ・クリムトです。 グスタフ・クリムト (Gustav Klimt、1862年7月14日-1918年2月6日)ウィーンの画家 私にとってクリムトはとってもミステリアスな存在です。官能的・幻想的・華やかな作品のイメージと、家族を支え・芸術家仲間を束ね・社会的に弱い立場の女性モデルの味方となる親分肌の彼のイメージ。多くの女性との関係などが必ず付いて回るけど、そこに溺れるのではなく、自分の作品は女性の ...
今回の旅は19世紀のパリ。印象派の女性画家の1人、ベルト・モリゾのパリの自宅テラスが舞台です。 案内してくれるのは、ベルトの姉で画家でもあったエドマ・モリゾ(1839-1921)。 2人は一緒に画家を目指して励ましあっていた期間が長かったのですが、エドマが結婚を選び画家をやめた時に親密な関係は終わったようです。でもモリゾの絵の中にはたびたびエドマが登場しています。 今日の絵もその一枚。エドマが結婚して7年後に描かれている絵です。 絵のなかを旅する案内人は、ベルト・モリゾの姉エドマ さあ、このテラスに座って ...
今回の旅は、18世紀のイタリア、ヴェネツィアのサンマルコ広場をめぐる旅。絵はヴェネツィア生まれで、この街を知り尽くした画家カナレットが描いたサンマルコ広場を描いたものです。 案内してくれるのは、カナレットをイギリスに売り込んだ代理人のジョセフ・スミス(1682-1770)。 実在のヴェネッツィアに住んでいたイギリス人で、銀行家、商人として成功。芸術家のパトロンでもあったのですが、カナレットに出会い20年にわたる関係の中たくさんの絵をイギリスへ売り込んだ人物です。 今日の案内人は、カナレットの代理人のジョセ ...
ポッドキャストで【画家の悩みに効く香り】という番組を始めました。 1回目に取り上げる画家は、印象派といえばこの人、クロード・モネです。 クロード・モネ (Claude Monet, 1840年11月14日-1926年12月5日)印象派フランスの画家 モネって印象派の画家として世界中で愛されて、彼の絵がない美術館がないのでは?と思うほどの画家です。私も大好きな画家の1人ですが、愚痴や泣き言が多い手紙を読んで、理想と現実のはざまで辛かったんだろうなぁ、悩んで苦しんでいたんだなぁと思ったのです。 調香のプロのY ...