Yoko

英国大学で西洋美術史専攻 日本の大学で文化支援専攻 海外.国内旅で多くのアートに触れる 2019年から対話鑑賞会・講座主宰しています。 美術史の知識だけでなく、対話型鑑賞で自分はどう感じるのか?を大切にするアート鑑賞を提案しています。

『フェルメール The Greatest Exhibition-アート・オン・スクリーン特別編-』が2024年公開

2023年のフェルメール大規模展示会のドキュメンタリー映画が、来年公開されることになりました!! 映画のタイトルは、『フェルメール The Greatest Exhibition-アート・オン・スクリーン特別編-』。 公開日は2024年2月2日。こちらが公式サイトです。 2023年2月10日〜6月4日にオランダ、アムステルダム国立美術館で、フェルメールの絵画28枚(全体の3/4)が一つの美術館に集まるという史上最大規模の展覧会。美術館館長やキュレータ ーなどの、展示された作品解説や、研究によって明らかにな ...

私の好きを満たす美術館の秘められた物語

自分の前にふっと現れた人、物、情報などに、今ちらっと思ったことをやってみたら?と背中を押されるような気がすることよくあります。 きっとこれは自分に都合の良いように取っているだけだとも思うのですが、ポジティブに捉えている方が行動を起こす原動力になるために大切にしています。 ここ数日取り組んでいた記事の下調べをしている時に出てきた絵画がこの作品です。ジョン・マーティン「ヘルクラネウムとポンペイの破壊」。絵のタイトルを見て、あれこの絵テート美術館展で見た絵じゃないのと気がつきました。 取り組んでいた記事は、ロン ...

モネの似顔絵

だいぶ昔のことですが、モネが好きと言うことになんとなくミーハーだと思われそうで、避けていた時があります。流行っている物や人気のあるものよりも、人があまり注目しないものに、自分が先に良さを見つけるんだ!!みたいなところがあったのです。そんな変なところは今も変わっていませんが、モネについては大好きだと何度も言い続けてます。 昨日、私たちのコミュニティで行われたオンライントーク会では、モネについてたっぷりと語りました。「モネ連作の情景」の展覧会の感想や、たくさんあるモネのエピソードがトークテーマ。 その中で、人 ...

名画に学ぶストレスに強い心を作り出す方法 絵画鑑賞で心を整える

※この記事は広告を含んでいます記事では、絵画から”自分の心を整える”方法をご紹介しています。 自分の今に意識を向けること。過去や未来に囚われすぎて、歪んだ目で今を見ている自分を手放すこと。このマインドフルネスの考え方を絵画鑑賞と共に楽しんでやってみようという提案です。 参考にしているのが、アート鑑賞と心を整えるという本。「はじめてのマインドフルネス 心を鍛える瞑想」クリストファ・アンドレ著 この本ではマインドフルネスのトレーニングについて、フランスの精神科医師が26枚の絵画を使って紹介してくれてます。12 ...

山積みになっているイギリスで買った本

2ヶ月ほどのイギリス旅行中に購入した本(厳密には1冊は参加したツアーのお土産でしたが・・・)は、20冊。私の美術館やカントリーハウス巡りと、本の購入はいつもセットになっていて、今回も帰りの荷物は本だけで10kgを超えてしまいました。 できるなら本をあまり増やしたくないのですが、美術本やガイドブック系はまずkindle本にはなっていないので難しいですよね。そしてやはり紙の本の方が良い場合が多いのです。 探したいところに辿り着くのが早い。付箋をつけたり、線を引いていたら当然ですが、そうでなくてもこの辺りかなー ...

美術館のこの親切さが嬉しい・・・

美術館に行くのが好きな私の母ですが、やはり年を重ねているので歩き回ると疲れる時もあるそう。そんな時展示室に椅子があればいいのですが、いつもあるとは限らないですよね。あっても近くになかったり、または展示室の外にあったり。 ちょっと写真がぼやけていて見にくいのですが、この黒いものは折り畳みの椅子です。イギリスの、ボウズ・ミュージアム(Bowes Museum)に行った時見つけて写真に撮ってきたもの。 展示室の外にあるエレベーター近くに、誰でも自由に使って良い椅子が用意されていたのです。展示室に持っていき自由に ...

歴史や文化は静止ではなく、つねに進化し変化している

これは、「カピトリーノの雌狼(複製)」のポストカードです。先日見に行った「永遠の都ローマ展」で買ったものです。 会場に入ってすぐの場所に彫刻は展示されていました。展覧会のスタートにぴったりの作品。ローマのシンボル的存在だからです。しかし、一緒に見に行った友人は「複製なんだ・・・残念」と言ってました。 そうそうこの展覧会、私も楽しみにしていたこちらの作品やコンスタンティヌス帝の巨像はすべて複製だったのでちょっとがっかりしたのです。しかし、そんなに簡単に貴重な品々をたくさん運んでくるわけにはいかないですよね。 ...

イヴ・サンローランとヴィンセント・ヴァン・ゴッホの融合

『イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル』に行ってきました。 展示の終盤に、数々の芸術家の作品からサンローランがインスピレーションを受けて生まれた作品の展示室がありました。展示室のタイトルは、”アーティストへのオマージュ”。全部で15点あり、美しい衣装の源泉になったのは、モンドリアン、ポリアコフ、ブラック、マティス、ボナール、ピカソ、ポップアート、そしてゴッホの作品です。 これまでモンドリアンの絵が、素敵なワンピースになったものは見たことがあったのですが、他にもこんなにたくさんあったことが驚きでした。一 ...

『モネ連作の情景』でモネが捉える光と影の変化を見よう!展覧会レポート

モネといえば連作!!「睡蓮」「積みわら」「ロンドンの橋」など連作をテーマにした大型展覧会が始まりました。この記事は「モネ連作の情景」の展覧会レポートです。 同じ風景や物を異なる時間帯や光の条件で描いた絵を一度に比較しながら見れる。モネが描こうとした世界を感じるのにとても良い展覧会でした。見ている私たちも一緒にその場にいるかのような感覚を与えてくれるモネの絵。彼はどんなアプローチを重ねてきたのだろう・・・その秘密を見て確認するような時間になりました。 世界各地の美術館から日本に集められた豪華な展覧会!モネの ...

世界のすべてを謎と見なす感受性を磨きに行く?デ・キリコの展覧会

先週末から4日間、東京で美術館巡りをしてきました。その内3日は毎日上野に足を運ぶということになってしまいました。 西洋美術館では「もうひとつの19世紀―ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち」「キュビスム展美の革命」と常設展。東京都美術館では「永遠の都ローマ展」上野の森美術館で「モネ 連作の情景」そして国立新美術館では「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」 面白いことに、西洋美術館以外は常設コレクションがない(東京都美術館は数点だけあるようですが・・)展示会館。これを美術館と呼ぶのかなぁーといつも ...

ありのままの子供を描くということ

久しぶりの国立西洋美術館で、ジョン・エヴァレット・ミレイの「狼の巣穴 」を見た。 『狼の巣穴』ジョン・エヴァレット・ミレイ 1863年 ミレイは子どもの絵もたくさん描いているけれど、彼らは何だか不安げな表情が多いように感じるのは気のせいだろうか…この絵もまさにそう。タイトルにもあるように、狼ごっこをしてるらしい。描かれているのは、4人はミレイの子供たち。左から寝そべって退屈そうな長女エフィオオカミ役で毛皮を羽織り睨みつけているのが長男エヴァレットうずくまってこちらを見ている次女のメアリー白いふわ ...

はじめての西洋美術の見方

はじめまして 美術館で見た絵が気に入ったり、たまたまどこかで見かけたアート作品について興味を持ったり、はたまた海外旅行で美術館巡りをしてもっと西洋美術の見方を知っていたら楽しいかもと気づいた方がこちらのページに辿りついてくださっていると嬉しいです。 私も20年以上前、イタリアで宗教画はこうやって見るんだ!!って感動してから、今もずっと勉強を続けています。一つ一つの作品の詳しい説明は今ならネットで検索すればすぐ出てきます。でもそうではなくて、もっと単純なこと ・絵は昔から美術館に展示されていたんじゃないんだ ...

ベリル・クックの絵はクスッと笑える風刺力が魅力

イギリス、プリマスで、ベリル・クックの絵に出会いました。彼女の作品は、日常生活のシーンを大胆かつコミカルに描いていて、親しみやすく、多くの人に愛されています。日本語ではほとんど情報が出てこないので、まだそこまで知られていないようですが、日本でも受け入れられやすい絵じゃないかな。 この絵はプリマスの美術館「The Box」に展示されていた一枚。1976年に描かれたこの絵のタイトルは、『Bowlers off the Hoe』。プリマスのホー(The Hoe)は、素晴らしい海岸線の眺めが見られる大きな公園。赤 ...

検索キーワードから考えたこと

このブログにどのような検索キーワードから訪問してきてくれるのか?ということを定期的にチェックしています。自己満足でブログを作っているわけではなく、たくさんの人に読んでもらって何か持ち帰ってもらえるような満足を提供したいからです。 「マリアテレジア かわいい」という、ちょっと気になるキーワードが結構長い期間上位になっています。該当の記事はこちら https://cosinessandadventure.com/maria-theresia-by-moller この記事で取り上げているのは、オーストリア=ハプ ...

美術館巡りは私の運動不足解消にもなっているのかも・・

今年の2月〜6月まで、オランダのアムステルダム、ライクスミュージアムで「フェルメール展」が開催されていました。フェルメールの作品28枚が集まる大展覧会。 その展覧会を追っかけるようにフェルメールについて調べたり、美術館について調べたりしていました。今回のイギリスでの旅では、ロンドンで4枚のフェルメールを見ることができました!1枚はバッキンガム・パレスにある「音楽の稽古」2枚はナショナル・ギャラリーの、「ヴァージナルの前に座る女」と「ヴァージナルの前に立つ女」最後の1枚はケンウッドハウスの「ギターを弾く女」 ...