365日絵のなかで”旅”をする 旅するアート鑑賞

ゴッホ最後の71日間/オーヴェールの教会【365日絵のなかで”旅”をする】

オーヴェールはゴッホが亡くなるまでの71日間を過ごした場所です。

弟のテオは、ゴッホを南仏サン=レミの精神病院から、兄が過ごすのに良い場所がないかと探していました。自分がいるパリに近く、それでいて田舎の場所。医師と友人を兼ねてくれるような人が看護してくれる安心して暮らせる場所。ゴッホのことを良く理解しているテオだからこその選択です。

ピサロの勧めもありテオが決めたのが、ここパリから1時間ほどのオーヴェール=シュル=オワーズです。

この場所は、セザンヌやピサロなど印象派の画家たちと交流のあったガシェ医師が住んでいた場所でした。

1890年5月、サン=レミからゴッハはパリに戻りテオ家族と3日間を過ごした後、ガシェ医師宛の紹介状を持ってオーヴェールに向かっています。

亡くなる前の期間を過ごした場所、というそのことだけ聞くと寂しい気持ちになりますが、実はこんな手紙があることを知り見方が変わりました。この場所で出会った自分の理解者でもあるガシャ医師が、ゴッホの死後テオに送った手紙です。

考えれば考えるほどフィンセントは偉大でした。彼の絵を目にせずに過ごす日など、1日たりともありません。
見るたびに新しい発想や、以前と違ったなにかを見つけることができます・・・
そしてまたこの画家のことを考えると、彼がどれだけの巨匠だったことがと気づかされるのです。
さらにまた彼は、思想家でもあります。
(「フィンセント・ファン・ゴッホの思い出」ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲル著 東京書籍 2020年)

ゴッホは最後の場所で、医者と患者という立場を超えて、友情で結ばれたそんな出会いがあった場所なんですね。
この手紙で弟テオも救われたのかもしれません。

The Church at Auvers, image public domain Wikimedia

タイトル:オーヴェールの教会 (The Church at Auvers)
画家: ビンセント・ヴァン・ゴッホ(Vincent van Gogh (1853-1890))
制作年:1890年6月
所蔵館:オルセー美術館、パリ


深い青い空の色は、全体を包み込んでしまうような強い色です。まるでその色が写り込んでしまったかのような教会のステンドガラス窓や影がとても印象的です。
教会の正式名称は、オーヴェル=シュル=オワーズのノートルダム=ド=ラサンプション教会(オーヴェル・シュル・オワーズ村のノートルダム教会)






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