Yoko

英国大学で西洋美術史専攻
日本の大学で文化支援専攻
海外.国内旅で多くのアートに触れる
2019年から対話鑑賞会・講座主宰しています。

美術史の知識だけでなく、対話型鑑賞で自分はどう感じるのか?を大切にするアート鑑賞を提案しています。

2023/11/2

今もイギリスの書店に並んでいたよ!エルンスト・H・ゴンブリッチの「美術の物語」

イギリスの旅行中、本屋にも行ってきました。 "MANGA"のコーナーがすごく広くて、若い子たちがそこにたくさん集まっているのを見て驚いたり、美術館ショップ同様にジグゾーパズルがたくさん売られているのを見たりして本屋の空間を楽しんでいました。 ARTのコーナーもちゃんと見てきましたが、私の愛読書のこの本もちゃんとありました! エルンスト・H・ゴンブリッチの「美術の物語」 イギリスの大学で学部の授業が始まる前に読んでおきなさいと本のリストをもらったのですが、そのリストにあった本です。 美術の歴史が物語のように ...

2023/11/2

修道院から持ち出された、1500年代のステンドグラスから感じたこと

このステンドグラスを見たのは、イギリスのハリファックスという街にあるカントリーハウス、Shibden Hall(シブデン・ホール)。このステンド・グラスがShibden Hallに取り付けられたのは、16世紀のこと。でもその時に新しいガラスを入れたわけではなく、歴史のあるガラスを入れました。 20枚あるガラスですが、その一部は修道院から持ち出されたものなのだそうです。イギリスではヘンリー8世の時代彼の命令によって、多くの修道院が閉鎖や再編させられました。そうしてステンドグラスや美術品が取り外され、市場に出 ...

2023/10/31

【テート美術館展光】ウィリアム・ホルマン・ハントの絵と私の感受性

大阪中之島美術館で開催が始まった「テート美術館展光」に行ってきました。”光”をテーマにさまざまな表現を、約200年間のアートヒストリーの中から選んだという展示会でした。それぞれの作品を楽しむだけでなく、その関連を考えると後から後から余韻を楽しむことができて良い展覧会だったな。 本当に良い作品がたくさんありましたが、この絵に私は虜になりました! ウィリアム・ホルマン・ハント「無垢なる幼児たちの勝利」1883-84 ラファエル前派の画家たちの絵が大好きで、結構色々な絵を見てきたつもりだったけど、これは初めて目 ...

2023/9/23

歓迎のケーキを作ってくれていました!

イギリス初日の夜の晩は、デザートにサプライズでケーキが出てきました! スポンジ部分には、姪っ子の書いてくれたチョコレートで“20“と“Welcome”の文字が。 20年の会社勤めに対してのお疲れ様という意味と、イギリスへようこそという気持ちをこめてくれたそうです。 感激しました😭 これからの2ヶ月は、20年前のイギリス生活でどっぷりと美術の世界に身を置き、イギリスの生活を楽しんでいた日々を再現するような日常となります。 でも、20年前とは当然ですが全く違います。 歳も重ね、体力・気力・記憶 ...

2023/9/23

イギリスに到着したものの・・・

長いフライトを我慢して、やっとイギリスへと降り立ちました。 あーイギリスだぁと思ったけれど、ヘルシンキの空港とあまりの違いにそうだったなと気を取り戻す。 ヘルシンキ空港は新しい空港で、ガラス窓も大きく、開放があり明るくて素敵な環境です。 イギリスのこの空港は古いので、ちょっと残念だけど仕方ないよね。 2つのスーツケースが無事に出てくるのかドキドキしながら待つ。まずはお土産のケースが回ってきた。メルカリで中古品で買ったもので、付いていたシールをそのままにしていたから自分のだとわかりやすい! 肝心の自分の荷物 ...

2023/9/23

7年ぶりにいざイギリスへ!

8月に20年勤めた会社を退職しました。そこから約2ヶ月のイギリスへの旅。7年ぶりのイギリスです。 ここでは気づいたこと、感じたこと、気軽に書いていこうと思います。 8月28日、久しぶりに関西空港に来ました。7年ぶりの海外旅行、乗り継ぎの時間も入れたらトータル19時間の長旅なので、かなりドキドキしていました。妹家族がこちらに住んでいて、今回はそこを拠点にして行動するため、2個の大型スーツケースの1個はお土産でいっぱいです笑その一つを事前に空港に宅配しておいたので、当日は自分の荷物の入ったスーツケースを持って ...

2023/7/29

ピカソの言葉「人はあらゆる物や人に意味を見出そうとする・・」をテーマで対話鑑賞してみた!

2023-06-11 アーティストの言葉と作品で対話鑑賞するシリーズ3回目。 今回はピカソです。 8枚の作品を鑑賞し、そこから感じたことを言語化しながら、言葉の真意を考えてみます。 鑑賞する作品は、2023年に開催された「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」より選び抜いた8枚。 展覧会については展覧会レポートも書いています。 ▼良かったらこちらの記事をご覧くださいね。「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」行ってきました。 ピカソの言葉「人はあらゆる物や人に意味を見出 ...

2024/1/20

笑顔で自分らしく生きていきたい!と思える映画『ロンドン、人生始めます』

記事にプロモーションを含んでいます 笑顔で自分らしく生きていくのに必要なことは?その疑問に答えてくれる映画を見つけました。 その答えは、囚われている自分で自分を苦しめているものに気がつき、そこから解放されること。 イライラしたり、恥ずかしくなるような思いをしたり、カッとしてきついことを言ったり、泣きたくなったり、そんなことって日々あるはずです。ついスルーしてみたくなるのだけど、ちょっとそこにフォーカスしてみよう。そして、なぜそんなにイライラしたの?どうしてそんなこと言ってしまったの?と自分の心と対話してみ ...

2023/12/25

ダンテ・ガブリエル・ロセッティの展覧会がテート美術館で開催中『THE ROSSETTIS』

今年は自分の環境を変え、長いことできていなかった海外旅行へ行こうと計画しています。行き先はイギリス。最後に行ったのはもう7年くらい前になるはずです。 そんな中久しぶりにロンドンのテート美術館(Tate Britain)のホームページを見ていたら、『THE ROSSETTIS』という展覧会が目につきました。 そう、ラファエル前派のダンテ・ガブリエル・ロセッティの展覧会です。場所は、ラファエル前派の作品を数多く所有するロンドン、テート美術館!!なんとテートではロセッティの初の回顧展になるのだとか。さらにイギリ ...

2023/12/25

史上最大のフェルメール展は結局どんな展覧会だったのか?1

Photo: Rijksmuseum/Henk Wildschut 2023年2月10日〜6月4日にオランダ、アムステルダムで開催されていたフェルメールの大展覧会。 フェルメールの絵画28枚(全体の3/4)が一つの美術館に集まるという史上最大規模でした。 残念ながらこの展覧会を見にいくという希望は叶わなかったのですが、この展覧会を機会にフェルメールを再勉強しながらメールマガジンの発行を半年に渡って続けたのはすごく楽しく勉強になりました!! 次回このような展覧会が開催されることはいつのことだろうか・・・ そ ...

2023/11/13

ほんの少しのユーモアのセンスと想像力で絵画鑑賞を楽しむ方法

友人とある絵を見ながらLINEでやりとりをしていました。 「こんなバランス悪い裸体なのに、なんて官能的!ミステリアスな瞳がたまりません。この人が思う美人の条件って何だったんだろう?」「馬もなんだか色っぽく見えて・・・足をくっつけるところが女性の股のようで。」 「崖っぷちの城。こんなへき地で舞踏会やっているのかな?」「真ん中のおじさんの帽子って鳥??」「空気感は少し湿気ぽくって緑の濃い匂いがしてそう。」 「甲冑見て思ったけど、太ったら注文し直しだよねー大変・・・」「よく見たら可笑しいよねー。どうやって着るの ...

2023/5/6

対話でアート鑑賞すると今の自分の気持ちが溢れ出す理由

アート鑑賞で自分の価値観や物の見方を知るために、対話を使ったアート鑑賞を取り入れています。そして人にも積極的におすすめしています。なぜかというと対話を通して、その人の今の気持ちが言葉になって溢れ出すからです。 「対話型アート鑑賞」とは? 「対話型アート鑑賞」は、作品を、感想、気づきや疑問など2人や少人数のグループで話し合いながら見ていくものです。 鑑賞と聞くと、専門家の解説を聞きながら見るイメージを持たれるかもしれませんが、この鑑賞スタイルはコミニケーションをとりながら作品を深めていく参加型の方法なんです ...

2023/5/15

エゴン・シーレの言葉「至高の感性は宗教と芸術である」をテーマで対話鑑賞してみた!

「至高の感性は宗教と芸術である」こう書いたのは、19世紀期末から20世紀に移っていくオーストリア、ウィーンで活躍した画家エゴン・シーレ。 ▼2023年には彼の個展が東京で開催されました。「ウィーンが生んだ若き天才 エゴン・シーレ展」 この記事は、私たちアート思考プロジェクトメンバーによる、エゴン・シーレの対話鑑賞の記録です。テーマは、シーレの言葉の意味を探ること。展覧会に出ていた作品7枚を、LINEを使ってメッセージを送り合うというやり方で対話鑑賞しています。 今回の言葉はちょっとむずかしそうかも・・・と ...

2023/5/6

クロード・モネのように、ゆるぎない自分らしさを確立するには?

「プルヴィルの崖の散歩道」クロード・モネ1882年 1882年、モネがフランスのノルマンディー地方で描いた絵。青空と青い海が目の前に広がって、気持ちの良さそうな風が吹いているように感じます。遠くに見えるのはヨット?。帽子とパラソルで強い日差しから守りながらも、この気持ち良い空間を満喫している女性が2人います。 この絵を見て、どんな感情が湧いてきますか?どんなことを感じますか? 絵を鑑賞しながら、自分らしさや価値観に気づくための方法をご紹介します。 モネのように、ゆるぎない自分らしさを確立するには? Cla ...

2023/5/7

岡本太郎の名言「本職?人間だ。」をテーマに対話鑑賞をしてみた!

「何が本職なのですか?」 その質問に「人間」と答えた芸術家がいます。 岡本太郎さんです。 岡本太郎の「本職?人間だ。」にはどんな意味が込められていると思いますか? この言葉にしびれた私たち”アート思考プロジェクト”は、彼がなぜ人間と言ったのか?をテーマに、岡本太郎作品を対話鑑賞してみました! 岡本太郎はなぜ「本職?人間だ。」と言ったのかをテーマに対話鑑賞 私は、アートと対話鑑賞で、どんなことができるのか? その掛け合わせの可能性を探る、”アート思考プロジェクト”をやっています。 3人のメンバーで、zoom ...