アート日記

イヴ・サンローランとヴィンセント・ヴァン・ゴッホの融合

2023-11-28

『イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル』に行ってきました。

展示の終盤に、数々の芸術家の作品からサンローランがインスピレーションを受けて生まれた作品の展示室がありました。
展示室のタイトルは、”アーティストへのオマージュ”。全部で15点あり、美しい衣装の源泉になったのは、モンドリアン、ポリアコフ、ブラック、マティス、ボナール、ピカソ、ポップアート、そしてゴッホの作品です。

これまでモンドリアンの絵が、素敵なワンピースになったものは見たことがあったのですが、他にもこんなにたくさんあったことが驚きでした。一つ一つじっくりと手にとって見てみたいと思った本当に美しくて独創的な服ばかりでした。

この記事で使った画像の服。誰の絵がもとになっているのかわかりますか?特徴的な力強い筆跡も反映されているのですぐわかりますよね。

ゴッホの『アイリス』です。耳きり事件を起こして数ヶ月後、精神病院に入院して最初に描いた絵です。濃い青のアイリスの中に白い花が一本。奥には黄色のマリーゴールド。土の中からたくましく生えている様子もジャケットにはしっかり反映されている・・・

「アイリス」ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ 1889年

サンローランの言葉がとても心に残りました。

私の目標は巨匠たちと自分を比較することではなく、最大限彼らに近づき、その才能に学ぶことだった。
イヴ・サンローラン 2002年

「イヴ・サンローラン展」の展示より

これは単なるアート作品の模倣ではなく、同じように物を作るクリエイターとしての最大限のリスペクトを感じました。サンローランは、アート作品を深く愛し、それを自分のデザインに反映させることに成功しています。

絵画を立体的なファッションへと昇華させる発想はとても魅力的です。さらに人に着せて見せることで完成するもう一つのアート作品。着る人によって、動きがつくことで、一緒に合わせる衣装で見え方も変わります。

このアプローチは、絵画の魅力を知る新しい見方!!と感動しました。私のこの感想は、ファッションという観点ではなく、常にアート作品とを見るという視点から生まれているのかもしれません。

リスペクトのない模倣
落とし込みの足りない借用

そこからはこんな感動は与えられないのだなと痛感。自分はちゃんとできてる?とまた自分に言い聞かせています。


イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル
2023/9/20-12/11
国立新美術館(東京)



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