サージェントの肖像画と衣装の切っても切れない関係を見に行きたい!

私が肖像画を目の前にしたとき、まずざっと見るところは表情、ポーズ、そして衣装です。
衣装は、時代や階級が何となく理解できるというのも大きいけれど、豪華さや繊細さに目を惹きつけられるというのが一番の理由かも。

上に重ねた服から下の生地の柄が透けていてうっとりしたり、こんなすごい靴履いてたの?!と吹き出しそうになったり、豪華なジュエリーに誰からもらったんだろうと想像したり、衣装だけ見るだけでも十分に楽しめます。

肖像画家として大成功したアメリカ人画家のジョン・シンガー・サージェント。彼の絵は衣装が本当に本当に素敵なのです・・・

ロンドンのテート・ブリテンで見たこちらの絵。「グレーとグリーンのハーモニー:ミス、シシリー・アレクサンダー 」では、ドレスをデザインしたり、下に引かれているカーペットも自分でオーダーして描いたのだとか。

そんなサージェントのファッションに特化した展覧会がテート・ブリテンで始まったのです。

約60点の絵画と、絵にも描かれている実際に衣装も同時に展示して、サージェントの絵にとって服がどれだけ大切だったのかを探る展覧会。服装は個性やアイデンティティを作るという点でも大切だったようなので、上のミス・シシリーの絵のようにどんな工夫をしたのかも深く知れるわけです。

私は彼が素材の違いをどのように描き分けているのかそんな細部にも注目したいなぁ。

サージェントの代表作の「マダムX」はニューヨークのメトロポリタン美術館からやってきて、テートにある下絵と一緒に並べられているみたい。(この記事の画像に使ったのがその下絵です)

この作品が発表されたとき悪い意味で話題になりました。右肩のストラップが肩から外れている上に、この挑発的にも見えるポーズ。肌の白さと細い腰、体はこちらに向けているのに顔は完全に向こうを向いている。
私には完璧な美を見せつけられているように見えるのですが・・・笑

そんなこともありサージェントはストラップを修正しています。たしかにテートの下絵を見ると右肩のストラップ描かれていないですね。

この絵の女性、ヴァージニー・アメリー・アヴェニョ・ゴートローはフランスの社交界で有名な女性。サージェントは描かせてもらえば成功に繋がるとお金を受け取ることなく肖像画を描いたそうです。当初の想いとは違った形で名声を得たのかも知れないけれど、この絵は本当に美しいです。

と見たい欲は高まりますが行けそうにないので、オンラインイベントがあれば参加したいし、カタログを購入しようかな。

展覧会名: 「Sargent and Fashion」
開催日: 2024年2月23日から2024年7月7日まで
美術館: テート・ブリテン(ロンドン)
展覧会のページ:https://www.tate.org.uk/whats-on/tate-britain/sargent-and-fashion

こちらの記事では展示される作品の画像がたくさん掲載されているのでより展覧会のイメージが伝わるかも。




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