Yoko

英国大学で西洋美術史専攻
日本の大学で文化支援専攻
海外.国内旅で多くのアートに触れる
2019年から対話鑑賞会・講座主宰しています。

美術史の知識だけでなく、対話型鑑賞で自分はどう感じるのか?を大切にするアート鑑賞を提案しています。

初心者必見!西洋美術史を学ぶためのオススメ本5冊+実践的アドバイス

記事内に商品プロモーションを含む場合があります 「美術史を学びたいな。初心者にオススメの本はなんだろう?」「たくさんあるけれどどの本を選んだらいいのだろう」 この記事ではこういった疑問に答えます。 「美術史を学んでみたいな」と思った初心者の方にオススメな本と、具体的な行動の重要性を解説しました。本で知識が増えたとしても、読むだけではすぐ忘れてしまって実はとてももったいない。知識と行動がセットになると価値を生みます。 本記事の内容・西洋美術史初心者が最初に読んでおくべき本【5冊】・さらに別の角度から美術を見 ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」 9日目 20世紀の美術

9日目は、20世紀に生まれた8つの芸術様式をご紹介します。 ドイツ表現主義 フォーヴィスム キュビスム エコール・ド・パリ 未来派 抽象主義 ダダイスム シュルレアリスム 20世紀になると美術界はさらに様式の多様化が進みます。 それは、芸術家が各地で同時代にさまざまな個性を競い合い、自分の世界観を強く主張していったからです。 それぞれの様式は、芸術家の気まぐれや偶然的に生まれたものではなく、過去の芸術やそこから生まれた問題点を乗り越えようとおこってきたものです。 それではまず時代背景からみていきましょう。 ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」 8日目 19世紀後半〜20世紀初頭の美術

印象派、後期印象派はいかがだったでしょうか?現代に近づくにつれて、描かれているもの、色彩、描き方などがどんどんと変わってきているのを感じられたと思います。世の中の変化に印象派が生まれ、彼らによって美術の歴史が大きく動く。彼らの果たした役割は、8日、9日目との2日間に登場する多くの芸術運動が生まれるきっかけとなります。 ここからは本当にたくさん出てくるので、かなりややこしく混乱します。でも、様式も1つ1つアーティスト達の理想や思い、それをどのように表現していったのか、時代背景と共に見ていくと面白さに変わって ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」 7日目 印象派・後期印象派

ロマン主義、写実主義、バルビゾン派はいかがだったでしょうか?このように歴史をたどっていくと、美術の様式はその時代の情勢との関わりの他にも、過去の芸術スタイルの反発から新しいスタイルが生まれてきていることわかるのではないでしょうか? 印象派もまさに過去や伝統への反発。自分たちが描きたいものを描きたいように描く!画家達のそんな情熱が、常識だと思われていた芸術はこうあるべきという姿をひっくり返したのです。登場当時は嘲笑われていた彼らの生み出した作品、芸術に対する想い、主題の選び方、技法や制作スタイルなどが、その ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」 6日目 ロマン主義・写実主義・バルビゾン派

6日目はロマン主義、写実主義、バルビゾン派です。前回の最後に出てきた新古典主義は、秩序と理性を重んじたスタイルでした。 新古典主義とは異なりロマン主義は想像と感情、個性を尊重しました。作品のテーマは、古代よりも中世に焦点を当てたものが多く、また自然の力を感情の延長としてとらえ、神秘的で幻想的な風景画も登場しました。 ここでは3つの様式の時代背景を見てから一つ一つの説明に進んでいきます。 どんな時代だったのでしょうか? 1789年に始まったフランス革命は、ついに1793年ルイ16世とマリー・アントワネットが ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」 5日目 バロック・ロココ・新古典主義

イタリア・ルネサンス、北方ルネサンス、マニエリスムはいかがだったでしょうか?ルネサンスと言っても地域によってさまざまな特徴があることを感じられたと思います。 この回では、バロック、ロココ、新古典主義と3つの様式をお伝えします。情報が多くなりますが、少しづつ読み進めていただければと思います! ところで、前回で触れた宗教改革を覚えていますか?バロック美術の発展にはこの宗教改革が大きく関係しています。イタリアを中心としたカトリック教会は威厳を取り戻し信者の心に訴えるために美術の力を使います。そして、フランスなど ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」 4日目 北方ルネサンス・マニエリスム

イタリア・ルネサンスはいかがだったでしょうか?地名やたくさん出てくる名前など、気になったりわからなかったりした部分は調べてみるとさらに理解ができると思いますよ。 4日目は北方ルネサンスとマニエリスムです。イタリア・ルネサンスが発展していた同じ頃、アルプスより北の地域で見られる芸術様式が北方ルネサンスと呼ばれています。芸術家が目指したところは同じようでも、手段や結果に違いがみられます。またイタリア・ルネサンスの終わりからバロックに移り変わっていく過程で出てきたマニエリスム。それでは1つづつ見ていきましょう。 ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」 3日目 イタリア・ルネサンス

2日目はキリスト教美術が発展していく様子をみていきました。西洋美術と言えばキリスト教美術と言ってしまいそうな、密接な繋がりが少しわかっていただけたでしょうか?最初は難しいと距離をおいてしまいがちですが、聖書の物語をたどりながら見たり、作品に登場する”お約束事”を覚えていくと、グッと親しみが持てるようになります。 では、3日目はイタリア・ルネサンス美術です。いよいよ馴染みのある時代へ入ってきましたね。 西洋史では14世紀から16世紀のイタリアがルネサンスと位置づけられています。ルネサンスは「再生、復興」とい ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」  2日目:中世キリスト教美術

1日目の古代ギリシア・ローマの美術はいかがでしたか?2日目は中世のキリスト教美術です。旅行で海外の美術館へ行かれた方や、日本でも開催される西洋美術の展覧会で、宗教画が多いなと感じられたことありませんか?私も美術史を勉強をすればするほど、ヨーロッパでのキリスト教の重要さ、人々に根付いている思想と、その持っているパワーに圧倒され続けました。 なぜこんなにもキリスト教の美術品が多く作られているのでしょうか?難しそう・・・あまり好きじゃない・・・そんな方にも、キリスト教美術の歴史を知って、もっと見てみたいと思って ...

西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座1日目:始まりは古代ギリシアとローマ

この西洋美術史講座では、古代ギリシアとローマ美術からスタートします。紀元前のはるか昔にはじまるこの二つの美術は、この後に続いていく美術の教科書のような存在となり大きな影響を与え続けます。特にルネサンス期には、この古代の美術や思想が新たな形で復活となります。さらにその後の時代でも古代ギリシアやローマと出てくるところがありますので、ここで古代の美術について知っておくと「なるほど、そういうことか」と理解していただけると思います。 【古代ギリシア美術:紀元前600年〜30年】 さっそくですが、古代ギリシア、古代ロ ...

「メトロポリタン美術館展」画家の出身地マップを作りました!

「メトロポリタン美術館展ー西洋絵画の500年」。2021年11月に大阪市立美術館でスタートし、2月からは東京の国立新美術館で5月30日まで開催です。ご覧になられましたか?または、行くのを楽しみにしている? 展覧会に展示してある絵を使って、画家の出身地がわかる【画家の出身地マップ】。作品が一度に俯瞰して見えるこんなマップがあったら!と自分が欲しくて作ってしまったのです。 「メトロポリタン美術館展」画家の出身地マップをnoteで販売始めました マップの一部をチラ見せ このマップは、12月に希望してくださったメ ...

クリムトの肖像画の数奇な運命 映画【黄金のアデーレ 名画の帰還】

記事内に商品プロモーションを含む場合があります。 グスタフ・クリムトの絵画が大好きな人におすすめしたい映画をご紹介。タイトルは2015年公開した「黄金のアデーレ 名画の帰還」(原題はWoman in Gold)。クリムトが描いた、美しい女性肖像画の数奇な運命を描いた実話です。 登場するのは、華やかなウィーンの上流社会の生活、ナチスのユダヤ人迫害の暗黒の日々、現代のアメリカロサンゼルス、絵画を取り戻すため訪れた現在のウィーン。時代と国を行き来しながら、一枚の絵画を取り巻く人々の物語です。 ドキドキハラハラす ...

今よく聞くNFTアートって何なの?わかりやすく説明します。

2021年の流行語大賞にもノミネートされた”NFT”。 そしてアート関連の媒体でも”NFTアート”って言葉をよく聞くようになった気がしませんか? 世界ではすでにNFTアート市場も整っていて、多額の資金が動いています。 すっかり遅れを取っている私も、ちゃんと時代についていこう!!と昨年終わりころから情報収集をするように。 このブログでは、流行り物として捉えるのではなく、アートの流れの中で見ていきたいなと考えてます。 私も勉強をしながらできるだけわかりやすく解説していきます。 NFTとは非代替性トークン なん ...

ピカソの名言「人が彼に期待するものを画家は決して描いてはいけない」から考えること

こんにちは。 ブログやSNSで使う画像を自分で作っていて、どこかでみたことあるような代わり映えがしないものが多いなぁと感じたことないですか? 今はおしゃれなテンプレートやお手本があって、技術的な知識がなくても素敵なデザインを簡単に作ることができる。 でもどうしても、似たようなものが量産されてしまいます。 自分なりに手を加えるけれどそれにも限界がある。 今回は、ピカソの名言をご紹介します。 そこから芸術家がなぜ多くの人を感動させたり、記憶に残る作品を作ることができるのか見ていきたいと思っています。 「人が彼 ...

相性が良い!マインドフルネスとアート鑑賞

先日ちょっと面白いアート鑑賞を体験しました。(こちらは2021年12月に公開した記事です)イギリスのLIMINA COLLECTIVEが主催する、マインドフルネスを実践しながらアート鑑賞をするというワークショップに参加したのです。 Zoomで参加するオンラインワークショップ。瞑想をしたり、ガイドの語りかけを聞きながらアートをじっくり見る。今ここに意識を集中することを練習するというアート鑑賞とマインドフルネスの掛け合わせ! アート鑑賞とマインドフルネスって相性が良いなぁと以前より感じていました。作品を集中し ...