【ブックレビュー】自らを虜にするものに出会うには「レオナルド・ダ・ヴィンチ」ウォルター・アイザックソン

レオナルド・ダ・ヴィンチをただの”天才”として片付けるな

という強いメッセージが伝わってくる本を読んでいます。

ウォルター・アイザックソン著「レオナルド・ダ・ヴィンチ」

ウォルター・アイザックソンは、あのスティーヴ・ジョブスから伝記を書くことを依頼された人物でもあります。

この本は、レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿をはじめとして、圧倒的な調査のもと書かれていて、ぐいぐいと引き込まれていきます。

書かれていることにとても共感することが多く、アウトプットしておきたいと書いています。

レオナルドの努力は私たちも学べることができる!

アイザックソンによると、レオナルドは努力の人で、その才能はわたしたちも学べるのだと言っています。

レオナルドは、弱いところや未熟なところもあって、決して完璧な人物ではなかったが、自分に向き合い、強烈な好奇心をいつまでも大切にして研究にはげみ傑作を作ってきたと言っています


⁡レオナルドの非凡な才能は神からの贈り物ではない。
彼自身の意思と野心の産物だ。

この言葉のとおり、不用意に天才という言葉を使うべきではないと言ってます。

なぜなら、それは単に人並外れた才能に恵まれただけ…という印象になってレオナルドをおとしめることになるからだそうです。

レオナルドダヴィンチの凄さは化学とアートを結びつけたこと

レオナルドのすごさは、科学とアートを結びつけたこと。

それはまさに”アート思考”の結果なんです。

想像力、好奇心をもとに、観察・調査・メモ・実践というサイクルをぐるぐるぐるぐる回して、問いをたて・自分で考え・解決していく。


彼の手稿と言われるメモは、大きさもさまざまですが、7200枚にもおよぶそうです。

しかも実際にはこの4倍はあっただろうと言われてます。

私には自分を虜にするほど美しいものを描く自由がある


⁡この本の中に登場する、レオナルドが21才のときつづった言葉があります。

「画家には自らを虜にするほど美しいものを描く自由がある。
野山を描くのも、山の頂上からみたどこまでも広がる田園風景を描くのも、海のかなたの水平線をえがくのも、すべて思いのままである」

この時代の芸術家は、今のように何から何まで自由ではありません。

というのも、注文主がいてその人の希望にあった絵を描いて初めてお金がもらえるからです。

画家が自由に描きたいものを描いて、それを見た人が買うというシステムができたのは、ずいぶん後の時代になってからの話なのです。


そんな時代でも、レオナルドの頭の中はつねに何にも囚われなず自由だったんだなぁと、この言葉から感じました。

そこにいきついたのは、自分の目で見て、頭で考え、手で足でしっかり行動してきたからなのですね。

レオナルドの苦悩、努力、飽くなき好奇心、すさまじい情熱がこの本から感じられるます。
すごい人だなぁ。

まとめ

今の時代、自分のものの見方を持ち、答えを導き出していける人こそが生きていく上で大切なのだと思っています。

そのためにはアート思考を持つ重要性が語られています。

この力はずっと大切なことではあったけれど、世の中の変化のスピードがどんどん早くなっていくにつれて、ますます大切だと思う人が増えたのかもしれません。

アート思考の本はたくさん出ていますが、私はこの本を読めばアート思考って何なのか?すごくわかりやすいと思いました。


レオナルドがどういう思考プロセスを持って?

そこからどう行動に移していったのか?

そのプロセスは手稿として残っていて、結果は「モナリザ」をはじめとする作品たちからわかります。

レオナルドほどにはなれなくても、私たちも自らを虜にするものに出会い、人生をじぶんらしく生きていくためにはどうしたらいいのでしょうか?
⁡私はこの3つが大切だと考えています。


限界を決めたり、視野を狭める好き嫌いしない
ささいなことにも気づける感度をあげる
⁡そして、自分の情熱を大切にすること!

この本を読んで、自分なりに虜にするものに出会うためには何が必要なのか考えてみるのもいいのではないでしょうか?


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