18世紀から20世紀初頭のヨーロッパで流行したのが、オリエンタリズム。
アジアや中東など西洋以外の文化を、絵画、家具、食器やファッションなどさまざまなものに取り入れました。
そこには15世紀以降の大航海時代をきっかけにアジアやアフリカのものや文化が大量に入ってきたから。
中国のものを取り入れるシノワズリ
日本のものを取り入れたジャポニズム
などが身近ですがこちらはトルコの衣装を身につけている女性です。
スイスの画家ジャン=エティエンヌ・リオタールは、1738年から4年間オスマン帝国のイスタンブールに滞在して、たくさんのスケッチをしたり、道具を購入したりして、その後の作品に生かされてます。
自分のことを「トルコの画家」と呼び、髭を生やしてヨーロッパの宮廷を旅行する時には髭を生やしてトルコ風の衣装を着用していたそうです。そうやってなりきってヨーロッパの顧客を描く。エキゾチックな雰囲気を絵だけでなく自分でも作り出していたんですね。
この絵はパステルで描かれています。ソファーや絨毯の鮮やかな色と、女性の服の淡い色と柔らかい質感がとても印象的。パステルでの表現方法の幅広さにもとても興味が湧きます。
タイトル:Woman in Turkish Dress, Seated on a Sofa(ソファに座るトルコドレスの女性)
画家:Jean Etienne Liotard (1702–1789)(ジャン=エティエンヌ・リオタール)
制作年:1751–52年ごろ
所蔵館:メトロポリタン美術館、ニューヨーク
お正月に久しぶりに実家に家族で集まったとき、父がこれまで旅してよかった場所を話してくれました。それがトルコでした。食べ物・見るものどれも良かったなぁーと懐かしそうに目を細めていました。
私は未だ行ったことがない国で、憧れている国。この鮮やかな紋様はとても刺激的でです。
_________________________________
このブログ記事「365日絵のなかを”旅”する」を元にした音声配信もスタートしました。
放送時間は、毎週月曜日の22時。
のんびりとしたトークと絵の中の世界をリラックスした雰囲気で楽しんでいただけると嬉しいです。
絵に描かれた場所に行ってみたい!
描かれている人たちが何をしているのか気になる!
どんな服を着ているの?どんな会話をしているの?
そのようなことに想像を膨らましながら、トークをしています。
絵の詳しい解説というものではなく、絵から少し離れた雑談も含め、絵画の鑑賞の楽しみが伝わると嬉しいです。
今回もオスマントルコのドレスというつながりから、かつてオスマントルコの一部だったことがあるチュニジア旅行の思い出話もあります笑
-
【絵のなかを旅する】ヨーロッパで流行したトルコドレスを見に行く旅 - アートと歴史・YOKO | stand.fm
stand.fm