アンソニー・ヴァン・ダイクの凄さを実感!

アートコミュニティー「アートフル・ジャーニー」というコミュニティーをやっています。
メインで読み物を読んでいただく月額のメンバーシップです。(今月からはオンラインのトーク会もスタートします)

そこで、8月から10月にかけて回ってきた、美術館やカントリーハウスの訪問記や、見てきたアート作品の深堀などを書いています。
メンバーの方より『ダウントン・アビー』の舞台になったハイクレア城に掛けられている絵画についても知りたいという声をいただいていたので、今回はこの絵を取り上げることにしたんです。

ハイクレア城、チャールズ1世肖像画の秘密

ダウントン・アビーを見たことある方なら、この肖像画は何度も目にされているでしょう。
家族が食事をするダイニングルームにものすごい存在感を放って飾られているからです。

でもこの絵アンソニ・ヴァン・ダイクが描いた絵画のPrime Version(プライムバージョン)は英国王室コレクションとして、バッキンガム宮殿に飾られています。プライムバージョンとは、複数のバージョンが存在する作品のうち、最も古い、または最初の作品として知られているもののことを指すそうです。

ハイクレア城を見学した時のガイドの説明によると「この絵はかつて、王の処刑後に丸められ、隠されていた」とのこと。チャールズ1世はイギリス中を内戦で激動の中に巻き込み、悲惨な最後を迎える国王。
アンソニー・ヴァン・ダイクが描いた肖像画は、かつての国王の肖像画というだけでなく、イギリスの激動の歴史の一部としての役割を果たしてきたようです。

肖像画の背後にある歴史を知りたい。そうすれば存在感を放つ理由や、ハイクレア城にも飾られている意味がわかるかもと思いました。
なんで同じような絵が飾られているんだろう・・・
しかもよくみるとちょっと違うところもあるな・・・
など気になったところを調べてみることにしました。

結論は、はっきりとわかったわけではなくもやもやしたところも残っています。
でも、英国王室の肖像画がカントリーハウスにはたくさん飾られていることの意味がよくわかったのです。
ハイクレア城の展示方法を見て納得がいきました。

そして、ヴァン・ダイクってやはり絵がうまい。
今回のイギリス旅行でも彼の絵をあちこちでたくさん見てきましたが、この絵なんかその極みの一つなんじゃないでしょうか。
背景にある歴史を知ると、ヴァンダイクの演出力の凄さに感動します。

絵がうまいのは当たり前。
それをどのように見せるのか。
知識と経験の両方で自分だけの表現方法として高めていく。
薄っぺらなものしか持っていなかったらこのように何度も感動できるような作品は生み出せないですよね。

自分の発信はどうなのか?ちゃんとできている?
私自身にも問いかけています。

-アート日記