【イギリス大学留学×美術史】再びイギリスへ 大学入学までの半年間

イギリスの大学で美術史を学んだ私の、留学にいたるまでの経緯や、大学生活について綴る連載の2回目。
1回目では、美術史を学びたいと思ったきっかけについてや大学で美術史を学ぶことになったいきさつなどをお話しました。

▼1回目の記事はこちらです

半年弱の語学留学を終え、日本に帰国。
日本で派遣社員として数ヶ月働きました。
今思えば、若かったこと、派遣社員としてすぐに仕事が見つかる景気の良さのだろうなと思います。

そして、再びロンドンへと向かいます。
今回は、大学に入学する前のロンドンでの半年間の生活について話を書きたいと思います。

2度めのロンドンでの語学学校生

2度目となるロンドンでの語学学校。
前回の滞在時でもお世話になった留学斡旋をしている機関が運営する語学スクールで、再び英語の学習に入りました。

1度目は文法、会話など実践的な英語を学んだのに対し、ここでは大学での勉強に向けてのもうすこし踏み込んだもの。
大学ではとにかくエッセイ(Essay)を書くことが求められます。
このエッセイとは小論文ですが、与えられた課題に自分の意見を論理的に述べていくものです。
そのエッセイを書くための思考方法や、文章の書き方を学ぶのです。

今でも印象に残っているのは、各自が選んだ新聞記事からそこから自分はどう考えるのか?どういった理由でその結論に至ったのかをディスカッションするという授業。
ここでは正解がなく、自分の知識や経験をもとに論理的に語るのです。
英語の試験IELTSでも小論文の課題はありましたが、むずかしいですね。

美術館や博物館に通う贅沢な日々

学校は大英博物館のすぐ近くにあり、学校帰りによく行っていました。
大英博物館は、大英帝国時代に集められた世界中の人類の歴史や文化を展示してある巨大な博物館です。
いつも観光客が押し寄せていて、ここはどこなんだろうと感じてしまうくらい色々な言葉が飛び交っていました。
コロナ禍の今あの光景は懐かしいばかりですね。

見どころがたくさんあるのですが、私は日本の展示室に行くことが多かったです。
海外に出て大きな変化があったのは、外から日本を見ることができることでした。
どのように日本を表現しようとしているのか?これらを見た海外の人たちはどう思うのか?を考えてみるきっかけになりました。
今まであまりそういう視点を持つことがなかった。

ロンドンはミュージアムの宝庫です。
アクセス便利なところにたくさんあり、無料で入場できるところも多いのです。

ナショナル・ギャラリー
テート・ギャラリー、
テート・モダン
ヴィクトリア&アルバート美術館
ウォレス・コレクション
など

ナショナル・ギャラリーやテート・ギャラリーは、好きな作品を見に通っていました。
行きたいときにふらっと見に行ける。しかもいつでも来れるから全部見よう!とか意気込まなくても見たい作品だけをじっくりと見る。
美術館も大きいので混み合うことなく椅子に座っていつまでも独り占めのように見る。

そんな日本ではなかなかできないアートとの触れ合い方がとても新鮮でした。

ホストファミリーに恵まれる

今回のロンドン滞在では2件のホストファミリーにお世話になりました。
どちらも日本人を多く受け入れている家庭でした。

ロンドンはビジネスとしてホストファミリーをやる家庭が多かったようです。
そのため前回のロンドンのお宅では、ファミリーとして受け入れられるというよりは、シェアハウスの一室を借りているという感覚でしたね。
食事付きではあったのですが、朝は食パンとコーンフレークにコーヒー、紅茶。
夜は冷凍食品が一品か、たまにサラダも付いてくるという内容でした・・・
同じ学校に通うスイス人の子が滞在していたのですが、毎朝彼女と朝食の不満を言いながら食べていたのを思い出しました(笑)

その反面2回目のロンドンはとても温かい家庭でした。
家族の一員として迎え入れてくれて、家族との会話も多かったですね。
そして食事がとても美味しかった!!
夕食は家族と滞在している学生みんなでテーブルを囲んでの食事だったので、大家族にいるようなそんな日々を過ごしました。

特に印象に残っているのは2軒めのお宅。
寡黙だけど優しいご主人と、明るく気さくで働き者の奥様の家でした。
彼女とは本当に色々な話をしました。
特に私がこれから勉強しようと思っている美術についても語ることが多かったですね。

いよいよ大学入学に向けて家を出ていくときは、涙でお別れしたことを今思い出しています。

次回は大学の学部生としてのスタートについて書きたいと思います。

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