「クリムト展 ウィーンと日本1900」を愛知県の豊田市美術館で見てきました!
グスタフ・クリムトは、19世紀末にウィーンで活躍した画家。
彼の作品と言えば、金を使用し華やかに装飾された画面、官能的な女性の姿の作品がすぐに連想されますが、この展覧会はそれだけではないクリムトの全貌を知るような内容になっています。
東京展がとても盛況だった!と聞いていたので、平日の朝を選んだものの混んでいました・・・
ものすごくストレスを感じるほどの混み具合ではなかったものの、最初の方は列がなかなか進まなかったですね。
夏休み、あいちトリエンナーレと重なるこれからの時期は、混雑ももっとひどくなるのかもしれません。
クリムト展の見どころ
様々な作品の見比べを楽しめるところ
・美術教育を受けていた時代の基礎的な作品
・弟のエルンスト、友人のフランツ・マッチュとともに、室内装飾を手がけていた時のデザイン画など
・ウィーン分離派時代の華やかな黄金と装飾性の作品
・印象派の作品のように色を置いて描いている風景画
・くつろぎつつも優雅でその人の魅力を引き立たせている女性の肖像画
・人間の生死を哲学的に捉えた学部や女の三世代のような作品
クリムトの家族の写真・肖像画・兄弟の作品も見られます
家族をとても大切にしていたクリムト。
金工師で印刷師であった父のもと子供たちも芸術家の道に進みます。
弟のエルンストは兄と同じ道に進み、ゲオルクは彫金師、妹のヘルミーネは美術刺繍家へ。
クリムトを取り巻く女性たちの肖像画や写真も
生涯の大切な友人だったエミーリア・フレーゲへのラブレターもあります。
ベートーベンフリーズ体験できます
ウィーン分離派会館を飾る全長34メートルの巨大な壁画「ベートーベンフリーズ」
その複製が展示室の一画に再現してあります。
ベートーヴェンの交響曲第9番からイメージした物語を3つの壁で絵巻物のように表現。
金色の甲冑をつけた黄金の騎士が幸福を求めて敵に向かい、楽園に辿り着くまでの旅路の物語です。
鑑賞後の感想
私は、やはりユディットのなんとも言えない表情に釘付けになりました!
下から彼女の顔を見上げるように見るのですが、彼女もこちらを見下ろしていて。
クリムトは、毎日多くの時間デッサンをして、そして若い女性のモデルがいつでもデッサンに応じることができるように周りにいたそうです。
そうきくとなんだかいやらしい感じがするけど、モデルの悩みを聞いたり、困っている女性にお金を払ってあげたり、そんな付き合いも多くあったそうです。
そんな彼だからこそ描ける女性の姿なんだなぁーとユディットを見上げながら思っていました。
前回ブリューゲル展で豊田市美術館を訪れた時にも感じたのですが、企画展の会場のスペースが少し狭く感じます。
作品間の間隔が狭く、くねくねと回るように展示されているので、行列ができやすいのじゃないかなぁ。
会場内にも椅子があってゆっくり座って鑑賞できるような余裕のスペースがないので、全120点の作品が並ぶ展覧会なのにあっという間に終わってしまった感じがあり、それが少し残念でした。
クリムト展詳細
「クリムト展 ウィーンと日本1900」
豊田市美術館 愛知県豊田市小坂本町8−5ー1
会期:2019年7月23日(火)〜 10月14日(月・祝)
休館日:月曜日 ただし8月12日、9月16日、9月23日、10月14日は開館
開館時間:午前10時〜午後5時半 *入館は閉館の30分まえまで