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【トルコ至宝展 チューリップの宮殿トプカプの美】京都国立近代美術館

2019-07-24

京都国立近代美術館で開催中の「 トルコ至宝展  チューリップの宮殿 トプカプの美 」を見てきました。

 

展覧会の序盤の、宝石がたっぷりとあしらわれた品々にまず目を奪われました。

そしてチューリップモチーフ。
こんなにもチューリップが愛されて大切にされてきたということ知りませんでした。
もともとオスマン帝国内にあった花が、15世紀ころから盛んに栽培され、その後は工芸品などさまざまなものの模様として使われるようになっていく。
小さなものだけでなく建築にも使われているのです!

このトルコのチューリップがオランダに伝わっていくのが16世紀末。
オランダではチューリップバブルとして、球根が投機の対象になって、珍しい品種の球根で家が買えるほどになりました。

トルコのチューリップへの情熱は、もっと宗教的で国の花としての人々のよりどころのようなものなのかなと感じました。

それにしてもここまで大切にされたり、人々を惑わすような存在になるチューリップは何か特別な魅力があるのでしょうか。

展示会場の一角に、宮殿をイメージしたようなブルーの壁に、格子がはめ込まれているセットがありました。
そこに照明の光が当たって、格子の模様が床に影になってとても綺麗だった。
ただの張りぼてなのかもしれないけど、こういう演出好きだなー。

会場内のビデオ上映では、トプカプ宮殿内のハレムの説明もありました。
スルタンの子供を産むために、多くの女性が囲われていた場所。奴隷商人から売られて礼儀作法、歌や踊り、文学など教養を身につけていく。
スルタンは基本結婚しなかったのでハレムの権力者は、スルタンの母親。
大奥のような世界だなと感じました。
多くの女性たちの壮絶な運命を見てきた宮殿なんだろう。
いつの時代も、運命に翻弄されながら力強く生きてきた多くの女性たちの存在がある。少し物悲しさを感じながら続きの展示を見ていきました。

1453年、オスマン帝国の若き皇帝、マホメッド2世は、ビザンティン帝国(東ローマ帝国)の首都として1000年あまり栄えてきたコンスタンティノープルを攻略する。
このコンスタンティノープルは、ギリシア時代にはビザンティオンと呼ばれていた都市で、ローマ時代にコンスタンティノープルと改称されました。
そしてオスマン帝国になると、イスタンブール(永遠の都)と名付けられ、オスマン帝国首都となりました。

キリスト教世界から、イスラム世界へと変わっていく。
とても重要な歴史の出来事。

ざっくりとしか知らない、でもとても重要な歴史を知りたくて、ミュージアムショップで売られていた塩野七生さんの「コンスタンティノープルの陥落 」を買いました。

 

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