ポッドキャストで【画家の悩みに効く香り】という番組を始めました。
1回目に取り上げる画家は、印象派といえばこの人、クロード・モネです。
クロード・モネ (Claude Monet, 1840年11月14日-1926年12月5日)印象派フランスの画家
モネって印象派の画家として世界中で愛されて、彼の絵がない美術館がないのでは?と思うほどの画家です。私も大好きな画家の1人ですが、愚痴や泣き言が多い手紙を読んで、理想と現実のはざまで辛かったんだろうなぁ、悩んで苦しんでいたんだなぁと思ったのです。
調香のプロのYukiさんにモネの悩みに効く、モネのためだけの香りを調合してもらいました。
画家の悩みに効く香り
この番組は、画家の作品や人柄から「こんな悩みを抱えていたのでは?」と想像し、その悩みに効く香りを調合してみるトーク番組です。 ”画家の悩み”という切り口から、絵や人生を見つめる。 豊かな香りと一緒に目も心も開いて、感じたことを自分にも問いかけてみる。そうすることで、自分の真の思いも見えてきます。香りを楽しみながら自分の心を見つめる行為と、絵の鑑賞をつなげる放送を目指しています。パーソナリティーの2人が想像した画家の悩み、それを解決する香りの制作裏話などを語っています。
(不定期配信)
【パーソナリティ】
・画家と絵が好きな人をつなぐ Yoko https://www.instagram.com/cosiness_and_adventure/
・自然と人をつなぐ Yuki https://www.instagram.com/health__nature/
モネの香りの秘密
番組内でお話した、Yukiさんが調香してくれた素敵な香りのエッセンスをこちらでご紹介します!
・ブラックペッパー
心を活性化し、活力や行動力を与えます。感情が冷めていて熱中できない、無関心になってしまう、人任せになりがち、自分自身の力で現状を変えるパワーを与えてくれます。
・サンダルウッド(アトラス)
精神と魂に働きかけると言われます。鎮静させ、調和させること。世俗的な不安、執着心を落ち着かせ、崇高な意識へとつながる助けをしてくれます。未来を思い描く前に大切な、今に意識を向け、自分の本質を向き合わせてくれます。古くから貴重な香りとして重宝され、日本では「白檀」と呼ばれます。香道の世界ではなくてはならない存在です。
現在、枯渇危惧植物で入手が難しくなっています。
・ベルガモット
循環を促す作用があり、抑圧されてしまった感情を解き放つことを助けます。心の中に溜め込んだ感情にエネルギーを与え、流れをスムーズにしてくれます。コロンブスによってスペインにもたらされ、イタリアに紹介されました。イタリアでは治療薬として多くの人に用いられ、ナポレオンの時代には香水としても使用されていました。日本では、アールグレイの香り付けとして多くの人に知られています。
・ゼラニウム
理性や論理で感情を押し殺してしまいそうな時、自分の感情を素直に受け入れ直感や創造性を促します。
・ニアウリ
軽く甘さのあるウッディーな香り心を元気にし、目標に向かって突き進む気力を与えてくれます。頭の中をリフレッシュさせ、集中力を高める働きもあります。はっきりとした夢をみるように刺激を与える効果もあります。
エッセンシャルオイルはそのままで使うのは危険です。ここでご紹介している香りは、すべて用法に則り適切に希釈されています。またオイルにはその他にも禁止事項がありますので、ご自身でしっかり調べてからご使用ください。
モネの言葉&香り作成の舞台裏
私は生まれた時からきかん坊であった。誰も、私をどのような規律にも従わせることはできなかった。私が学んだわずかなことは、みな独りで学んだのだ。......外には親しげに太陽が輝き、美しい海が広がっていて、澄んだ空気の中で海辺を走り回ったり、水の中に飛び込んだりできるというのに、4時間もじっと座っていることなど、とても私にはできなかった。
クロード・モネの言葉
モネは幼い頃から絵を描く事に長けていたこの言葉をなぞって行くとモネの傍には自然が傍にあり、その自然そのままの在り方、刻々と移り変わる様のなかで彼の感性が芽吹いたように思われる。
時に人との交わる世界には冷たさやもの悲しさ 言い知れぬ怒りや矛盾そういった感情を払拭する手段としても絵という物が彼の支えになったのではないだろうか。。。と彼の歩んだ歴史の文献か個人的考察を交えモネの為の香を作成しました。
エッセンシャルオイル 植物の持つチカラは時に傷を癒したり、気持ちを解放したり寄り添う事のできるチカラが宿っていると考えています。植物の香と香の共演で通りの世界が出来上がるのもエッセンシャルオイルの魅力であり、最終的に感性するのは使うその人が加わる事 唯一無二の香が完成していくのです。
放送を終えて・・・
モネは子供の頃から自然、特に海のそばで過ごすことが当たり前にあって、学校の教室でずっと座っていることなんて耐えられなかったんだろう・・・そんな彼がいつも川や海のそばで住み、絵を描き、でも絵が売れない、家族を養っていかないとという苦しみがあんな手紙になったのだと、香りとともにモネの悩みに寄り添っているとそう思えてきました。
そうすると、長時間自然の中で1人で絵を描き続けるモネの後ろ姿が目に浮かんできました。私はモネと一緒に睡蓮の池を見ることも、ロンドンの橋を見ることはできないけれど、彼が残してくれた”連作”でその瞬間を体験できるのです。
”画家の悩み”という切り口から、絵や人生を見てみる。豊かな香りと一緒に目と心を開いてそこで感じたことを自分にも問いかけてみる。そうすると自分の真の思いも見えてくる。
リラックスした状態で絵を鑑賞するということをやってみたいというのがずっと前からありました。以前途中まで進みながら実現できなかった、香りを楽しみながらの絵の鑑賞が今回の放送につながりました。
次回は、19世紀末のウィーンで活躍した画家グスタフ・クリムトでお届けします!
photo:UnsplashのPriscilla Du Preez 🇨🇦