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「ル―ヴル美術館展 肖像芸術」大阪市立美術館で肖像作品の魅力にはまる

2018-12-02 By Yoko

2 12月

ルーヴル美術館からよりすぐりの肖像をテーマにした作品が集まった「ルーヴル美術館展 肖像芸術」。
大阪市立美術館へ見に行ってきました。

肖像といえば、今では私達は気軽にカメラやスマホを使って写真を撮れる時代ですよね。
自分の姿、家族、恋人、友人と思い出に撮る写真。

美術の肖像作品は、生きている私たちの姿を思い出として残すとは反対で、亡くなった方を弔う墓標から始まりました。

肖像作品といっても、肖像画だけではありません。

作られた目的や、作品の種類も(彫刻であったり、絵画であったりなど)本当にさまざまなのです。
そして時代によって目的がかわり、流行もある。

ルーヴル美術館展というのは気になるけど、肖像作品ばかりってどうなの?と思っている人もいるのではないでしょうか。

誰でも知ってるあの有名な人物の顔、古代の人々の顔、名だたる画家が描いた顔など、2018年のルーヴル美術館展では、肖像芸術の奥深さを知ることができるそんな展示になっています。

 

ルーヴル美術館展―肖像芸術 のみどころ

1. ルーヴル美術館の8部門から110点が来日

ルーヴル美術館の3000年以上前の古代から19世紀までの全8部門の肖像作品の傑作が集められています。
パリまで行かなくても、広大なルーヴル美術館の館内を歩き回らなくても、集められた作品を一度にみることができるなんて素晴らしい機会です。

  • 古代オリエント美術
  • 古代エジプト美術
  • 古代ギリシャ.エトルリア.ローマ美術
  • 絵画
  • 素描.版画
  • 彫刻
  • 美術工芸品
  • イスラム美術

 

2. 制作目的や種類もさまざまな肖像作品

肖像作品というのは、古代から現在まで長く長く制作されている美術のジャンルです。
死者を弔うための墓標、国王など権力者の肖像画や彫刻、神への信仰心を表すもの、自画像などその制作目的もさまざまです。

そして小さなコイン、石碑、蝋画のマスク、油彩の肖像画、墓標の集団肖像、嗅ぎたばこケースの肖像、大理石の胸像など作品の種類は本当にバラエティーに富んでいます。
肖像画だけではない、ちょっと人に教えたくなるような作品もあって、人が人を表現する肖像作品のはば広さに魅せられますよ。

 

3肖像作品の決まりごとや流行がわかる

美術作品にはさまざまな決まりごとのようなものがあります。

たとえば、聖母マリアを描くときは赤い服の上に、青いマントを着ている姿で描かれていることが多いです。

そのような決まりごとが肖像画にもあるのですね。

・古代エジプトでは国王は王冠をかぶった姿で表された。
それは王冠により、この人物が国王であることがわかるからです。

・ナポレオンはフランス王室ゆかりの白テンの毛皮のマントを着て、ローマ皇帝にならって月桂冠をかぶる姿で表された。
自分の正当性を証明するためのものでもあります。

解説に書かれている決まりごとを意識しながら見ていき、肖像が大衆化していく近代へだんだん近づいていくと。過去の決まりごとが変化していくことがわかります。

理想化された美しい顔から、個性あふれる顔になっていく。

芸術家が肖像で表現しようとした人間の姿の移り変わりに面白さを感じられます。

 

展示構成

では展示内容へと進みたいと思います。

プロローグ

プロローグとして2点の作品が展示されています。
2つの作品が並べて展示してある意味がわかると、この展覧会の全体の目的がわかります。

1つは紀元前1300年代のエジプトで出土したマスク
ミイラ化した人の顔の上に乗せてあったマスクです。
これは死後来世でも生き続けるためのもので、本人に似ている必要はなく、美しい理想化された姿で描かれいます。
目を大きく見開き、小鼻がひらいているのは、永遠に生き続けるためなのです。

 

もう1つは2世紀後半のローマ帝国時代のエジプトのもの。
生きている時に描かれ、飾られていた肖像画で、部分を死後遺体の上に顔の部分に載せられたと考えれれているそうです。
この時代に流行した髪型、衣装やアクセサリーから上流階級の女性であったことがわかります。
エジプトの伝統の永遠に生き続けるためのものでもあり、故人のイメージをのちに伝える目的ももっているのです。

同じエジプトから出土したマスク。
時代がかわり、目的がかわると、その肖像作品にとって”重要なこと”が変わってくるのがわかりますか?

肖像作品を見る時の大きなポイント、例えばこんな感じです。

  • 描かれた人はどんな人物?
  • どのように描かれている?似てるの?理想化されてる?
  • 何を一番重要に表現しようとしてる? 豪華な衣装?威厳のあるポーズ?

 

1記憶のための肖像

ここでは、神への信仰心を表すため、子孫に自分の姿を残すため、人の存在を記憶する役割をはたした古代から19世紀までの肖像作品が集められています。

  • 自分がいかに信仰心があるのか神にたいして証明するもの
  • 神の長所を自分のものにするためのもの
  • キリスト教の広がりによって、ひざまづき手を合わせるポーズが信仰心を示す動作となっていく

2権力の顔

ここでは、国王や皇帝などの権力者が、自分の権力をたくさんの人に、広い地域まで知らしめす目的で作られた作品が集められています。

紀元前3000年のメソポタミアの王様
アレクサンドロス大王
クレオパトラ
ルイ14世
ナポレオンやマリーアントワネット
ホメロスやアリストテレスなどの詩人や哲学者

などの華やかな顔ぶれの顔が並びます。

権力者の肖像で重要なのは、それが誰であるかすぐに分かること。
地域や時代によって、表現の方法にルールがあり、それを学びながらみていきます。

 

3コードとモード

それまで王侯貴族や聖職者などが制作してきた肖像。
15,16世紀には肖像が、裕福な銀行家や商人、さらにその下の階層の人々にまで大衆化してきます。

コードというのは、決まった肖像表現の方法のこと
モードというのは、時代、地域や社会の流行のこと。

1,2の展示で見てきたコードとモードが引き継がれながら、変化することで、どのように大衆化していったのか、ルネサンスから19世紀の作品が展示されています。

 

エピローグ

ジョゼッペ・アルチンボルトの「春」「秋」が展示されています。
これまで見てきた肖像画の集大成というような色々な要素が含まれた作品。

・古代ローマ肖像(顔が横向き)のパロディーでもある
・植物で四季を表現している
・春〜冬へ人間の4つの時代を表している肖像画
・肖像画であり静物画でもある

 

まとめ

肖像作品といっても本当に色々な種類、目的の物があることに驚きませんか?
宗教、政治から社会の出来事やファッションの流行まで、肖像作品がかかわっているのですよね。

2018年のルーヴル美術館展を見れば、これからの肖像画などの作品の見方が変わることまちがいなしです。

 


展覧会情報

ルーヴル美術館展―肖像芸術 人は人をどう表現してきたか
大阪市立美術館
大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82 (天王寺公園内)

会期:2018年9月22日(土)〜2019年1月14日(月・祝)
休館日:月曜日(祝休日の場合は開館し、翌火曜日休館。ただし12月25日は開館)、12月28日~1月1日 *1月2日は臨時開館
開館時間:午前9時30分〜午後5時 *入館は午後4時30分まで

展覧会公式サイト:http://www.ytv.co.jp/louvre2018/index.html

 

 

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Yoko アート鑑賞で知る自分の価値観
  【科学的理論で時間をかけ描く 

【科学的理論で時間をかけ描くスーラ】


スーラと言えば点描画
点描画が言えばスーラ


この「グランド・ジャット島の日曜日の午後」は、どこかで目にしている人が多いだろうし、
一度見たら忘れられない作品ではないでしょうか?



印象派は、自然の中で描くこと、見たものの”印象”をすばやくキャンバスに描くことを重視していました。
そして光輝く生き生きとした明るい絵を作り出したけれど、ものの形は不鮮明で構図も曖昧になりやすいなとスーラは感じていました。
前の投稿でもご紹介したルノワールも、その辺りで行き詰まりを感じてました。



スーラはその原因は色の置き方が感覚的なのではないだろうか?と仮設をたてて、科学的な色彩理論で一点一点丁寧に色をおいて描きました。
その絵はもはや新しい印象派。


この絵なんか何点色をおいてるのだろうか・・・と驚きませんか??


以前神戸にあるファッション美術館で、カラフルな色の玉が付いた待ち針でこの絵を作った作品をみたことがあります。


あれはすごかった!!


こういうことなんだなとすごく納得のいった作品で、改めてスーラの凄さを理解できたのでした。







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 【ルノワールとモネの違い】  
【ルノワールとモネの違い】


20歳ごろ、2人ははパリの美術教室で出会います。
そこで出会った画家仲間が、グループ展を開催し、印象派と呼ばれるきっかけとなっていきます。


2人は一時期一緒に描き、とても似ているので見分けがむずかしいものも。


でも、ルノワールは印象派の描き方の限界を感じて、徐々に自分のスタイルを見つけようとしていきます。



2人の絵をたくさん並べて見ると、モネは風景画が多いけど、ルノワールは人物を描く絵が多い。



印象派の技法では、しっかりとした形が失われ、色模様になってしまう。
人物や建物などしっかりと手応えのある存在として描くことができないと考えたのですね。




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【ジヴェルニーの庭は戸外アトリエ兼モネの作品でもある】


印象派を代表する画家を、だれか1人あげてみてと言われたらやっぱりこの人しかいないでしょう!!



印象派って絵画の歴史を変えた革命児たちみたいに言われてるけど、モネは自分の”印象”をできるだけ忠実に描き続けたきたことが結果そうなってしまっただけなんですよね。



もちろん絵の才能や、鋭い感覚が備わっていたのは当然なんですが。



新しいスタイルは世の中になかなか受け入れられず、苦悩も多かったけれど、自分に嘘をつくことない生き方が作品にも力強さと明るさに溢れているように感じます。



人生の後半に移り住んだジヴェルニーに、理想の庭を作る。
それは、自分だけのアトリエであり、モネの作品でもあるのです。




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あの「シンデレラ」のストーリーを、素敵に生まれ変わらせた本を見つけました❣️


斬新で、愛と希望がたくさん詰まったストーリー。
そして、イギリスの挿絵画家のアーサー・ラッカムの絵が美しくてワクワクさせられる。



テーマとなっているのは、”自分らしく生きる力は自分がいつも持っている” ということ。


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心の中の声に耳をすますこと。


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この本の中では、シンデレラをはじめ、登場人物や動物たちまでもが自分らしく生きることを選んでいきます。
あの王子さまもです(笑)!



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私は、興味があることをどんどん見つけ、挑戦することを恐れない、2人の姪っ子たちに、これからもそんな気持ちを忘れずに生きていってほしいとこの本を贈りました✨


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「シンデレラ 自由をよぶひと」
レベッカ・ソルニット
アーサー・ラッカム 挿画
渡辺 葉 訳
河出書房新社









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