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【TIKAL】日本、イギリス、古代マヤ文明が繋がるチョコレートショップ

こんにちは。

先月のことになりますが、大阪の淀屋橋にあるチョコレートショップに行ってきました。
古代中南米、マヤ・インカの装飾がとても印象的な芝川ビルの一室にある、イギリス人ピーター・ジョン氏がプロデュースするチョコレートが楽しめるお店です。
このお店に興味を持ったのは、アイルランドの黒ビール“ギネス”入りのチョコがあると聞いたから。
アイルランド生まれのギネスですが、イギリスでもとっても人気のあるビール。濃厚な泡と苦味が絶妙なギネスは私の大好きなお酒の一つです。

洋風建築ビルの中にチョコレートショップとはおしゃれだなとワクワクしながら、地下鉄淀屋橋駅から歩くこと数分ビルが見えてきました。
正面玄関はビルの角部分にあたり丸くなっています。装飾が͡凝っています。

ビルを横からみたところ。左の部分が正面玄関です。

ビルの中の階段の手すりにもこんな装飾が。

チョコを購入した時にもらったショップカードにはこんな記載がありました。

1927年、中央区伏見町に、近代建築様式の「芝川ビル」が建設されました。古代中南米、マヤ・インカの装飾を纏った独特のデザインは、現在もその姿をそのままに佇んでいます。その装飾であるマヤ文明当時、カカオは大変貴重なものとされ、カカオの実の飲み物は神への捧げものであり、通貨としても流通されていました。その後、1500年代にヨーロッパへ伝わり、1600年代には西欧の王室を中心に一大ブームとなり、1657年ロンドンで最初のチョコレートショップがオープンしました。その歴史をインスピレーションに、2008年「芝川ビル」にチョコレートショップ「TIKAL by Broadhursts's」がオープンしました。

マヤ・インカ文明の装飾を持った日本の洋風建築ビル、イギリス人パティシェ、チョコレートショップ・・・この一見繋がらないような物が繋がってできたお店。これが妙に私のアンテナに引っかかりました。チョコレートショップの記事なのでチョコのこと書いてあると思った・・・と思われそうですが、やはり私はいつもアートを関連づけして見てしまいます。チョコは最後のお楽しみ。

店名のTIKALはグアテマラの古代遺跡ティカル

マヤ文明とは、紀元前4世紀から16世紀にわたり、メキシコ南東部、グアテマラ、ホンジュラス、ベリーズなど中米5カ国の複数の都市国家で栄えた文明のこと。そして、ティカルとはそのマヤ文明最大の都市遺跡として、世界複合遺産「ティカル国立公園」として登録されています。紀元前1000年頃にはメキシコの原住民はカカオ豆をすりつぶして食べていて、マヤ文明ではカカオ豆は究極のステイタスシンボルとみなされていました。カカオ豆は通貨のように扱われ、カカオ豆を豊富に持つ金持ちは、チョコレートドリンクを作っていました。

そんな貴重なカカオやチョコレートが、16世紀にコロンブスをはじめスペインからの征服者や布教の伝道師によってヨーロッパへ伝えられました。王侯貴族などの特権階級の人たちの間に広まっていきました。スペイン、ポルトガル、イタリア、フランス、イギリスなどへ渡っていきます。砂糖の甘みを加えたチョコレートとなり、美味しいチョコレート飲料としてどんどん人気になっていったのです。

イギリスに最初にオープンしたチョコショップ

ヨーロッパに広がるチョコレート。1657年にロンドンに英国初のチョコレートハウスがオープンしました。それは上流階級の間で評判となり、たちまちエリートたちの会合の場所となりました。まだまだカカオ豆は高価で、このような店に通うことができるのはお金持ちや貴族だけです。そのうちやがて価格も下がり、英国の至る所にチョコレートハウスができ、それはコーヒーやティールーム、パブに挑む勢いとなりました

芝川ビル103号室のチョコレートショップ

芝川ビルの中でも特に豪華な装飾を持っているのが正面玄関を入ってすぐ右手にある6坪強の小部屋。チョコレート専門店 TIKAL がある103号室です。

昭和2年(1927年)に竣工した芝川ビルは、実業家である芝川又四郎が自分の店を不燃性の建物に建て替えたいと作られたもの。当時はこの地域には和風の木造建築も多く洋風ビルは都合が悪いという時代だったそうです。自家用だけでは余裕があった建物は、又四郎の意向で「芝蘭社家政学園」という花嫁学校として使われて、洋裁、和裁、習字、生け花、茶道、割烹などを3000人を超える女性が学んだのだとか。

お店ではショーケースの中の写真は撮らないでくださいとのことで写真を撮らせていただきました。

まず目を引いたのはシャンデリアを挟むように見えている彫像。反対側の入り口の上にも2体あります。天井、梁、壁のいたるところが装飾で埋め尽くされています。床のタイルも何かチョコレートショップに合っているなぁなんてこじつけですがそんな風に見えてしまいます。3色5種類のタイルが複雑に並べられているそうです。

ピータージョン氏のこだわりチョコ

ピーターさんは、大阪の玉造に「BROADHURST’S(ブロードハースト)」 というイギリスの伝統的な焼き菓子やケーキなどが楽しめるティーショップのシェフ。そのピーターさんが作るチョコレートが売られているのがこのお店。エキゾチックな装飾の下にあるショーケースには、チョコレートが美しく並んでいます。チョコレートについては美味しかったとしか感想が言えないのですが(食レポはむずかしい笑) お酒を使ったものや、スパイスが使われているものもたくさんありました。大人が楽しめるお酒に合わせたいチョコレート!

どれも美味しそうで悩みながら選んだのはこの4種類。右上から時計回りに。

Leatherwood タスマニア産の稀少な蜂蜜を使ったチョコ
Figgy イチジクスパイスを使ったチョコ
Guiness Cake アイルランド産の黒ビールギネスを生クリームの変わりに使ったチョコ
Kiora ビターチョコレートとフレッシュオレンジの組み合わせ

 

Tikal
541-0044
大阪市中央区伏見町3-3-3 芝川ビル1F
06-6232-0144
定休日 月(時期により無休)
営業時間 平日 11:30~19:00
土日祝 11:30-18:00
ピーターさんのお店 Broadhursts はこちら
芝川ビルについてご興味持たれた方はこちら
(芝川ビル資料館→芝川ビル「建物語」→”建物について”カテゴリー  建物の裏話がたくさん載っています。面白いですよ。

地図[map address="大阪市中央区伏見町3-3-3 芝川ビル1F" width="100%" height="300px" api="AIzaSyCU2aCgdKzNXKL0GI0r-a5uidU7cHHUujw" theme="flatmapwithlabels" class="dp-light-border-map " zoom="14" draggable="true" controls="true"]

 

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