【三菱一号館美術館】東京駅から歩いてすぐ、中庭の美しいオフィス街にある美術館

東京駅から有楽町方面へ歩くこと5分。アクセス便利な丸の内のオフィス街の中に趣のある赤煉瓦の建物が見えてきます。

1894年(明治27年)に英国人建築家ジョサイア・コンドル設計の建物を、復元して美術館に生まれ変わった三菱一号館美術館。

この魅力的な建物の中で西洋近代美術の企画展を年に3回楽しむことができます。またミュージアムショップやカフェもとても素敵で、展覧会を楽しむだけでなくトータルで美術鑑賞を盛り上げてくれる、そんな美術館をご紹介します。

企画展は年3回

美術館の建物は1894年に建てられたという関連から、19世紀後半から20世紀前半の西洋近代美術の企画展を年に3回行っています。

美術館は1880〜1890年代の時期に制作された美術を中心に所蔵していて、そのコレクションと関連するような展覧会が企画されています。

現在開催中の「ルドンー秘密の花園」展は、1897年にロベール・ド・ドムシー男爵がルドンに依頼した城館の食堂装飾16点が揃った大規模展。三菱一号館美術館コレクションの中心的存在の「グランブーケ」はその一点で、15点はフランスオルセー美術館が所蔵しています。

2017年から現在までの展覧会

・2017/2/4 - 5/21
「オルセーのナビ派展:美の預言者たち ―ささやきとざわめき」

・2017/6/17 - 9/24
「レオナルド×ミケランジェロ展」

・2017/10/18 - 2018/1/8
「パリ♥グラフィック ― ロートレックとアートになった版画・ポスター展」

・2018/2/8 - 5/20
「ルドン−秘密の花園」

今後の展覧会情報

・2018/6/28 (木)- 9/17(月・祝)
「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界―1780年パリに始まるエスプリ」

・2018/10/17(水) - 2019/2/11(月・祝)
「フィリップス・コレクション展」

・2019/3/14(木) - 6/9(日)
「ラファエル前派の軌跡展(仮称)」

三菱一号館美術館の建物物語

三菱一号館美術館といえば特徴ある赤煉瓦の建物なのですが、そんな建物にまつわる物語を知るとさらに美術館に行きたくなりますよ。

三菱を創始したのは、1853(天保5)年土佐生まれの岩崎彌太郎氏。1890(明治23年)彌太郎の弟で2代目社長の彌之助は丸の内の兵営跡地など10万余坪を陸軍省から購入しました。財源に苦しむ政府の、麻布に新兵舎を建設する資金調達のための売却でしたが、希望価格は相場の数倍だったため買い手がつきませんでした。困り果てた松方正義蔵相が自ら彌之助を訪ねてきて、政府を救うと思って買い取るよう懇請したのです。

彌之助は苦慮した末に、128万円という高額購入を決断しました。この金額はなんと当時の東京市の予算の3倍なんだとか。この決断を勧めたのは英国に出張中だった管事・荘田平五郎氏。丸の内ビジネス街をロンドンのようにするイメージがあったようです。

この時丸の内はまだ草ぼうぼうの地帯でした。そこに可能性を感じてビジネス街を作り発展させたのですね。東京駅が完成したのはずっと後の大正3年のことです。

1893(明治26)年に彌太郎の息子久彌が三菱合資会社の社長に就任。英国人建築家ジョサイア・コンドル(Josiah Conder 1852-1920)の設計として翌年1894(明治27)年に三菱一号館が建てられました。当時のイギリスでも流行していたクイーン・アン・スタイルの赤煉瓦の建物で丸の内のオフィスビルとして建てられたものでした。三菱合資会社ほか2社が入りました。以後2号館が現在の明治生命本社ビルの位置に、第三号館、第四号館と次々立ち並び、ロンドンのような街並みに「一丁倫敦(いっちょうロンドン」と呼ばれていました。

コンドルは、1877(明治9)年、24歳の時に日本政府の要請により来日し、鹿鳴館、旧岩崎邸、ニコライ堂などを手がけました。工部大学校建造家学科(現在の東京大学建築学科)で日本の辰野金吾、片山東熊、佐立七次郎など、近代を代表する建築家を育て、業績から「日本近代建築の父」と呼ばれています。辰野金吾は東京駅を設計した人。近い所に師弟の建築があるというわけです。

戦後の高度成長期になり、赤煉瓦の建築はどんどんと近代的なオフィスビルに生まれ変わっていきました。三菱一号館も1968(昭和43)年には老朽化のため解体されました。

その後2010年4月に三菱一号館美術館として生まれ変わりました。元の建物の設計図面や保管部材などを使用し、建設当時の姿にできるだけ近づける努力をして復元されました。例えば創建当時と同じ約230万個の赤煉瓦を積み上げ、その積み方も明治時代の図面通りにしたのです。明治のレンガの滑らかでしっとりとした質感を出すために、中国の長興(上海郊外)のレンガ工場で1つ1つ型枠に詰めて人力で圧力をかける当時に近い製造方法で作られるというこだわりです。

 

 

 

 

 

 

 美術館施設の充実

ミュージアムショップ「store 1894」

展覧会グッズや三菱一号館美術館のオリジナルグッズを中心に販売するミュージアムショップ。
企画展に合わせた特設ショップと常設ショップとで構成されています。展覧会場を出るとショップに入るようなルートになっているため、展覧会ごとに壁紙などを変えお店を作り直しているそうです。 ストアには鑑賞券がなくても自由に出入りできます。

営業時間:10:00~18:00
※祝日・振替休日除く金曜、第2水曜、展覧会会期中の最終週平日は21:00まで
休業日:毎週月曜(祝日・振替休日・展覧会会期中最終週の場合は開館)、年末、元旦、展示替え期間
※美術館の開館時間に準ずる。

カフェ「CAFE 1894」

元は銀行の営業室として使われていた場所が、クラッシックな雰囲気たっぷりのカフェになっています。

通りに面したカフェ入口は階段を数段上がります。大きなドアを開けると天井の高い開放的な空間が広がります。太くて美しい6本の柱とランプが目を引きます。その柱を辿って天井を見ると天井の装飾が美しい。入り口すぐのカウンターも当時の銀行の名残が感じられます。昔はこんな優雅な銀行だったのですね。

企画展中は企画展の内容を意識したタイアップメニューがあります。いただいたのはルドンの特別メニュー。

美術館サポーター制度

三菱一号館美術館をサポートしながら、お得にも楽しめる2018年2月から内容も新しくなったサポーター制度があります。

会員種別がMSSとMSS-miniと2種類あります。

MSSは年会費7500円(税込)
Mss-miniは年会費4000円(税込)

特典

  1. 本人及び同伴者1名入会期間中何度でも無料(MSS-miniは本人のみ)
  2. サポーター限定貸切鑑賞会(1展覧会につき1回)
  3. Cafe1894で注文の際、コーヒーまたは紅茶1杯サービス
  4. 提携施設優待サービス

詳しくは三菱一号館美術館サポーター制度のページを。

三菱一号館美術館
【住所】東京都千代田区丸の内2−6−2
【開館時間】10:00〜18:00※祝日・振替休日除く金曜、第2水曜、展覧会会期中の最終週平日は21:00まで
※入館は閉館時間の30分前まで
※臨時の時間変更の場合あり

【休館日毎週月曜(祝日・振替休日・展覧会会期中最終週の場合は開館)
年末、元旦、展示替え期間
※臨時の開館・休館の場合あり

【TEL】03-5777-8600(ハローダイヤル)
【公式ホームページ】http://mimt.jp/

【アクセス】
美術館までのルートは美術館ホームページに大変わかりやすく紹介されています。こちらを参考にされることをオススメします。

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