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【ラファエル前派の軌跡展】 三菱一号館美術館

2019-06-02 By Yoko

2 6月

 

三菱一号館美術館で開催中の「ラファエル前派の軌跡展」。

展覧会タイトルのとおりラファエル前派の作品が中心ですが、軸にあるのは今年生誕200年のジョン・ラスキンです。
ジョン・ラスキンはヴィクトリア時代の有名な美術評論家。
彼の著作を読み、その思想に大きな影響を受けたラファエル前派にとってラスキンは指導者的存在でした。

ラスキンの考える芸術の源から始まって、それがラファエル前派兄弟団をはじめとした芸術家たちにどんな影響を与えて、彼らが歩んでいったのか。
ラファエル前派の美しい作品を見ながらヴィクトリア時代の世界に浸れる展覧会でした。

 

展覧会の始まりはラスキンとターナーから始まりラファエル前派、ラファエル前派周縁へ。

ラスキンが生涯評価していたのは、J・M・Wターナー。
ターナーの鋭い自然観察から生まれた風景画に刺激を受けて、ラスキンも絵を描いています。
神の作った自然を画家は丁寧に観察して表現しなくてはならないと考えていました。

ターナ−の絵画、ラスキンの描いた自然の姿、教会、名画のスケッチなどが並びます。

ターナーとラファエル前派は作風、テーマやスタイルなど全く違いますよね。
でも問題なのはそこじゃなかった。

ラスキンにとって理想的な芸術とは、真実をできるだけ多く的確に表現すること。
そして見る人の想像力をかきたてるものであることだった。

ターナーの風景画は、水の重さ、空気感、空の色、太陽の光で移り変わる大気の色など誇張することなく描かれています。
それは当時の美術界の権力を握っていたロイヤル・アカデミーの教育とは大きくかけ離れているもので、ターナーは批判を受けます。

 

ラファエル前派も自然だけでなく人物も深く観察し緻密に描き、人間の美しさを表現した。
そして聖書の世界だけではなく、テーマを文学や神話からもとり人々の想像力を高めようとした。

 

しかし、当時の美術界の絶大な権力を握っていたのはロイヤル・アカデミー(王立美術院)であって、その教育方法はルネサンスやバロック美術の様式を厳格に守り、理想的な絵画を作ること。
ターナーも、ロセッティ、ミレイ、ハントなどラファエル前派もロイヤル・アカデミーの生徒だったけど、それに従うことができなかった。
自分たちの理想とする表現はもっと別のところにあり、アカデミーの教えを守っていたら個性が潰されるのがわかっているから。

でもやはりその権力に歯向かうと批判の嵐が襲いかかる。
そこを擁護したのがジョン・ラスキンでした。

 

ラスキン自身も著書「近代画家論」でルネサンス以降の絵画があまりにも型にはまり、自然を偽ることになっていると述べています。
またイギリスの美術の行く先を心配していたのでしょう。

ラファエル前派が激しい批判を受けているときに
”経験を積むことで英国が過去300年なしえなかった高貴な流派の基礎が築かれてほしい”と若いラファエル前派のメンバーたちの後押しもします。

バーン=ジョーンズ
ウィリアム・モリス
へと展覧会は続いていきます。

 

バーン=ジョーンズ、モリスの2人もラスキンの本を読み、ラファエル前派の作品をみて、オックスフォード大学で聖職者をめざす学生から芸術家を目指すという転向をします。

バーンジョーンズはラスキンにとても可愛がられていたので、イタリアに行き芸術を学ぶことを強く進められます。
それが結果バーンジョーンズの作品に広がりを与え、国際的にも評価を受ける芸術家へとなります。

 

モリスの情熱はインテリアや書籍といった装飾芸術へと向き、職人の丁寧な手工業に携わることになる。
展示されているモリスの会社が作った、美しい壁紙、家具、活字やインキや紙の一つ一つにもこだわって作った書籍までも。

バーンジョーンズはその後の象徴主義や唯美主義とも大きく関わることになり、モリスの活動はアーツ・アンド・クラフツへとつながっていく。

ジョン・ラスキンが果たした役割はとても大きいのだ。

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Filed Under: 2019年, 展覧会レポート, 美術館

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Yoko Tsuge アート鑑賞で知る自分の価値観
  こちらの絵は、
「Wivenhoe Park, 

こちらの絵は、
「Wivenhoe Park, Essex」
ジョン・コンスタブル


ウィベンホーパークというイギリス東部にある広大な公園と、そこに立つ18世紀の邸宅を描いてます。
こちらの邸宅は4つ星ホテルとして今も残っています。
美しい風景ですよねー。



コンスタブルは人気の高いイギリス人風景画家。
イギリスから一度も出ることなく地元を中心に情感あふれる風景をたくさん描いてます。


今のコロナ禍では、生の情報に触れるという大切なことを制限されています。



旅に出ること、
美術館にいくこと
人に会うこと  などなど



その場でしか感じられないことを、人や何かのフィルターを通してではなく、五感で感じ自分の頭で考えて、経験や知識に落とし込んでいくこと。
こんな幸せなことってないと思うのです!!



旅に出たいー!
イギリスに行きたい!
私はこういった風景画を見て落ち着かせています笑



こんな気持をちょっと別の形で叶えてくれるだろうと、去年から楽しみにしていた展覧会が来月から開催されます。


『テート美術館所蔵 コンスタブル展』
三菱一号館美術館 
2/21-5/30



テート美術館はロンドンにある美術館。
コンスタブルはイギリスの風景画家として、ターナーと共にとても人気が高い画家です。
一つ年上のターナーとライバル同士としても語られることも多いのですが、実際はどうなんだろう。



絵の雰囲気も、生き方も、画家としての歩み方も違います。



今「コンスタブルの手紙」という本を読んでいます。
この本は、交友関係のあった画家、C・R・レズリーが、1843年にコンスタブルの手紙をまとめたものを、さらに編集などされて1989年に出た訳書です。



その中で、ターナーと話したとか、ターナーが自宅に来たなどの記載もあり、交友はあったようです。



1832年に、ロンドンのロイヤル・アカデミー展で、コンスタブルとターナーの絵が並んで展示されるということがありました。
その時のライバル同士の対決みたいなある事件。
今回の三菱一号館美術館での展覧会は、その2枚の作品を並べて当時の様子を再現しようとしているようです。
面白いですね。



1月の鑑賞会をこのコンスタブルとターナーの絵画で開催します。

《2枚の名画で対話型鑑賞--対話鑑賞で心を見つめる贅沢な自分時間》


イギリスの風景を描いたコンスタブルと、祖国イギリスを救ったできごとを描いたターナーの2枚の絵を、対話型鑑賞でじっくりと鑑賞してください。


感じたことを話して心を開放してみてください。


展覧会の予習にもなるでしょうか。




🔳 対話型鑑賞会については、14日にLINEからご案内をします。
ぜひご登録してお待ちくださいね。

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現状を変えたければ、自分を変える。
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【名画のバランス】

今日はかなり久しぶりに絵画の見方をブログに投稿しました!!


昨日この絵を見てて、気になって色々と線を引いていたら素晴らしいほど構図がしっかりしていることに改めて気づいたからです。


やはり名画は素晴らしい。



今さらですが、12月にやっと見れたロンドン・ナショナルギャラリー 展。
2019年からまだかまだかと楽しみにしていた絵画たちにやっと対面できました。
その時この絵に張り付くように見ていたら、監視員の方に注意されました。


近くで見てると暗くて見えなかった背景が、後ろに下がったとたんふっと浮かび上がるように見えた!!
これは感動でしたね。


絵を見る時
近くでじっくり細部を見る。
引いて全体を見る。
ぜひ立ち位置を変えて見てみてください。


今回ご紹介するような構造線や形の反復などさっとみるだけではなくあちこちに目を動かして見てみると、見えなかったものが見えたり、発見があったり絵を見る喜びが広がります。



ブログにはこの内容もう少し詳しく書いています。

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あなたにとっての美とはどんなものですか?


美しさを求めてアートを見ることを喜びにされている人多いと思います。
美の基準はその人それぞれですよね。


では、自分にとっての美について深く考えたことはありますか?
美って表面的な美しさのことだけではなく、私たちがそれぞれに持っている自分の美意識。


自分はどんな生き方をしたいのか?
好きなものは?
大切にしていることは?
自分を心地よくしてくれるものはどんなことなのか?
どんなことに我慢ができないのか?



周りの人や社会の常識に合わせて、自分に嘘をついているといつまでたっても苦しくて、何かをもとめて自分探しをしてしまうんです。



私もかつてはそうでした。
アートと共に変わってきました。



このグスタフ・クリムトの「接吻 」が好きなのは愛の素晴らしさが感じられるから。
描かれてのは男女ですが、もっと広い意味の愛。


ここでは男女の顔と手、女性の足しか描いてない。それなのに愛し合う2人をこんなにも感じさせてくれるクリムトの力量にもため息がでます。


金の輝きは、イタリアで見た中世の宗教画やモザイク画を思い出させてくれます。
ルネサンスのような成熟した技術はまだない時代だけど、神の世界を表現しようとしてたその神聖な心に感動したことを。


そして、浮世絵、甲冑、兜や漆器など日本の美術品のコレクションしていたクリムトが、ここでもそこから影響受けていることも感じられ、日本人として嬉しくもなります。


私は、こんな色んな個性がミックスされて1つのものに昇華したような作品にとても強く惹かれます。




アート鑑賞で、自分を知ること、自分らしく生きていくことを伝えていきたい。それが私の思いです。




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絵画の対話型鑑賞で得られること。
この7つの効果をお伝えしたい!!



・自分のものごとのとらえ方に気がつける

・人それぞれのとらえ方があるのだという多様性を認められる

・目に見えるもの以上のものを想像する力がつく

・意識して見ようとする観察力が身につく

・正解・間違いにとらわれずに自由に自分の考えを発言できるようになる

・”アートの知識がないと鑑賞できないから自分なりに読みとっていけることがわかる

・アートを通して身についた教養が世界を広げる




たかが絵画鑑賞でしょ?って思われるかもしれないけど、とても不思議なんですが奥が深いんです。


西洋美術史を学生として学んでいく中で感じていたこと、そしてアートエデュケーターの経験をつんでいく中で得たこと。
お客様の感想も伺いながら、色々な可能性が生まれることを実感。



ブログにまとめていますので
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#バンクシー展天才か反逆者か 
に先月のことですが行ってきました。


実は見る前はバンクシーのことを深くは知りませんでした。
社会のタブーにもグサッと鋭いメッセージ込めた作品で私たちに問題意識をもたせる。
サザビーズでのシュレッダー事件。


わかりやすくと同時に考えさせられて
衝撃を与えられて
温かいメッセージもあって
世の中の人を巻き込むメッセージを作品にする才能に関心はしてた。


そんなくらいしか知らなかったけど、作品見ながら色々と考えました。



これはまた美術史を大きく変えるよねということに。
もう変わってきてるよねと。


アートが昔は教会やお城、邸宅などにある一部の限られたものだった時代から美術館ができて一般の私たちが見ることができるようになった。

その著作権は美術館や作品所有者のものでもある。


でもバンクシーの作品は壁など街中にある。
美術館とか著作権というこれまでの常識が揺らされてる。

オークションシステムもそう。



西洋美術の流れは、前の時代を否定するように革命をおこしたアーティストが大きくうねりをおこしてここまでやってきたのだけど。
これから何かもっと変わっていくのかもしれないと。
コロナで作品を美術館や会場に展示しにくくなっりして、デジタルの中の作品も増えていくのかも。



バンクシーの作品、発言には過去のアーティストからの引用もあるので、美術史知ってることでさらに色々違う視点から見ることができるはず。



そんなことを考えながら見てました。



バンクシー展天才か反逆者か
〜1/24 
大阪南港


2/3〜5/31
旧名古屋ボストン美術館


7/2〜10/31
福岡市大名にNEWオープンの次世代型ライブエンターテイメント施設UNITEDLAB



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明けましておめでとうございます。
2021年もどうぞよろしくお願いしたします。


今年もアートを通して
自分らしく
個性を表現して
豊かに生きていく
こと追求していきます✨


よろしくお願いします😊




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