アート日記

ほんの少しのユーモアのセンスと想像力で絵画鑑賞を楽しむ方法

2023-05-14

友人とある絵を見ながらLINEでやりとりをしていました。

「こんなバランス悪い裸体なのに、なんて官能的!ミステリアスな瞳がたまりません。この人が思う美人の条件って何だったんだろう?」
「馬もなんだか色っぽく見えて・・・足をくっつけるところが女性の股のようで。」

「崖っぷちの城。こんなへき地で舞踏会やっているのかな?」
「真ん中のおじさんの帽子って鳥??」
「空気感は少し湿気ぽくって緑の濃い匂いがしてそう。」

「甲冑見て思ったけど、太ったら注文し直しだよねー大変・・・」
「よく見たら可笑しいよねー。どうやって着るの??って思うし、足元も変」
「足の甲がプードルの足みたい」

「でも名画だなぁー引き込まれる!!」

この会話からどんな絵を想像されましたか?


↓ 私たちが話していたのはこちらの絵。ルカス・クラーナハ(父)の「パリスの審判」です。

The Judgement of Paris by Lucas Cranach the Elder, Public Domain via Metropolitan Museum of Art

絵をもっと大きくしてみたい方は、メトロポリタン美術館のサイトで見るのがおすすめ!

このように友人との会話を通じて、絵に隠された様々な要素や想像を楽しむことができます。

ほんの少しのユーモアのセンスと想像力で絵画鑑賞を楽しむ方法

この記事のタイトルは、喜劇俳優のチャーリ・チャップリンの言葉を借りています。

人生で成功するために必要なのは、ほんの少しのユーモアセンスと想像力である

絵を見る時も想像力をどんどんと膨らませながら、時に突っ込みをいれたりして、もっと自由にリラックスして楽しみたいものです。
友人と私のように会話しながら見ていると、自分が気づけること以外の部分にも目を向けるためよく見ることができます。
そして、感じたこと・気づいたことを伝えたい!!!と必死で言葉を探すので、言語化強化にもつながる。

絵の正しい見方は何なのか?とか、この絵は誰が何を書いたのか?などから少し離れて、自由に語り合う見方は、絵を見るのって楽しいと心から思えますよ。

例えば上記の友人と私のように、クラーナハの絵の、官能的な裸体やミステリアスな瞳、崖っぷちの城など、さまざまな要素が詰まっていることに気がつけます。

ぜひ試してみてください。

ルカス・クラーナハの絵についてこちらにも詳しく書いています。
▼「ルカス・クラーナハの描くパリスの審判」
https://cosinessandadventure.com/the-judgment-of-paris-by-lucas-cranach/

画家ルカス・クラーナハってどんな人?

Lucas Cranach the YoungerPortrait of the artist's father, Lucas Cranach the Elder, public domain via Wikimedia Commons

ルカス・クラーナハ(父)は、宮廷画家として活躍しただけでなく、ビジネスマンとしても成功したそうです。
同名の息子と区別するために、父と表記されることもあります。(英語ではthe Elder)

自分の工房にはじまり、薬局を経営し砂糖などの地域独占権を持っていたり、文学専門の出版社も持っていたらしい。
さらにさらに市長もやっていたとか!!

ちなみにこの肖像画は、同名の息子が描いた父の肖像画。
なかなかのイケメンではないですか。
髭の描き方だけでクラーナハじゃないかな?と思えるくらい親子ともども特徴的。

1553年に81才で亡くなるという、当時だったらかなり長寿な方だったでしょう。

私には、キャラクターのような登場人物たちと独特な世界観の絵、ビジネス成功者であり宮廷画家、長生きの渋いおじさまというイメージが1人の人として結びつかなくて、とっても興味深い人物です。


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