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【展覧会レポート】ウィーンの歴史をたどる「ウィーン・モダン クリムト、シーレ世紀末への道」

2019-09-21

東京での展覧会が終わり、大阪の国立国際美術館で開催が始まった、「ウィーン・モダン  クリムト、シーレ  世紀末への道 」へ行ってきました。
まず、ウィーンの歴史を堪能できる展覧会に満足したーというのが感想です。
作品数がとても多くて一つ一つじっくり楽しみながら見ていたら、あと30分で閉館というアナウンスに焦る…
これでも東京展から相当数が減っている展示数。ウィーンミュージアムの改築期間だからこそのまとまった作品の貸し出しは、貴重な機会ですねー。
今年見てきた、「世紀末ウィーングラフィック」や「クリムト展」の総括を見ているような気がしました。

マリア・テレジアからスタートするウィーンの世紀末への道

会場入ったらすぐマリア・テレジアとその息子ヨーゼフ2世の巨大な肖像画が迎えてくれました。
マリア・テレジアの肖像画の額には王冠がついていて、その下には幼いヨーゼフ2世も描かれていました。

秋から始まるハプスブルク展よりも先に、彼女の肖像画を見ることができたんですね。

1900年のウィーンで、素晴らしい芸術が花開いたきっかけが、マリア・テレジアやヨーゼフ2世の時代から始まっているというスタートです。
マリア・テレジアは、女帝と表現されることがありますが、正確には女帝ではありません。
神聖ローマ皇帝カール6世の長女として生まれた彼女ですが、女子には皇帝になることは禁じられていて、19歳のときに結婚したフランツ・シュテファンがフランツ1世として皇帝の座についていたからです。
それでも彼女はやはりすごい女性で、政治・軍隊・外交までも支配しながら、16人の子供を育て上げます。
マリア・テレジアとヨーゼフ2世は、古い慣習を捨てて行政、法律、経済や教育など、さまざまな改革によって社会も文化も大きく変えて行きました。
その後に続く、ビーダーマイヤー時代、リンク通りの発展、そして世紀末のウィーンへ。
ウィーンの歴史を時代を追いながら、絵画、工芸、写真などいろいろな展示品で紹介してくれます。
そして、クリムト、シーレ、ヴァーグナー、ウィーン分離派などの作品へつながっていきます。

時間に余裕を持って行くこと。夜間展示もおススメです。

展示作品数が多く、ゆっくり見ていると後半時間がなくなってしまう可能性があります。
そのため時間に余裕を持って行かれることをおすすめします。
私も前半かなりのんびりと見ていたので、後半に慌ててみることに…
もう一度行こうと思っています。
もう一つのおススメは夜間展示。
土曜日の夜間開館の終了間近だったため、クリムトの作品にも、独り占め状態でじっくりと見られたのは良かったです。
金曜日と土曜日は、9月までは21時まで、10月〜12月は20時まで開館しています。
あと夜間の美術館訪問のおすすめをもう一つ。
美術館や近隣の洋風建築のライトアップが素敵だからです。
こんな感じ↓
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「ウィーン・モダン   クリムト、シーレ 世紀末への道」
2019年8月27日〜12月8日
大阪、国立国際美術館

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