Yoko

英国大学で西洋美術史専攻 日本の大学で文化支援専攻 海外.国内旅で多くのアートに触れる 2019年から対話鑑賞会・講座主宰しています。 美術史の知識だけでなく、対話型鑑賞で自分はどう感じるのか?を大切にするアート鑑賞を提案しています。

早く本物に会いに行きたい「ジネヴラ・デ・ベンチの肖像 」レオナルド・ダ・ヴィンチ

以前鑑賞会で、参加してくださったお客様が、いつかミケランジェロのピエタを見に行きたいと教えてくださいました。 私が見に行きたい作品は何だろう? 1つに絞るのはとても悩むところだけど、やっぱりこの絵だろうなと思います。 「ジネヴラ・デ・ベンチの肖像 」レオナルド・ダ・ヴィンチ1474/1478年ごろワシントン・ナショナルギャラリー イギリスの大学で美術史を勉強していた時、教授からこの絵の女性に似ていると言われました。実は聞いた時はっきり言ってあんまり嬉しくなかったんです。 いくらダ・ヴィンチの絵とはいえこの ...

メディアに掲載されました

  今日はちょっと嬉しいご報告が。 光文社のbisという雑誌のオフィシャルサイトのライターさんに 2月に取材を受けていて、その記事がサイトに掲載されました。   実ははじめは20代の女性向けのメディアなので (キラキラ&ガーリーな世界なので・・・) 私などで大丈夫か??と思ってました。   西洋美術はガーリーな世界観が好きなbisの読者も興味を持ってくれるのでは? 美術館の楽しみ方を知ることができれば、気軽に美術館に行きやすくなるのでは?   と考えられてご連絡をく ...

西洋美術への敬意があふれる「コルオートン・ホールのレノルズ記念碑」ジョン・コンスタブル

「コルオートン・ホールのレノルズ記念碑」ジョン・コンスタブル1833ー36年ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵 描かれているのはジョシュア・レノルズの記念碑と2人のルネサンスの巨匠の胸像 「コルオートン・ホールのレノルズ記念碑」というタイトルのついたこの絵は、イギリス貴族のジョージ・ハウランド・ボーモント卿の邸宅コルオートン・ホールの庭園にある記念碑を描いたものです。 1823年にコンスタブルはボーモントの邸宅コルオートン・ホールに招かれ、レノルズの記念碑などをスケッチしました。ボーモントは、アマチュア ...

「ヴァージナルの前に座る女」ヨハネス・フェルメール【365日絵のなかで旅をする】

「ヴァージナルの前に座る女」 ヨハネス・フェルメール 1671ー1674年ごろ ロンドン・ナショナルギャラリー所蔵 フェルメールの作品はとにかく美しい。 色のハーモニー 溢れる光 描き分けた質感 構図など リアルな世界のようでいて、ちょっと現実的ではないのですよね。 それは美しすぎるからなのかな。 そして引き付けられるのは、美しいだけじゃなく絵に秘められた意味があることも。 この作品には愛というテーマが潜んでいるそうです。 フェルメールの作品を見ていて気づくのが壁にかかっている絵画のこと。 結構存在感たっ ...

ジョセフ・ライト・オブ・ダービーが描く猫ー2月22日は猫の日です

2月22日は日本の猫の日なんですね。「にゃんにゃんにゃん」の語呂合わせなんだ!と気づきました。 でも猫の日は国や地域で色々とあるそうで、ヨーロッパでは2月17日、ロシアでは3月1日、台湾では4月4日、世界ネコの日は8月8日、全米ネコの日が10月29日なんだとか。それぞれどんな意味があるのだろう・・・気になります。 さて、猫が登場する絵画です。好きな作品はたくさんあります。でも、今日は可愛い♡という猫ではなく、イギリスの画家、ジョセフ・ライト・オブ・ダービーのこちらの絵。 「ロウソクの灯りのもと子猫の着せ替 ...

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「麒麟がくる」の戦国時代のカラフルな色とデザインが気になってます!

ここ2−3年テレビをあまり見ていなくて、好きな時代劇とも遠ざかっていたのですが、今年のNHKの大河ドラマは気になって見ています。 それは、今年の『麒麟がくる』の衣装デザイナーの黒澤和子さんが、戦国時代は日本の歴史の中でも派手な色が使われていたらしくそのため衣装をとてもカラフルに華やかに作ったとおっしゃっていたのを聞いたからです。ちなみに、黒澤和子さんのお父様は黒澤明監督です。 確かに戦国時代って派手だし、デザインも今見てもお洒落だなーという物があるのです。戦場で着る陣羽織・着物・兜・日本刀など。 特に、初 ...

「雪中の狩人」ピーテル・ブリューゲル一世の解説

雪中の狩人ピーテル・ブリューゲル1世1565年ウィーン美術史美術館所蔵 雄大な自然や農民の生活を、人間社会への風刺を織り交ぜて描いたピーテル・ブリューゲル一世。 丘よりさらに上の視点から、雪に覆われた農村を見下ろすように描いているこの作品。現在のベルギー、オランダのブラバントの農村で暮らす人々の日々の暮らしが、丁寧に描きこまれています。 ブリューゲルの作品はどれも細部まで見るのが本当に楽しいです。 この絵は、ブリューゲルの友人でアントワープの金融業者であった裕福なニクラース・ヨンゲリンクの依頼で描かれた一 ...

アート好きは情熱的!アートお茶会を開催しました。

昨日は京都にある長楽館のカフェでアートお茶会を開催しました。 鑑賞会などでも、アートが好きだけど周りに話ができる人がいない・・・ということをお聞きしていて、それなら思いっきり語れる場を作ろうと企画したのです。 せっかくなので、場所も明治42年(1909年)に建てられた、現在は京都市指定有形文化財の洋館、長楽館のカフェを選び、環境でもアートに囲まれてしまおうと思いました! 今回参加してくださったのは3人の方には、お好きなアート作品のポストカードや写真などをお持ちいただくことをお願いしていました。 それは、好 ...

意識しないと出てこない。自分の価値観について考えたことありますか?

あなたの価値観とは何ですか?そう問いかけた時、すぐに答えることができるでしょうか? 価値観とは”自分が本当に大切にしていることやもの”。それは目に見える物でもあるし、目に見えない考え方、感情や出来事などでもあります。 生きがい、幸せ、家族の愛情、仲間との信頼関係、命、時間、健康、想い、美意識、思いやりの心 など・・・人によって色々あると思います。 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの【星の王子さま】の中に出てくる有名なセリフ「いちばん大切なことは目に見えない」そこで語られる大切なものが価値観と考えると私 ...

【展覧会レポート】ストラスブール美術館展を見に、姫路市立美術館に行ってきました。

お正月休みの1月3日、姫路市立美術館のストラスブール美術館展に行ってきました。 姫路市立美術館は、あの美しい姫路城のお側に建つ美術館です。 ストラスブールは、フランス北東部アルザス地方にある、パリから3時間ほどに場所にある街。 ドイツ国境に近い場所にある、ストラスブール近現代美術館は20世紀〜21世紀のモダンアートが中心のコレクション約18000点所蔵。 その美術館から、印象主義からモダンアートまでの作品約110点が集められた展覧会です。 コロー、クールベ、モネ、シスレー、ピカソ、ブラックからカンディンス ...

西洋絵画で聖書の物語を読む「聖エミディウスを伴う受胎告知」カルロ・クリヴェッリ

「聖エミディウスを伴う受胎告知」The Annunciation with Saint Emidiusカルロ・クリヴェッリCarlo Crivelli1486年ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵 一度見たら忘れられないような、個性の強い作品です。 鮮やかな色リアルな描き込み縦長の中に描かれた深い奥行き感キャラクターのような人物の衣装や表情 絵の中で何が起こっているのかな?と興味をそそられませんか?この絵には何が描かれているのか。そして画家はどのように描いているのか見ていきましょう。 描かれているのは、「 ...

「グランメゾン東京」見て感じたこれからの私の働き方

普段はあまりテレビは見ないのですが、10月から始まった木村拓哉さん主演の「グランメゾン東京」は久しぶりに毎週楽しみにして見ていたドラマでした。 面白かった!! 回を追うごとに引き込まれていき、昨日の最終回では涙まで流して見てました(笑) もちろんドラマだから、そんなに上手く行かないよねーとか、そんな展開になる?て思うこともたくさんありましたが、 伝えたいメッセージが心にびしっと届いたなと感じて、それが感動につながったのだと思います。 おそらくたくさんの方がそんな風に感じているのではないかなぁと。 フランス ...

ウェヌス・ウェルテイコルディア(魔性のヴィーナス)ダンテ・ガブリエル・ロセッティ

「ウェヌス・ウェルテイコルディア(魔性のヴィーナス)」ダンテ・ガブリエル・ロセッティ1863年−68年ラッセル=コーツ美術館(イギリス、ボーンマス)  描かれているのは神話の女神 ウェヌスとは美の女神ローマ神話の女神で、ギリシア神話のアフロディテと同一であり、英語読みではヴィーナス。頭上には蝶が乗っている光輪が描かれていて、華やかで神々しい女神像です。彼女の周りにはスイカズラとバラの花が咲き乱れています。右手で矢を持ち、左手ではヴィーナスのシンボルの金のリンゴを持っている。背景では青い鳥が桑の実をつついて ...

祖母の死が教えてくれた、自分にとっての幸せの大切さ。

先月末大好きだった祖母が亡くなりました。 とても悲しいけれど、94歳まで自分らしく生き抜いた姿に本当にお疲れさまでした!と見送りました。 祖母と、3年前のちょうど同じころに旅立った祖父には、本当にたくさんの愛情を注いでもらいました。 近くに住んでいたわけではないのですが、夏休みなどに帰省したり、祖父母がわたしたちのところに遊びに来てくれたり、一緒に旅行したり、幸せな思い出がいっぱいあります。 とうとう2人ともいなくなってしまったのだ・・・と両親と別れた母の顔を見ながら寂しい気持ちになりました。 祖母はこち ...

シュテファンロッホナーの描く聖カタリナ【西洋美術のための聖人編】

「3聖人 聖マタイ、聖カタリアと聖ヨハネ(福音書記者)」シュテファン・ロッホナー1450年頃 宗教画に必ず登場してくる数々の聖人たち。彼らがどんな人たちで、この人だとわかる持ち物を知っていると絵をより楽しめるようになります。今回は聖カタリナをご紹介します! 美しく芯の強いエジプトの王女・聖カタリナ 絵を見てください。真ん中の女性が聖カタリナです。 カタリナは、エジプトの王女として生まれ、美しく賢明で、自分の言葉でしっかりと自己主張できる人として知られていました。そのため学問、学者や学校の守護聖人でもありま ...