アートと自分をつなぐモノとコト

西洋絵画で聖書の物語を読む 「エジプト逃避途上の休息」カラヴァッジョ

「エジプト逃避途上の休息」
Rest on the flight into Egypt

カラヴァッジォ
(本名はミケランジェロ・メリージ)
Caravaggio (Michelangelo Merisi da Caravaggio)

1595年ごろ
ローマ、ドーリア・パンフィーリ美術館所蔵

 

【エジプト逃避途上の休息】

キリストの生涯の物語の中で、「東方三博士の礼拝」のあとにくるのが「神殿奉献」となっています。

しかし、聖マタイの福音書では、エジプト逃避のきっかけとなる出来事がおこります。

 

東方三博士が生まれた幼子を、新しく生まれたユダヤ人の王と呼んで拝むためにやってきたことで、イエスが生まれたことを知ったヘロデ王は、探し出して殺そうとしていました。

ベツレヘムとその付近の地方に住む2歳以下の男の子をことごとく探し殺していくのです。

主の使いが、聖母マリアの夫であるヨセフの夢に現れてこんなことを伝えました。

・ヘロデ王がイエスを殺そうとしていること
・イエスとマリアを連れて、私が知らせるまでエジプトに逃げているように

 

その夜に3人はエジプトに旅立ちます。

ヨセフ、マリアと幼子イエスがロバと共に「エジプト逃避 」として逃げているシーンが描かれることもあります。

この「エジプト逃避途上の休息」はその中でも、旅の途中に聖家族が道ばたで休んでいるところが描かれたものです。

 

カラヴァッジョ描く穏やかな聖家族の休息

カラヴァッジォの初期の宗教画であるこの作品。

ヘロデ王から逃れてエジプトに逃げる途中、長旅に疲れてぐったりとしている聖母マリアとイエスキリスト。

その横でヨセフが譜面を持っています。

聖家族のためにバイオリンを奏でる天使。

ヨセフの後ろには家族を見つめるロバの優しそうな目が光ってます。

背景には美しい風景が描かれていて、つかの間の穏やかな時間をカラヴァッジォは作り出しています。
美しい音色が聞こえてくるようですね。

 

カラヴァッジョの少し毒々しい作品と違い、穏やかで一時の平和な雰囲気が伝わるこの作品の、特に聖母子の愛らしい姿がとても好きです。

イエスのキュッと揃えられた足と、ヨセフのちょっと重ねられた足元が、なんとも言えず微笑ましく感じられませんか?

 

 

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