こんにちは。
年末に家の中の片付けをしている時に、今まで美術館などでちょこちょこ買って溜まってきていたポストカードを整理していました。
美術館で見て感動して買ったカード
ミュージアムショップで一目惚れして買ったカード
大学で美術史を勉強している時に勉強用に買ったカード
などなどが溜まってました。
本棚に置きっ放しになっていたのですが、それはあまりにももったいない。
そこで、手元に残したいもの、ハガキとして使用するものとに分けました。
使用するカードは今後友達に手紙を書いたり、バーステーカードとして使おうかな。
手元に残したいものは、いいな!と惹かれて買ったもの。
せっかくなので、そんな作品たちと改めてじっくり向き合ってみようと思いました。
そんな私のポストカードコレクション1回目はアルフレッド・ステヴァンスの「ピンクのドレスの女性」
いつ、どこで買ったのか今となっては不明です。
この女性のファッション、そして背景に描かれているインテリアに 「素敵!」となって買ったことは容易に想像できます 笑
ピンクの服の女性 (The Lady in Pink)
アルフレッド・ステヴァンス (Alfred Stevens 1823-1906)
1866年作
ベルギー王立美術館蔵 (Musees royaux des Beaux-Arts de Belgique)
油彩 87x57cm
ステヴァンスは、エレガントなインテリアの中に当時の最新のファッションに身を包んだ、富裕層の女性の肖像画をたくさん描いています。
その服の表現が繊細で圧倒されます。このピンクのドレスは色は落ち着いていますが、とても華やかですよね。
豪華レースから下の生地が透けているところや、ドレープや折り返しの部分なども丁寧に描かれています。全体的に室内は暗いのだけど、材質によっての光の反射を描き分けられていて美しい。
重たそうなドレスに動きがあり、女性が歩いてきて、チェストの上の人形を手にとっているのかな?と彼女の動きなんかも想像できますね。
女性が手にしている人形は日本の人形でしょうか。
そして後ろにある漆パネルのチェストやチェストの上には東洋の陶磁器が。
1862年にロンドンで、1867年にパリで開かれた万国博覧会では日本の浮世絵、琳派の絵画、漆器、陶磁器などが出品されて、ヨーロッパにジャポニズムが広がったのです。
ジャポニズムとは、フランスを中心としてヨーロッパで日本の美術や工芸品がとても人気があった現象のこと。
日本からの展示品の技術力の高さや、今まで見たことがないようなデザインの素晴らしさが高く評価されたのです。
日本趣味がジャポニズムなら中国趣味はシノワズリ。ステヴァンスのこの作品にはジャポニズムとシノワズリが入り混じってます。
この絵の作者アルフレッド・ステヴァンスはベルギーで生まれ、その後パリで修行し、パリで成功した画家です。
日本ではそこまで知名度はありませんが、フランスやベルギーでは人気のある画家です。
パリには住んでいた家があったことから通りに名前もつけられているそうです。
彼自身、自分の家にチャイニーズルームとして中国の品々で飾った部屋を作ったり、家具、屏風、着物、扇、などの品を集めていました。
この絵のチェストに置かれたブルーの龍が描かれた花びん。これもステヴァンスのコレクションだったそうです。
アルフレッド・ステヴァンスの「公爵夫人<青いドレス>」という作品が、北斎とジャポニズム展で出展されています。こちらも豪華な作品。
ベルベットの青いドレスをきた女性の背後にジャポニズムを感じられる屏風や絵画などが描かれています。
この絵も見てみたいなと思っています。