Yoko

英国大学で西洋美術史専攻
日本の大学で文化支援専攻
海外.国内旅で多くのアートに触れる
2019年から対話鑑賞会・講座主宰しています。

美術史の知識だけでなく、対話型鑑賞で自分はどう感じるのか?を大切にするアート鑑賞を提案しています。

意識しないと出てこない。自分の価値観について考えたことありますか?

あなたの価値観とは何ですか?そう問いかけた時、すぐに答えることができるでしょうか? 価値観とは”自分が本当に大切にしていることやもの”。それは目に見える物でもあるし、目に見えない考え方、感情や出来事などでもあります。 生きがい、幸せ、家族の愛情、仲間との信頼関係、命、時間、健康、想い、美意識、思いやりの心 など・・・人によって色々あると思います。 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの【星の王子さま】の中に出てくる有名なセリフ「いちばん大切なことは目に見えない」そこで語られる大切なものが価値観と考えると私 ...

【展覧会レポート】ストラスブール美術館展を見に、姫路市立美術館に行ってきました。

お正月休みの1月3日、姫路市立美術館のストラスブール美術館展に行ってきました。 姫路市立美術館は、あの美しい姫路城のお側に建つ美術館です。 ストラスブールは、フランス北東部アルザス地方にある、パリから3時間ほどに場所にある街。 ドイツ国境に近い場所にある、ストラスブール近現代美術館は20世紀〜21世紀のモダンアートが中心のコレクション約18000点所蔵。 その美術館から、印象主義からモダンアートまでの作品約110点が集められた展覧会です。 コロー、クールベ、モネ、シスレー、ピカソ、ブラックからカンディンス ...

西洋絵画で聖書の物語を読む「聖エミディウスを伴う受胎告知」カルロ・クリヴェッリ

「聖エミディウスを伴う受胎告知」The Annunciation with Saint Emidiusカルロ・クリヴェッリCarlo Crivelli1486年ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵 一度見たら忘れられないような、個性の強い作品です。 鮮やかな色リアルな描き込み縦長の中に描かれた深い奥行き感キャラクターのような人物の衣装や表情 絵の中で何が起こっているのかな?と興味をそそられませんか?この絵には何が描かれているのか。そして画家はどのように描いているのか見ていきましょう。 描かれているのは、「 ...

「グランメゾン東京」見て感じたこれからの私の働き方

普段はあまりテレビは見ないのですが、10月から始まった木村拓哉さん主演の「グランメゾン東京」は久しぶりに毎週楽しみにして見ていたドラマでした。 面白かった!! 回を追うごとに引き込まれていき、昨日の最終回では涙まで流して見てました(笑) もちろんドラマだから、そんなに上手く行かないよねーとか、そんな展開になる?て思うこともたくさんありましたが、 伝えたいメッセージが心にびしっと届いたなと感じて、それが感動につながったのだと思います。 おそらくたくさんの方がそんな風に感じているのではないかなぁと。 フランス ...

ウェヌス・ウェルテイコルディア(魔性のヴィーナス)ダンテ・ガブリエル・ロセッティ

「ウェヌス・ウェルテイコルディア(魔性のヴィーナス)」ダンテ・ガブリエル・ロセッティ1863年−68年ラッセル=コーツ美術館(イギリス、ボーンマス)  描かれているのは神話の女神 ウェヌスとは美の女神ローマ神話の女神で、ギリシア神話のアフロディテと同一であり、英語読みではヴィーナス。頭上には蝶が乗っている光輪が描かれていて、華やかで神々しい女神像です。彼女の周りにはスイカズラとバラの花が咲き乱れています。右手で矢を持ち、左手ではヴィーナスのシンボルの金のリンゴを持っている。背景では青い鳥が桑の実をつついて ...

祖母の死が教えてくれた、自分にとっての幸せの大切さ。

先月末大好きだった祖母が亡くなりました。 とても悲しいけれど、94歳まで自分らしく生き抜いた姿に本当にお疲れさまでした!と見送りました。 祖母と、3年前のちょうど同じころに旅立った祖父には、本当にたくさんの愛情を注いでもらいました。 近くに住んでいたわけではないのですが、夏休みなどに帰省したり、祖父母がわたしたちのところに遊びに来てくれたり、一緒に旅行したり、幸せな思い出がいっぱいあります。 とうとう2人ともいなくなってしまったのだ・・・と両親と別れた母の顔を見ながら寂しい気持ちになりました。 祖母はこち ...

シュテファンロッホナーの描く聖カタリナ【西洋美術のための聖人編】

「3聖人 聖マタイ、聖カタリアと聖ヨハネ(福音書記者)」シュテファン・ロッホナー1450年頃 宗教画に必ず登場してくる数々の聖人たち。彼らがどんな人たちで、この人だとわかる持ち物を知っていると絵をより楽しめるようになります。今回は聖カタリナをご紹介します! 美しく芯の強いエジプトの王女・聖カタリナ 絵を見てください。真ん中の女性が聖カタリナです。 カタリナは、エジプトの王女として生まれ、美しく賢明で、自分の言葉でしっかりと自己主張できる人として知られていました。そのため学問、学者や学校の守護聖人でもありま ...

「読書するマグダラのマリア」宗教と美術の交差点

「読書するマグダラのマリア」ロヒール・ファン・デル・ウェイデン(現在のベルギー生まれ、北方ルネサンスの画家)1435年ごろ マグダラのマリアはとても有名なので、見たこと、聞かれたことある方多いのではないでしょうか?マリアという名前ですが、イエス・キリストの母である聖母マリアとはまた別人です。ロヒール・ファン・デル・ウェイデンによる1435年頃の作品『読書するマグダラのマリア』は、北方ルネサンスの画家による繊細かつ深遠な作品であり、聖書の人物をどのように芸術的に表現するかについての興味深い一例です。 この絵 ...

【展覧会レポート】コートールド美術館展プレミアムナイトに行ってきました

東京都美術館の、コートールド美術館展のプレミアムナイトの鑑賞会に行ってきました。 最近はこんな風にちょっとだけ特別感のある限定のイベントも多くなってきたなと感じます。 少しでも混雑をさけて、自分のペースで見るということを優先に考えている私にはとてもうれしい。 通常の開館が終わった18時から20時半までの人数限定の鑑賞タイム。 音声ガイドや図録もセットになっていて、19時からは写真撮影もokでした。 サミュエル・コートールドのコレクションがもとになったコートールド美術館 コートールド美術館は、印象派・ポスト ...

【展覧会レポート】ウィーンの歴史をたどる「ウィーン・モダン クリムト、シーレ世紀末への道」

東京での展覧会が終わり、大阪の国立国際美術館で開催が始まった、「ウィーン・モダン  クリムト、シーレ  世紀末への道 」へ行ってきました。 まず、ウィーンの歴史を堪能できる展覧会に満足したーというのが感想です。 作品数がとても多くて一つ一つじっくり楽しみながら見ていたら、あと30分で閉館というアナウンスに焦る… これでも東京展から相当数が減っている展示数。ウィーンミュージアムの改築期間だからこそのまとまった作品の貸し出しは、貴重な機会ですねー。 今年見てきた、「世紀末ウィーングラフィック」や「クリムト展」 ...

「鑑定士と顔のない依頼人」アート好き必見の極上ミステリー映画

記事内に商品プロモーションを含む場合があります 「鑑定士と顔のない依頼人」は日本では2013年に公開された映画です。 主人公はオークション会社に勤める超一流の美術鑑定士。美術品にしか興味がなく、潔癖で人を寄せ付けない男性。そんな彼が仕事も潔癖さも忘れてしまうくらい翻弄させられる若くて美しい女性との出会い。 美術品が数多く登場するだけでなく、物語の展開も、音楽もとにかく芸術的で極上のミステリー映画なんです!!監督は、「ニューシネマパラダイス」、「海の上のピアニスト」、「マレーナ」などでも有名なジョゼッぺ・ト ...

【クリムト展 ウィーンと日本1900】豊田市美術館

  「クリムト展 ウィーンと日本1900」を愛知県の豊田市美術館で見てきました! グスタフ・クリムトは、19世紀末にウィーンで活躍した画家。 彼の作品と言えば、金を使用し華やかに装飾された画面、官能的な女性の姿の作品がすぐに連想されますが、この展覧会はそれだけではないクリムトの全貌を知るような内容になっています。 東京展がとても盛況だった!と聞いていたので、平日の朝を選んだものの混んでいました・・・ ものすごくストレスを感じるほどの混み具合ではなかったものの、最初の方は列がなかなか進まなかったで ...

【トルコ至宝展 チューリップの宮殿トプカプの美】京都国立近代美術館

京都国立近代美術館で開催中の「 トルコ至宝展  チューリップの宮殿 トプカプの美 」を見てきました。   展覧会の序盤の、宝石がたっぷりとあしらわれた品々にまず目を奪われました。 そしてチューリップモチーフ。 こんなにもチューリップが愛されて大切にされてきたということ知りませんでした。 もともとオスマン帝国内にあった花が、15世紀ころから盛んに栽培され、その後は工芸品などさまざまなものの模様として使われるようになっていく。 小さなものだけでなく建築にも使われているのです! このトルコのチューリッ ...

教養とは人生を楽しむために必要なもの!美術を通して教養を高めよう

    先日、美術史を知るとどのように美術が楽しめるようになるのか、そのメリットについての記事を書きました。 記事はこちらから▼ 美術史を知るメリットとは では、美術を楽しむその先にどんなことがあるのかについて今日は書きたいと思っています。 タイトルにもあるように、私は教養とは人生を楽しむために必要なものだなと思っています。 そして美術を通して教養を高めていけることを日々実感しています。   教養とは何なのでしょうか? では教養とは?教養を高めるとはどういうことなのでしょうか ...

西洋美術史を学ぶメリットとは?

西洋美術史とは、芸術家が過去から学び、新しいことに挑戦して1つ1つの作品を生み出し進歩していく壮大な美術の歴史物語です。 その美術史を学ぶと、美術を見る楽しみが増すのですが、具体的にはどんなことがわかるようになるのでしょうか? それは、西洋美術がなぜ生まれたのかという本質を理解することができるようになるということ。 具体的に一つ一つの作品の意味や描かれたものを知るのではなく、時代背景やその時代のアーティストの目指していることがわかるようになる。 だから美術館に行ったときに起こりがちなこんな悩みを解消する助 ...