Yoko

英国大学で西洋美術史専攻 日本の大学で文化支援専攻 海外.国内旅で多くのアートに触れる 2019年から対話鑑賞会・講座主宰しています。 美術史の知識だけでなく、対話型鑑賞で自分はどう感じるのか?を大切にするアート鑑賞を提案しています。

史上最大のフェルメール展は結局どんな展覧会だったのか?1

Photo: Rijksmuseum/Henk Wildschut 2023年2月10日〜6月4日にオランダ、アムステルダムで開催されていたフェルメールの大展覧会。 フェルメールの絵画28枚(全体の3/4)が一つの美術館に集まるという史上最大規模でした。 残念ながらこの展覧会を見にいくという希望は叶わなかったのですが、この展覧会を機会にフェルメールを再勉強しながらメールマガジンの発行を半年に渡って続けたのはすごく楽しく勉強になりました!! 次回このような展覧会が開催されることはいつのことだろうか・・・ そ ...

ほんの少しのユーモアのセンスと想像力で絵画鑑賞を楽しむ方法

友人とある絵を見ながらLINEでやりとりをしていました。 「こんなバランス悪い裸体なのに、なんて官能的!ミステリアスな瞳がたまりません。この人が思う美人の条件って何だったんだろう?」「馬もなんだか色っぽく見えて・・・足をくっつけるところが女性の股のようで。」 「崖っぷちの城。こんなへき地で舞踏会やっているのかな?」「真ん中のおじさんの帽子って鳥??」「空気感は少し湿気ぽくって緑の濃い匂いがしてそう。」 「甲冑見て思ったけど、太ったら注文し直しだよねー大変・・・」「よく見たら可笑しいよねー。どうやって着るの ...

対話でアート鑑賞すると今の自分の気持ちが溢れ出す理由

アート鑑賞で自分の価値観や物の見方を知るために、対話を使ったアート鑑賞を取り入れています。そして人にも積極的におすすめしています。なぜかというと対話を通して、その人の今の気持ちが言葉になって溢れ出すからです。 「対話型アート鑑賞」とは? 「対話型アート鑑賞」は、作品を、感想、気づきや疑問など2人や少人数のグループで話し合いながら見ていくものです。 鑑賞と聞くと、専門家の解説を聞きながら見るイメージを持たれるかもしれませんが、この鑑賞スタイルはコミニケーションをとりながら作品を深めていく参加型の方法なんです ...

エゴン・シーレの言葉「至高の感性は宗教と芸術である」をテーマで対話鑑賞してみた!

「至高の感性は宗教と芸術である」こう書いたのは、19世紀期末から20世紀に移っていくオーストリア、ウィーンで活躍した画家エゴン・シーレ。 ▼2023年には彼の個展が東京で開催されました。「ウィーンが生んだ若き天才 エゴン・シーレ展」 この記事は、私たちアート思考プロジェクトメンバーによる、エゴン・シーレの対話鑑賞の記録です。テーマは、シーレの言葉の意味を探ること。展覧会に出ていた作品7枚を、LINEを使ってメッセージを送り合うというやり方で対話鑑賞しています。 今回の言葉はちょっとむずかしそうかも・・・と ...

クロード・モネのように、ゆるぎない自分らしさを確立するには?

「プルヴィルの崖の散歩道」クロード・モネ1882年 1882年、モネがフランスのノルマンディー地方で描いた絵。青空と青い海が目の前に広がって、気持ちの良さそうな風が吹いているように感じます。遠くに見えるのはヨット?。帽子とパラソルで強い日差しから守りながらも、この気持ち良い空間を満喫している女性が2人います。 この絵を見て、どんな感情が湧いてきますか?どんなことを感じますか? 絵を鑑賞しながら、自分らしさや価値観に気づくための方法をご紹介します。 モネのように、ゆるぎない自分らしさを確立するには? Cla ...

岡本太郎の名言「本職?人間だ。」をテーマに対話鑑賞をしてみた!

「何が本職なのですか?」 その質問に「人間」と答えた芸術家がいます。 岡本太郎さんです。 岡本太郎の「本職?人間だ。」にはどんな意味が込められていると思いますか? この言葉にしびれた私たち”アート思考プロジェクト”は、彼がなぜ人間と言ったのか?をテーマに、岡本太郎作品を対話鑑賞してみました! 岡本太郎はなぜ「本職?人間だ。」と言ったのかをテーマに対話鑑賞 私は、アートと対話鑑賞で、どんなことができるのか? その掛け合わせの可能性を探る、”アート思考プロジェクト”をやっています。 3人のメンバーで、zoom ...

自宅にいながらメトロポリタン美術館を探検!49万点の作品から美術を学ぶ方法

アメリカにある美術館のホームページでは、49万点以上の美術作品の画像を検索できます。どこの美術館か知っていますか??・ ・ ・ タイトルにもなっているので答えは簡単ですね。それは、ニューヨークにある「メトロポリタン美術館」です!!私は、アメリカやヨーロッパの美術館のホームページを普段から活用して作品の検索をしたり、作品の情報を調べたりしています。所蔵作品の画像が紹介されているだけでなく、とにかく情報が豊富です。 (アジア圏や他の地域の美術館については、ほとんど見たことがないので詳しくはわからないのですが・ ...

フェルメールの魅力を深く知る!厳選おすすめ本5選

「フェルメールの絵画には、どんな秘密や物語が隠されているのだろう?」「フェルメールの絵に心惹かれるけれど、他の画家の絵と何が違うの?」 フェルメールの魅力をもっと知りたいと思っているあなたに、ぜひおすすめしたい本があります。私自身がじっくりと読み込んだ、フェルメールを深く理解するための5冊です。これらの本でフェルメールの絵と人物像だけでなく、多角的な視点から知ることができるはずです。そして、彼の作品に会いに、実際に巡礼の旅に出たくなるかもしれません! もっと知りたい フェルメール ー 生涯と作品 リンク ...

2023年もU-NEXTに登録して好きな映画を見る方法(お試し期間あり)

U-NEXT(ユーネクスト)は株式会社USENが2007年に始めた映画・ドラマ・アニメなど幅広いジャンルの作品を視聴できる動画配信のサブスクリプションサービスです。 月額は2,189円(税込)と他の配信サービスの中では料金は高いのですが、無料の映画なら何度でも見放題です。 しかもアート系映画の取り扱いも多くて、私は4年ほど愛用して視聴しています。こちらのブログで紹介している映画も多くはU-NEXTで見たものです。 この記事ではU -NEXTの登録方法について画像付きでわかりやすく説明していきます。今なら3 ...

ChatGPTでピカソと美術館のAI活用について話してみたら・・・

AIとのチャットができるという「Chat GPT」を知っていますか?アメリカの人工知能を研究する非営利団体OpenAI が2022年12月1日に発表したアプリケーションです。 ChatGPT 言葉を入力するだけで、AIがその回答を驚くようなスピードで返答してくれます。チャットという名前だけに、会話も続けることができます。 今日はこのChatGPTで、ピカソについてとAIを使った美術館の未来について会話してみました。これがなかなか面白くてここに書いておきたいなーと思いました。少し長い会話ですが読んでみてくだ ...

【メールレター】ブログの更新情報をお届けしています!

これまでメルマガ「Cosiness and Advetureアート通信」を配信してきましたが、2022年11月をもって終了することになりました。そして新しくメールレター「Art and More」をスタートすることになりました。 ブログの更新情報と合わせて、アート鑑賞を、自分の本音に気がつくきっかけにしたり、人生を豊かにしてくれる一生のパートナーにするワンポイントをこのメールレターでお送りしていきます。 メールレターの登録はこちらから ▼ あなたのメール受信箱に、このようなメールレターが配信されます。 メ ...

【ルノワールの絵で体験】自分の価値観を知るアート鑑賞

自分に向き合う時間をちゃんと取っていますか? 自分は何が好きなのか?何をしたいのか?したくないことはどんなことなのか? こういった自分の本音を押し殺して毎日を過ごしてないでしょうか。 自分の声なんていつも聞いてる!って思いがちですが、けっこう意識してないとできないんですよね。 他人の評価や視線を気にして、他人軸で考えたり行動していることって本当に多いのです。 それが当たり前になっているからそのことに気がつけない・・・ 自分をほったらかして、”生き方の指針”のようなものがないとこんなことで困ってしまいます。 ...

美術史好きがおすすめする、美術館ホームページを活用する5つの理由

私は海外の美術館のホームページを、いつも最大限に活用しています。こちらのブログを書くときや、そのほか資料を作ったり、作品についてくわしく知りたい!!というとき頻繁に見にいっています。それはアメリカやヨーロッパの主要な美術館は、所蔵作品や展覧会の情報をホームページ上で惜しげもなく公開しているからです。 ただ見ているだけでも十分に楽しいのですが、とくにおすすめしたいのは美術の勉強教材として使うという考え方。 その理由はこの5つ。 5つの理由 ・専門家の情報なので信頼できる・調べたい作品の情報がまとまっている・ ...

【アート映画】おすすめ美術館ドキュメンタリー3選【必見です!】

今日は、おすすめの美術館ドキュメンタリー映画を3つをご紹介します。 『プラド美術館 驚異のコレクション』『ナショナルギャラリー 英国の至宝』『グレートミュージアム ハプスブルク家からの招待状』 マドリッドのプラド美術館ロンドンのナショナルギャラリーウィーンのウィーン美術史美術館 美術の宝物が集まる3館にカメラが潜入して、普段は見ることができない美術館の舞台裏が楽しめる。そして美しい映像で迫る作品の細部に驚きの連続。 どの映画も間違いなく面白いと自信を持っておすすめできるものばかりです。見たあとはすぐにでも ...

ファン・エイク「アルノルフィーニの肖像」で知っておきたい7つのこと

何時間でも見ていられる・・・魔法のように現実の世界が一枚の板の上に作りだされた、今から約600年ほど前の絵。 それは、ロンドンのナショナル・ギャラリーの至宝、ヤン・ファン・エイクが15世紀のフランドルを舞台に描いた「アルノルフィーニの肖像」です。今日に至るまで、その神秘的な魅力は色褪せることがありません。そのわけは、この絵には多くの謎や興味を惹かれる事実があって、さまざまな専門家が今もその謎の解明に取り組んでいるからです。 絵画に描かれているのは、アルノルフィーニと彼の妻とされていますが、実は正確な身元か ...