西洋美術の宗教画 西洋美術史

シュテファンロッホナーの描く聖カタリナ

「3聖人 聖マタイ、聖カタリアと聖ヨハネ(福音書記者)」
シュテファン・ロッホナー
1450年頃

3人の人物が描かれていますが、真ん中の女性が聖カタリナです。

カタリナは、エジプトの王女として生まれ、美しく賢明で大変弁がたつ人物として知られていました。
そのため学問、学者や学校の守護聖人でもあります。

ローマ帝国皇帝マクシミヌス(在位:235-238)のキリスト教信者迫害に対して、カナリナは堂々とした弁論をして抵抗しました。
マクシミヌスは50人の哲学者を集め彼女を言葉によって負かそうとするのですが、彼女にことごとく言い負かされ、挙げ句のはて彼らは次々とキリスト教信者に改宗されられる始末。

それに腹を立てたマクシミヌスが考えたのが、カタリナに八つ裂きの罰を加えるための釘のついた車輪。
彼女はこれで刑を受けさせられそうになるのですが、そこへ天使が現れすさまじい力によって車輪は破壊されるのです。
その破壊によって車輪が飛び散って、見物していた異教徒が何千人も殺されるほどだったのだとか。

結局皇帝マクシミヌスは、カタリナに迫害を加えつつも彼女の美しさに惹かれ結婚を申し入れる。
もちろんカタリナは拒絶します。
そのことにより剣で彼女は首をはねられ殺されてしまいます。

ではこの絵の聖カタリナを見てください。

・王女であることを示す王冠をかぶっている。
・罰を受けるところを救われ破壊された車輪が足元に転がっている。
・首をきられた剣を持っている。

これが聖カタリナのアトリビュート(持物)です。

カタリナの場合は、壊れた車輪が地面に散らばっていたり、きれいな形の車輪を手に持っていたりもします。
また持物もすべて描かれる場合もあれば、一つだけのこともあるし、そのあたりは画家によってさまざまです。

 

さて、カタリアの両脇に一緒に描かれている2人もご紹介します。

向かって左が聖マタイ、右が聖ヨハネで、2人ともイエス・キリスト12使徒です。
マタイはおじいさんに描かれるし、ヨハネは若々しい青年で描かれる。
これも面白い特徴であります。

聖マタイのアトリビュートは、剣(剣で殺されたため)と天使のかたちをした有翼の人間(福音書記者の一人としてのシンボル)。

 

聖ヨハネ(福音書記者)は、洗礼者ヨハネもいるため(福音書記者)と記されます。
彼のアトリビュートは毒杯(殺されそうになった物)と鷲(福音書記者としてのシンボル)。

 

しかし、聖カタリナのストーリーは迫害を加えながらも求婚する。
なんという身勝手な男なのか!と腹がたってくる話ですね。
この言い伝えもどの程度事実にそったものなのかというところも気になります。

 

<アート用語>
聖人

聖人とはキリストの12使徒をはじめ、キリスト教信仰によって殉職した人物などが聖人として崇められ信仰もされるほどキリスト教世界に根付いているものです。

 

 

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