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Yoko

英国大学で西洋美術史専攻 日本の大学で文化支援専攻 海外.国内旅で多くのアートに触れる 2019年から対話鑑賞会・講座主宰しています。 美術史の知識だけでなく、対話型鑑賞で自分はどう感じるのか?を大切にするアート鑑賞を提案しています。
「自分自身」に出会うためのアート鑑賞
今回の絵の旅は、絵の裏側のストーリーを見にいく旅。400年前のイタリアの絵で見るいたずらっ子と猫です。 一見2人の子供が猫と遊んでいる微笑ましい絵に見えますが、よく見てください! お兄さんと思われる子が手に持っているものは・・・ザリガニです。ザリガニを猫の耳に挟ませようとしているのです。残酷・・・ 猫の顔が傾いて、爪を立てているようにも見えるからもうすでに挟んじゃってるのかもしれません。 子供って時にとても残酷です。この男の子の落ち着いた表情と、好奇心いっぱいに見つめる女の子の表情!女の子は鼻の頭も赤くな ...
手前にいる2人の男性が向き合って何か揉めているように見えます。 右の男性は穴の空いた笛のようなものをぎゅっと高く持っていて、左の男性が前に出てこないように制止しています。反対に制止されている男性は右手にナイフを持っている。危ない。何が理由に威嚇しあっているのか?とっても気になるのは右の男性の右手です。笛よりも高く上げられた手には何か挟んでいるように見える。ちょうど手は左の男性の目の高さにあってどうやら攻撃している感じが男性の顔からも伺えます・・・何しているの?? 手に握られているものはなんとレモン ...
18世紀から20世紀初頭のヨーロッパで流行したのが、オリエンタリズム。アジアや中東など西洋以外の文化を、絵画、家具、食器やファッションなどさまざまなものに取り入れました。そこには15世紀以降の大航海時代をきっかけにアジアやアフリカのものや文化が大量に入ってきたから。 中国のものを取り入れるシノワズリ日本のものを取り入れたジャポニズムなどが身近ですがこちらはトルコの衣装を身につけている女性です。 スイスの画家ジャン=エティエンヌ・リオタールは、1738年から4年間オスマン帝国のイスタンブールに滞在して、たく ...
昨日ロンドンでフェルメールの4枚見るという記事を書きました。その中の一枚「ギターを弾く女」を所蔵しているケンウッド・ハウスは、最後の所有者がギネス・ビールの創設者の曾孫のエドワード・セシル・ギネスでした。 https://cosinessandadventure.com/vermeer-london/ 私は好きなお酒を3つあげるとすると、日本酒、スパークリングワイン、そしてギネスビール。 イギリスで初めてギネスビールを飲んでから、苦味とクリーミーな泡の組み合わせにこれは美味しい!と虜になりました。ふわっふ ...
ロンドンには、フェルメールの絵が4枚あります。この4枚にはどんな共通点があると思いますか? 実は、すべての作品に楽器が登場しているのです。それは「ヴァージナル」と「ギター」。音楽とフェルメールの絵がどのように関わっているのか、気になりませんか? この記事では、ロンドンでフェルメールの魅力を体感できる4つの絵画と、その鑑賞スポットをたっぷりご紹介します。 私は2023年9月にロンドンを訪れ、4枚の絵をすべて鑑賞することができました。ただし、これらの絵はいつでも見られるわけではありません。そこで、比較的アクセ ...
2024年初めてのアートダイアリーです。 今年は地震でスタートという辛いお正月となりました。石川県からかなり離れているとはいえ、帰省していた私も緊急地震速報と揺れに驚いて母と共に家を飛び出しました。 石川県は学生時代の友人の出身地で、昔から何度も行っている大好きな場所です。 そして今回被害の大きかった場所の一つ、石川県七尾市にも数年前に行ったことがあります。国指定有形登録文化財が建ち並ぶ歴史街道の一本杉通りを歩きました。 お目当ての和ろうそくの店を見学し、酒屋を見たり、和菓子屋でお菓子とお茶をいただいてお ...
2023年のフェルメール大規模展示会のドキュメンタリー映画が、来年公開されることになりました!! 映画のタイトルは、『フェルメール The Greatest Exhibition-アート・オン・スクリーン特別編-』。 公開日は2024年2月2日。こちらが公式サイトです。 2023年2月10日〜6月4日にオランダ、アムステルダム国立美術館で、フェルメールの絵画28枚(全体の3/4)が一つの美術館に集まるという史上最大規模の展覧会。美術館館長やキュレータ ーなどの、展示された作品解説や、研究によって明らかにな ...
自分の前にふっと現れた人、物、情報などに、今ちらっと思ったことをやってみたら?と背中を押されるような気がすることよくあります。 きっとこれは自分に都合の良いように取っているだけだとも思うのですが、ポジティブに捉えている方が行動を起こす原動力になるために大切にしています。 ここ数日取り組んでいた記事の下調べをしている時に出てきた絵画がこの作品です。ジョン・マーティン「ヘルクラネウムとポンペイの破壊」。絵のタイトルを見て、あれこの絵テート美術館展で見た絵じゃないのと気がつきました。 取り組んでいた記事は、ロン ...
だいぶ昔のことですが、モネが好きと言うことになんとなくミーハーだと思われそうで、避けていた時があります。流行っている物や人気のあるものよりも、人があまり注目しないものに、自分が先に良さを見つけるんだ!!みたいなところがあったのです。そんな変なところは今も変わっていませんが、モネについては大好きだと何度も言い続けてます。 昨日、私たちのコミュニティで行われたオンライントーク会では、モネについてたっぷりと語りました。「モネ連作の情景」の展覧会の感想や、たくさんあるモネのエピソードがトークテーマ。 その中で、人 ...
※この記事は広告を含んでいます記事では、絵画から”自分の心を整える”方法をご紹介しています。 自分の今に意識を向けること。過去や未来に囚われすぎて、歪んだ目で今を見ている自分を手放すこと。このマインドフルネスの考え方を絵画鑑賞と共に楽しんでやってみようという提案です。 参考にしているのが、アート鑑賞と心を整えるという本。「はじめてのマインドフルネス 心を鍛える瞑想」クリストファ・アンドレ著 この本ではマインドフルネスのトレーニングについて、フランスの精神科医師が26枚の絵画を使って紹介してくれてます。12 ...
2ヶ月ほどのイギリス旅行中に購入した本(厳密には1冊は参加したツアーのお土産でしたが・・・)は、20冊。私の美術館やカントリーハウス巡りと、本の購入はいつもセットになっていて、今回も帰りの荷物は本だけで10kgを超えてしまいました。 できるなら本をあまり増やしたくないのですが、美術本やガイドブック系はまずkindle本にはなっていないので難しいですよね。そしてやはり紙の本の方が良い場合が多いのです。 探したいところに辿り着くのが早い。付箋をつけたり、線を引いていたら当然ですが、そうでなくてもこの辺りかなー ...
美術館に行くのが好きな私の母ですが、やはり年を重ねているので歩き回ると疲れる時もあるそう。そんな時展示室に椅子があればいいのですが、いつもあるとは限らないですよね。あっても近くになかったり、または展示室の外にあったり。 ちょっと写真がぼやけていて見にくいのですが、この黒いものは折り畳みの椅子です。イギリスの、ボウズ・ミュージアム(Bowes Museum)に行った時見つけて写真に撮ってきたもの。 展示室の外にあるエレベーター近くに、誰でも自由に使って良い椅子が用意されていたのです。展示室に持っていき自由に ...
これは、「カピトリーノの雌狼(複製)」のポストカードです。先日見に行った「永遠の都ローマ展」で買ったものです。 会場に入ってすぐの場所に彫刻は展示されていました。展覧会のスタートにぴったりの作品。ローマのシンボル的存在だからです。しかし、一緒に見に行った友人は「複製なんだ・・・残念」と言ってました。 そうそうこの展覧会、私も楽しみにしていたこちらの作品やコンスタンティヌス帝の巨像はすべて複製だったのでちょっとがっかりしたのです。しかし、そんなに簡単に貴重な品々をたくさん運んでくるわけにはいかないですよね。 ...
『イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル』に行ってきました。 展示の終盤に、数々の芸術家の作品からサンローランがインスピレーションを受けて生まれた作品の展示室がありました。展示室のタイトルは、”アーティストへのオマージュ”。全部で15点あり、美しい衣装の源泉になったのは、モンドリアン、ポリアコフ、ブラック、マティス、ボナール、ピカソ、ポップアート、そしてゴッホの作品です。 これまでモンドリアンの絵が、素敵なワンピースになったものは見たことがあったのですが、他にもこんなにたくさんあったことが驚きでした。一 ...
モネといえば、連作!「睡蓮」「積みわら」「ロンドンの橋」—— これらの連作をテーマにした大型展覧会がついに始まりました。本記事では、展覧会「モネ 連作の情景」のレポートをお届けします。 モネは、同じ風景や対象を異なる時間帯や光の条件のもとで描き続けました。その作品を一度に並べて比較しながら鑑賞できるのが、本展の大きな魅力です。モネが追い求めた「移ろう光と色の世界」を感じながら、私たちも彼の視点をたどるような体験ができました。まるでその場に立っているかのような没入感を与えてくれるモネの絵。出来上がるまでに、 ...