Yoko

英国大学で西洋美術史専攻 日本の大学で文化支援専攻 海外.国内旅で多くのアートに触れる 2019年から対話鑑賞会・講座主宰しています。 美術史の知識だけでなく、対話型鑑賞で自分はどう感じるのか?を大切にするアート鑑賞を提案しています。

ピーテル・パウル・ルーベンス 「マリー・ド・メディシスのマルセイユ上陸」

「マリード・メディシスのマルセイユ上陸」連作マリード・メディシスの生涯からThe Disembarkation at Marseillesピーテル・パウル・ルーベンス(1577年ー1640年)Peter Paul Rubens1622年ー25年ルーブル美術館所蔵 描かれているのはマルセイユに到着したマリー・ド・メディシス たくさんの登場人物が描かれているこちらの絵、主人公はどの人物だかわかりますか? 船から降りて陸へと渡ろうとしている真ん中の白いドレスの女性。右の青いマントを着た人物から手を広げ迎えられて ...

no image

美術館をまるごとお得に楽しめる 京都国立近代美術館の友の会に入会しました

先日京都国立近代美術館へ行ったときに、友の会に入会しました。 今年は何回も通いたいほど見たい展覧会もありますし、そんな特典もあったのか!ということも知ったので入会することに決めたのです。 入会した当日に企画展と常設展も無料で鑑賞し、カフェでランチを割引価格で楽しんで、ミュージアムショップで割引価格で図録を購入。 1日でしっかりと使わせていただきました! 関西の人なら見逃せない友の会の特典をご紹介しますね。 私の入った一般会員(一般と学生があり、金額は違いますが特典は同じです)でご紹介しますね   ...

【世紀末ウィーンのグラフィック】デザインそして生活の刷新にむけて 京都国立近代美術館

京都国立近代美術館で開催中の「 世紀末ウィーンのグラフィック-デザインそして生活の刷新にむけて」展に行ってきました。 19世紀末のオーストリアのウィーンで生まれた、ウィーン分離派を中心とした芸術家たちの、版画、挿絵、装丁、ポスター、雑誌などのグラフィックを中心に紹介した展覧会です。 京都国立近代美術館が、2015年に購入したコレクション300点がまとまってみることができるとあって楽しみにしていました。 見どころを書いていきます。< ウィーン分離派が重要視していた展覧会のカタログ、ポスター、展示風景の ...

金沢のアートを巡る旅 1日目 【アート旅】

2018年11月最終日、1泊2日で金沢に行ってきました。 友人である、ハッピーライフセラピストの片山裕子さんにお誘いいただいた旅行でした。彼女は ”ママの幸せな毎日を応援する” というコンセプトに、ハーブ・アロマ・パッチフラワーレメディ・瞑想などを使って、忙しいママでも簡単に楽しく続けられる自然療法を提案している人。 片山裕子さんのHPはこちらです▼http://katayamayuko.com/ 今回の旅の目的は、「禅と日本文化」の著者で仏教哲学者の鈴木大拙の美術館を訪問すること。そして片山さんの指導の ...

ルーベンス展ーバロックの誕生 国立西洋美術館で開催中

東京上野、国立西洋美術館で開催中のルーベンス展の展覧会レポートです。 ルーベンス展の公式ツイッターを、いつも楽しみに読みながら待っていた展覧会。ルーベンスの作品が40点以上(一部ルーベンス工房作や帰属作を含む)が集められた今回の展覧会の特徴は、ルーベンスをイタリアの画家として見ていくというもの。 ルーベンスはフランドル地方の出身ですが、22歳の時に当時は芸術の最高峰であったイタリアへ行き8年過ごしました。みどころは、彼がイタリアで何を学びそれがどのように作品に活かされていったのか?そして同時代や次世代に活 ...

西洋絵画で聖書の物語を読む 「エジプト逃避途上の休息」カラヴァッジョ

「エジプト逃避途上の休息」Rest on the flight into Egyptカラヴァッジォ(本名はミケランジェロ・メリージ)Caravaggio (Michelangelo Merisi da Caravaggio)1595年ごろローマ、ドーリア・パンフィーリ美術館所蔵 【エジプト逃避途上の休息】 キリストの生涯の物語の中で、「東方三博士の礼拝」のあとにくるのが「神殿奉献」となっています。 しかし、聖マタイの福音書では、エジプト逃避のきっかけとなる出来事がおこります。 東方三博士が生まれた幼子を、 ...

マリー・アントワネットのお気に入り画家 エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ・ルブランの自画像

「麦わら帽子をかぶった自画像」Self-portrait in a Straw hatエリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン (1755年ー1842年)Elisabeth Louise Vigee Le Brun1782年ロンドン、ナショナルギャラリー所蔵 この絵はフランスの女性画家の自画像。マリーアントワネットの宮廷画家とも言われる、エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランです。画家であるのは、パレットや筆を持っていることからわかりますよね。大きな羽と花で飾られた麦わらぼうしをかぶり、ピンクの衣装 ...

「ピエール・ボナール展」新国立美術館で出会う・・初期の日本かぶれから最晩年の作品まで

  ピエール・ボナールの作品が約130点も集まる大回顧展が東京の新国立美術館で開催中です。 ボナールはものすごく知られた画家ではないかもしれません。 それでも、印象派以後の作品の展覧会や、その時代のコレクションをもっている美術館では彼の作品を見る機会が多いのです。 私も最近では、「ビュールレ・コレクション」、「プーシキン美術館展」や、ヤマザキマザック美術館でもボナールの作品を見ました。   実はそれまではあまり印象に残らなかったボナールの作品。 美しい色彩や装飾的な画面、ぼんやりとした ...

【肖像画が物語る】アンドレアス・メラーが描く11歳のマリア・テレジア

この堂々としながらも、可愛らしさも残している人物、誰だと思いますか?オーストリア=ハプルブルグ家の女性君主、そしてフランス王妃マリー・アントワネットの母のマリア・テレジア(1717年〜1780年)です。詳細の称号は、神聖ローマ帝国皇帝の皇后、オーストリア大公、ハンガリー女王、ボヘミア女王。肖像画は彼女が11歳の時のものだということです。大きな瞳でこちらをじっと見つめてくる姿に、こちらも見返さずには入られませんよね。描いたのは、画家アンドレアス・メラー。単に外見を描くのではなく、マリア・テレジア将来を予感さ ...

「ル―ヴル美術館展 肖像芸術」大阪市立美術館で肖像作品の魅力にはまる

ルーヴル美術館からよりすぐりの肖像をテーマにした作品が集まった「ルーヴル美術館展 肖像芸術」。 大阪市立美術館へ見に行ってきました。 肖像といえば、今では私達は気軽にカメラやスマホを使って写真を撮れる時代ですよね。 自分の姿、家族、恋人、友人と思い出に撮る写真。 美術の肖像作品は、生きている私たちの姿を思い出として残すとは反対で、亡くなった方を弔う墓標から始まりました。 肖像作品といっても、肖像画だけではありません。 作られた目的や、作品の種類も(彫刻であったり、絵画であったりなど)本当にさまざまなのです ...

フェルメール好きにおすすめの映画「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛」

記事内に商品プロモーションを含む場合があります。 フェルメールの絵画の世界を見ているような映画「チューリップ・フィーバー」をご紹介します。 17世紀のオランダが舞台になっていて、映画全体がフェルメールの絵の中で登場する室内や街の雰囲気となっています。 本当にオランダでおこった、チューリップの球根で家が買えるほどのバブル期を”チューリップ・フィーバー”といいます。 そんな中で繰り広げられる画家と裕福な商人の若妻の愛の物語です。 最後には「チューリップ・フィーバー」を観られる動画配信サービスも紹介してます。 ...

藤田嗣治展@京都国立近代美術館  藤田の人生ドラマをみるような展覧会

  京都国立近代美術館で開催中の「藤田嗣治展」に行ってきました。 2018年は藤田嗣治の没後50年にあたる年。 過去最大の大回顧展として、東京都美術館で大盛況ののち京都にやってきました。 乳白色の独自の技法を確立、おかっぱ頭にに丸メガネにちょび髭という独特のスタイルで多くの人に知られている画家。 しかし、この展覧会は藤田の画家としての全貌がわかるスケールの大きな展覧会です。 今までのイメージが変わるような作品も登場しますし、作品と共に生き様や苦悩も伝わってくるものでした。 藤田嗣治のファンの方は ...

夜時間はアートに浸る! 読書の秋におすすめしたい3冊

夜をゆったりと過ごす時間に、アートの世界に浸ってみませんか? 読書の秋におすすめしたい美術関連の本を3冊ご紹介します。 1冊目は、一人の画家の作品の世界を体験できるような小説2冊目は、フランスの絵画の400年の歴史をまるで大河ドラマのように楽しめる本3冊目は、現代アートの世界をイラストをふんだんに使って紹介したガイドブック ジャンルもさまざまですが、本を読んだあと美術館に行くとまたさらに楽しめることまちがいなしです。 チューリップ熱 デボラ・モガー著 「チューリップ熱」デボラ・モガー著 立石光子訳白水社 ...

no image

歴史・コレクション・建物も魅力的 大阪のおすすめ美術館3館

大阪のおすすめ美術館はどこですか?と尋ねられて頭に浮かんだこの3館。 この美術館が浮かんだ理由は ・美術館としての歴史がある ・常設コレクションが充実している ・建物自体も美術館の特徴を伝えている魅力的なもの ・特別展も頻繁に開催されている でもこれらのこと漠然と知っているだけに気づき、今回改めていろいろと調べてみました。 そうすると、ますますこの3館のすごさを知り、普段は特別展に行くのが一番の目的になってしまって常設展は時間がなく見逃してしまうこと多いことにもったいないな・・と気づいたのです。 3館それ ...

「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」美術展レポートー1人の男の集めた西洋美術300年の歴史を見る

会期終了までわずかになりましたがやっと「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」を名古屋市美術館で見てきました。印象派の作品を中心に、印象派へとつながる少し前の時代の画家の作品から、印象派と抽象絵画への橋渡しをした作品まで、全64点の充実の内容でした。コレクターであるエミール・ゲオルク・ビュールレ氏の視点からみた、絵画表現が互いの影響によって発展していく壮大な西洋美術300年の歴史が見ることができました。 みどころ ・全64点の作品のうち半数は日本初来日 ・2008年、世界的に報じられた4点の絵画盗難事 ...