Yoko

英国大学で西洋美術史専攻 日本の大学で文化支援専攻 海外.国内旅で多くのアートに触れる 2019年から対話鑑賞会・講座主宰しています。 美術史の知識だけでなく、対話型鑑賞で自分はどう感じるのか?を大切にするアート鑑賞を提案しています。

レンブラントの絵を巡るアートドキュメンタリー映画「レンブラントは誰の手に」

「レンブラントは誰の手に」はレンブラントの絵を巡って繰り広げられる人間ドラマを取り上げたドキュメンタリー映画。2021年公開作品。原題は、「My Rembrandt」。 レンブラントの新たな作品の発見になるの?売り出された2枚の肖像画はどの美術館に行くの? という実際にあった出来事の裏側をちょっとスリリングに見せてくれます。 登場するのは、貴族、画商、美術研究者、アートコレクター、修復家や美術関係者たち。他にもレンブラントの絵にまつわるエピソードが間にいくつも登場して、うまく交差しあって進んでい ...

【アート好きのための】見逃した美術系映画を自宅でお得にみる方法

画家の人生を描いた映画。美術館やアート界の裏側に迫るドキュメンタリー。など、アート関連を扱った映画って実はたくさんあります。 映像と音声が掛け合わさった映画は、その世界に没入できること間違いなし。でもアートを扱った映画って、ミニシアターという小さな映画館でひっそり公開されていて、見逃してしまったってことないですか? または、「ああ・・・タイミングが合わずいけなかった。見たかったのに・・・」と公開日が終わってしまい残念に思ったことないでしょうか? そんな見逃してしまった映画を、自宅でしかもお得に楽しめる方法 ...

【自分の好みを探す時間】アサヒビール大山崎山荘美術館

【アサヒビール大山崎山荘美術館】は、京都府大山崎町にある美術館。 ここには、英国の山荘をイメージして作られた本館に、安藤忠雄建築の新館。モネの「睡蓮」を初め、ピカソやゴッホの絵画のコレクションから現代アートの作品も。工芸品、古代の壺やデルフトタイルなど、さまざまなコレクションが充実しています。 でも、アーティストの作品を楽しむだけではなくて、この場所は、日本とイギリスをつなぐ場所だったり、関西の実業家の夢や情熱の詰まった場所でもあるのです! 【美術館で自分の好みを探す】旅としておすすめな大山崎山荘美術館を ...

ギリシア神話に登場するオリンポス12神を絵画で見て覚えよう(+2神もご紹介)

ゼウスって聞いたことあるけれどどんな神様なの?アフロディーテとヴィーナスの違いとは?ヴィーナスのそばにキューピットがいつもいるのはなぜ? 絵を見てこんな疑問を持ったことありませんか?西洋絵画を見るときは、キリスト教やギリシア神話のストーリーを知っていると楽しめる幅がぐんと広がります。 しかし!ご存知の方も多いと思いますが、ギリシア神話って本当に複雑で、一つ一つのエピソードがドロドロしている・・・ 例えば わが子に王位を取られることを警戒して、自分の子たちを飲み込むもの。浮気を繰り返し母違いの兄弟がたくさん ...

人生の糸を紡ぐ運命の女神「ウォルドグレイブ家の貴婦人たち」ジョシュア・レノルズ

ジョシュア・レノルズの描いた美しい3人姉妹の肖像画「ウォルドグレイブ家の貴婦人たち」。白い服を着た3人の女性が小さなテーブルを挟んで、針仕事をしているところが描かれています。 髪粉をたっぷり使い優雅に髪を結い上げて、真っ白な肌に濃いチーク。家庭的な針仕事を熱心にしている姿でも描かれている。 この絵は見たとおり、貴族の女性の優雅な日常の肖像画なのでしょうか? 住む世界が違って感情移入ができない? 絵を別の角度から見ていくと、男性優位の社会のなかで、運命を切り開いた強い女性の姿も見えてきます。 あなたはそこか ...

レンブラント「夜警」についてあなたの知らない18つのこと

オランダ一番有名な画家で、美術史上でも偉大な画家と言われれているレンブラント・ファン・レイン(1606年〜1669年)。 レンブラントの代表作の巨大な絵で、誰もが一度はどこかで見たことがあるだろう「夜警」ついて、あなたはどれだけ知っていますか?(絵の大きさは縦363cm、横は437cmもあります!!) 実はこの絵は絵画的に素晴らしいだけでなく、たくさんの謎が隠されていて、そこが世界中の人々を魅了しているところでもあるんです。 記事では、「夜警」を18個のポイントで紐解いて、レンブラントの世界への旅にあなた ...

初心者必見!西洋美術史を学ぶためのオススメ本5冊+実践的アドバイス

記事内に商品プロモーションを含んでいます 「美術史を学びたいな。初心者にオススメの本はなんだろう?」「たくさんあるけれどどの本を選んだらいいのだろう」 この記事ではこういった疑問に答えます。 「美術史を学んでみたいな」と思った初心者の方にオススメな本と、具体的な行動の重要性を解説しました。本で知識が増えたとしても、読むだけではすぐ忘れてしまって実はとてももったいない。知識と行動がセットになると価値を生みます。 本記事の内容・西洋美術史初心者が最初に読んでおくべき本【5冊】・さらに別の角度から美術を見るため ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」 9日目 20世紀の美術

9日目は、20世紀に生まれた8つの芸術様式をご紹介します。 ドイツ表現主義 フォーヴィスム キュビスム エコール・ド・パリ 未来派 抽象主義 ダダイスム シュルレアリスム 20世紀になると美術界はさらに様式の多様化が進みます。 それは、芸術家が各地で同時代にさまざまな個性を競い合い、自分の世界観を強く主張していったからです。 それぞれの様式は、芸術家の気まぐれや偶然的に生まれたものではなく、過去の芸術やそこから生まれた問題点を乗り越えようとおこってきたものです。 それではまず時代背景からみていきましょう。 ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」 8日目 19世紀後半〜20世紀初頭の美術

印象派、後期印象派はいかがだったでしょうか?現代に近づくにつれて、描かれているもの、色彩、描き方などがどんどんと変わってきているのを感じられたと思います。世の中の変化に印象派が生まれ、彼らによって美術の歴史が大きく動く。彼らの果たした役割は、8日、9日目との2日間に登場する多くの芸術運動が生まれるきっかけとなります。 ここからは本当にたくさん出てくるので、かなりややこしく混乱します。でも、様式も1つ1つアーティスト達の理想や思い、それをどのように表現していったのか、時代背景と共に見ていくと面白さに変わって ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」 7日目 印象派・後期印象派

ロマン主義、写実主義、バルビゾン派はいかがだったでしょうか?このように歴史をたどっていくと、美術の様式はその時代の情勢との関わりの他にも、過去の芸術スタイルの反発から新しいスタイルが生まれてきていることわかるのではないでしょうか? 印象派もまさに過去や伝統への反発。自分たちが描きたいものを描きたいように描く!画家達のそんな情熱が、常識だと思われていた芸術はこうあるべきという姿をひっくり返したのです。登場当時は嘲笑われていた彼らの生み出した作品、芸術に対する想い、主題の選び方、技法や制作スタイルなどが、その ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」 6日目 ロマン主義・写実主義・バルビゾン派

6日目はロマン主義、写実主義、バルビゾン派です。前回の最後に出てきた新古典主義は、秩序と理性を重んじたスタイルでした。 新古典主義とは異なりロマン主義は想像と感情、個性を尊重しました。作品のテーマは、古代よりも中世に焦点を当てたものが多く、また自然の力を感情の延長としてとらえ、神秘的で幻想的な風景画も登場しました。 ここでは3つの様式の時代背景を見てから一つ一つの説明に進んでいきます。 どんな時代だったのでしょうか? 1789年に始まったフランス革命は、ついに1793年ルイ16世とマリー・アントワネットが ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」 5日目 バロック・ロココ・新古典主義

イタリア・ルネサンス、北方ルネサンス、マニエリスムはいかがだったでしょうか?ルネサンスと言っても地域によってさまざまな特徴があることを感じられたと思います。 この回では、バロック、ロココ、新古典主義と3つの様式をお伝えします。情報が多くなりますが、少しづつ読み進めていただければと思います! ところで、前回で触れた宗教改革を覚えていますか?バロック美術の発展にはこの宗教改革が大きく関係しています。イタリアを中心としたカトリック教会は威厳を取り戻し信者の心に訴えるために美術の力を使います。そして、フランスなど ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」 4日目 北方ルネサンス・マニエリスム

イタリア・ルネサンスはいかがだったでしょうか?地名やたくさん出てくる名前など、気になったりわからなかったりした部分は調べてみるとさらに理解ができると思いますよ。 4日目は北方ルネサンスとマニエリスムです。イタリア・ルネサンスが発展していた同じ頃、アルプスより北の地域で見られる芸術様式が北方ルネサンスと呼ばれています。芸術家が目指したところは同じようでも、手段や結果に違いがみられます。またイタリア・ルネサンスの終わりからバロックに移り変わっていく過程で出てきたマニエリスム。それでは1つづつ見ていきましょう。 ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」 3日目 イタリア・ルネサンス

2日目はキリスト教美術が発展していく様子をみていきました。西洋美術と言えばキリスト教美術と言ってしまいそうな、密接な繋がりが少しわかっていただけたでしょうか?最初は難しいと距離をおいてしまいがちですが、聖書の物語をたどりながら見たり、作品に登場する”お約束事”を覚えていくと、グッと親しみが持てるようになります。 では、3日目はイタリア・ルネサンス美術です。いよいよ馴染みのある時代へ入ってきましたね。 西洋史では14世紀から16世紀のイタリアがルネサンスと位置づけられています。ルネサンスは「再生、復興」とい ...

「西洋美術の歴史を旅しよう!西洋美術史入門講座」  2日目:中世キリスト教美術

1日目の古代ギリシア・ローマの美術はいかがでしたか?2日目は中世のキリスト教美術です。旅行で海外の美術館へ行かれた方や、日本でも開催される西洋美術の展覧会で、宗教画が多いなと感じられたことありませんか?私も美術史を勉強をすればするほど、ヨーロッパでのキリスト教の重要さ、人々に根付いている思想と、その持っているパワーに圧倒され続けました。 なぜこんなにもキリスト教の美術品が多く作られているのでしょうか?難しそう・・・あまり好きじゃない・・・そんな方にも、キリスト教美術の歴史を知って、もっと見てみたいと思って ...