Yoko

英国大学で西洋美術史専攻 日本の大学で文化支援専攻 海外.国内旅で多くのアートに触れる 2019年から対話鑑賞会・講座主宰しています。 美術史の知識だけでなく、対話型鑑賞で自分はどう感じるのか?を大切にするアート鑑賞を提案しています。

【対話型鑑賞会ご感想】モネの自宅の庭を見て自分の望みを妄想した!

こちらは2021年4月の対話型鑑賞会のご感想です。 先日4月の対話型鑑賞会を開催し、その感想をいただきました!  「最初はモネのタッチが大きくぼんやりした絵がよくわからなかったけど、200年前の風景画と比較してリアルって何だろう?と考えました」 「モネの自宅の庭の絵を見ていて、自分の望みを妄想してしまった!」  今回参加いただいた鑑賞会では、クロード・モネの2枚の絵を鑑賞しました。テーマであるモネが家族とすごした時間の絵を見ながら、絵から感じたことを語る対話鑑賞。そして、モネが絵で何をしたのかについても、 ...

【展覧会レポート】「夢をめぐる 絵画の名品より」アサヒビール大山崎山荘美術館

  アサヒビール大山崎山荘美術館で3月20日からはじまった「夢をめぐる 絵画の名品より」の展覧会に行ってきました。 1996年4月に開館した美術館は、今年25周年になるそうです!! そのため美術館の名品を集めた、力を入れた展覧会になっています。 「夢」というテーマで厳選された作品に、こんな作品も持っている美術館だったのかと驚きもありましたよ。   大山崎山荘美術館は、実業家だった加賀正太郎氏の別荘だった建物が美術館になっている、展示スペースとしては小さな美術館です。 しかし、その分一つ ...

ジヴェルニーの庭を描き続けたモネ「睡蓮の池」

タイトル:「睡蓮の池」画家:クロード・モネ制作年:1899年ナショナル・ギャラリー(ロンドン)所蔵 クロード・モネが15歳のころ、画家のウジェーヌ・ブーダンと出会い、戸外で描くことの大切さを教えられたというのは有名なエピソードです。それからモネは外光の効果や陽の光にちりばめられる青白い木漏れ日の影を描くため外で描くことにこだわりました。 当時はかなり珍しい、描くものを目の前にして描き続けたモネ。あるとき「あなたのアトリエはどこですか?」と尋ねられて、周りの野原を指差し「ここですよ」と答えたと言われています ...

「青色」が高級感を与えるわけー色と価値の深い関係

「真珠の耳飾りの少女」ヤン・フェルメール1665-166年 こちらのフェルメールの絵のように青と金の色の組み合わせ、とても高級感を感じませんか?”高貴””高級”と感じるのは、色が作られる歴史ととても深いつながりがあります。 19世紀になって安くて安全な顔料が作られるようになるまでは、科学の実験のようなことをして色を作っていました。画家が美を求めていくところには、地質学や植物学などともつながっていきます。 色を作り出すプロセスが、色のイメージと結びつき、そのイメージは今でも身の回りに残っています。今日はそん ...

子供向けアート対話型鑑賞を始めました 3回目

2021年が始まって、7才の姪っ子とzoomを使ってオンラインアート対話鑑賞を始めました。その目的は、彼女に「これはなんだろう?」「なんでこんな風になっているのだろう?」という視点を持って見ることを当たり前にしてもらいたいから。美しいな、綺麗だな、という感じるだけで終わらせるのではなくて、何事にも気づいたことから、どう思うのかを自分の言葉で言える人になるきっかけをアートを通して作りたい。 イギリスに住む姪っ子がどんな授業を受けているのかを聞いていると、この<自分で考える><自分で調べる><自分はどう思う> ...

【対話型鑑賞会ご感想】絵について詳しくなってから行く美術展は更に楽しいものになる

対話型鑑賞会に参加してくださったお客さまが、感想をご自身のインスタに投稿してくれました! ・参加者のみなさんと絵を見ながら気づいたことやどう思ったのかを繰り返すうち、タイトルは知らないのにどんな絵なのかをほぼ正確に推測できました。 ・美術館では気づけない細かいところにも気づき、他の人の感想を聞きながら自分の気持ちや望みにも気づくことができます。 ・絵についてくわしくなってから行く美術館は更に楽しいものになると思います。   当日のオンライン鑑賞会の様子 今回参加いただいた鑑賞会では、三菱一号館美 ...

子供向けアート対話型鑑賞を始めました 2回目

今年は7才の姪っ子と一緒に、アート対話鑑賞を始めました。今回はその2回目です。 前回の様子はこちらから https://cosinessandadventure.com/art-talk-for-kids-1/ 一回目である前回は、パリとニューヨークを描いた絵画2枚を使って、もしカレンダーにこの絵を使うなら何月にする?というテーマで対話しました。その後この絵が描かれた街の場所を世界地図で確認。その中で、彼女が絵で見つけたものを、自分の知識や経験と結び合わせて自分の答えを発言していく姿を見ることができました ...

【展覧会レポート】没後70年 吉田博展を見てきました

「没後70年 吉田博展」に行ってきました。 この展覧会を知ったのは、去年行った福井市美術館でのこと。ダイアナ妃が執務室に飾っていた「光る海」という作品が使われた展覧会のポスターを見たのです。そのポスターはこちら この投稿をInstagramで見る Yoko アート鑑賞で知る自分の価値観(@cosiness_and_adventure)がシェアした投稿 この作品に一目惚れでした!この繊細さを木版でどうやって表現してるのと驚いた。光の輝きや水のゆらめき、空気感に広い海と地平線が広がる空間。単調になるどころか ...

高知県立美術館

  高知県立美術館 高知県立美術館 1993年11月3日に開館 〒781-8123 高知県高知市高須353-2 TEL 088-866-8000 / FAX088-866-8008 美術館HP: https://moak.jp/   シャガールの版画1200点以上を専用展示室で入れ替え展示 高知県立美術館のみどころの1つは、マーク・シャガールの油彩画5点、版画1200点以上になる世界的規模のコレクションです。 ヨーロッパの美術館のような赤い壁紙が素敵な、シャガール専用展示室でじ ...

名画のバランスの良さは隠された構造線や形の反復にあり!

絵を見ていて、この絵バランスが良いなぁと感じるその理由は、隠された構造線や形の反復にあります。 さっと見るだけではわからない、でもじっと観察してみると線や反復が見えてきます。 さっと見るだけではわからないというのは、画家がそれだけ自然に使って描いているからなんです。。 こちらの絵を見ながら説明していきますね。   「幼い洗礼者聖ヨハネと子羊」 バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 1660年〜65年 ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵 栗色の巻毛の可愛らしい若き日の洗礼者聖ヨハネと子羊が描かれて ...

子供向けアート対話型鑑賞を始めました 1回目

今年は自分の課題の1つとして、子供向けアート対話型鑑賞を継続してみることにしました。 昨年の11月に福井県あわら市細呂木小学校の校長牧井先生にお会いしてきました。細呂木小学校では、朝時間を使ってアート対話型鑑賞”あさかん”という活動をしています。校長の牧井先生は、文化行政マンとして福井県の学校で菱田春草「落葉」の出前鑑賞会をされていた方です。その数、77校、111回!!その出前授業のご経験を本「感じる力で人は、育つ」にして出版もされています。 子供向け対話型鑑賞でも、大人と同じく考える力、想像力、自己肯定 ...

絵画の対話型鑑賞で得られる7つの効果 自分らしく生きるにつながります!

西洋絵画つかった対話型鑑賞を、対面やオンラインでやっています。対話型鑑賞を使っている理由は、私が一方的に絵の解説をお話するよりもはるかに絵を楽しむことができるから。そして絵を楽しむだけではなく、ものごとのとらえ方に気づくことができるのです。自分がものごとをこう見てるんだ!に気がつくと、今の自分を作ってる生き方や考え方を理解できるようになります。 対話型鑑賞とは、対話をとおして絵画をグループで鑑賞していく方法です。ファシリエ−ターがグループの会話を誘導しながら、鑑賞者がそれぞれに感想や気づきを出し合いながら ...

”自分らしく生きる”ヒントを手に入れるアート思考のオススメ本3冊

記事内に商品プロモーションを含む場合があります。 ”アート思考”(アートシンキング)という言葉を耳にする機会が多くなりました。アート思考とは、自分が興味を持っていること、違和感を感じたことを受け流さないで、常に自分に問いかけていくこと。そして自分の信じたことを追求していくこと。アーティストはそのように作品を生み出してます。私たちに感動を与えてくれるアーティストの方々、芸術家、ミュージシャン、俳優、小説家、ダンサーなどなどです。では、私たちはどうだろう・・・違和感感じても忙しさにかまけて無視してしまうことあ ...

アート思考とは自分の興味や疑問を探求していくプロセス

松戸スタートアップオフィス主催の「ベストセラー「13歳からのアート思考」著者・末永幸歩さんによる特別講座&対談> アート思考で「自分なりの視点」を鍛えよう」のオンラインセミナーに参加しました。「13歳からのアート思考」は私も実際に読んでみて、西洋美術の教え方に新たな視点をもらえました。自分の常識とは何なのか?アートをもとに向き合う思考法だとも捉えました。 でもさらにもっと深く知ってみたいと末永さんの講演を探していたところ、末永さんの講義だけでなく慶應義塾大学特任准教授/プロデューサーの若新雄純さんとの対談 ...

【アートで知る本当の自分講座ご感想】好きな画家の絵を今の自分が見たらどう感じるのか確かめに旅するのが楽しみになった

こちらは2020年のお客様の感想です。 「アートで知る本当の自分」講座を受けてくださったお2人からご感想をいただきました。 3ヶ月にかけてお2人の方とやってきた、マンツーマンの講座。3回のセッション、そして毎週1枚づつ絵をお送りして絵を見た気づきや感想を送っていただくという3ヶ月を過ごしてきました。  SSさんは、この3ヶ月の色々とあった期間、絵を見ているときはわずかな時間でも他のことを考えない、自分に集中している時間だったことが良かったそうです。その中で色々なジャンルの絵に触れて自分の好き・嫌いがわかり ...